2023.8.25 / 訪ねてみたい名庭園
ここ数年、長野県白馬村でのスキーリゾートの外構のガーデンづくりに関わっていますと、
前回のブログ記事でも書きました。
年に何度か、長野県白馬方面に行く機会がありますので、そのついでに、白馬村近郊にある美しいガーデンを
訪ねています。
今回は、その中から、最近見たガーデンの中でも、本当に美しいガーデンのひとつ、長野県大町市にある、
「La CASTA Natural Healing Garden」(ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン)を
ご紹介したいと思います。
あまりにも美しかったので、かなりの枚数、写真を撮ってきましたので、
4回に分けて、その全貌をご紹介できればと思います。
第1回目は、ラ・カスタの導入部分を中心にご案内します。
「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン(以後、略して、ラ・カスタと記載します。)」は、
地元・長野県大町市にある、精油(エッセンシャルオイル)を原料にしたナチュラル化粧品を製造・販売する、
アルペンローゼ(株)という会社が運営しているガーデンです。
「植物の生命力と癒し」をテーマに、五感(眺める、触れる、香る、聴く、味わう)で感じるガーデンを目指し、
訪れた人々の心と身体をより一層元気にすることを願って作られています。
写真は、このガーデンの入り口で、手前には、ブランド(製品など)そのものを体感できる旗艦店、
「ラ・カスタ 北アルプス本店」があります。
こちらは、ガーデンに入ってすぐのところにある、芝生敷きのガーデン。
奥にはバラの花が植えられています。
一般的には、このような芝生花壇には入れないことが多いのですが、
ここ「ラ・カスタ」では、「近づいて香りをかいでください。」と
案内板がありました。
ガーデンに入ってすぐのところに現れる湧き水の池。
水は化粧品の質を左右する大切なもの、という発想で、「ラ・カスタ」では
ガーデンをつくるに際して、清らかな水が湧く土地を探して、
この場所を選んだと記載がありました。
この水は、化粧品に使われているとともに、ガーデン内でも、
美と健康に良い水として、至るところに使われていました。
入口入ってすぐの「ボーダーガーデン」エリアを進むと、しばらくして石張りの橋が見えてきます。
うまく動線を立体交差させ、ガーデンの見せ方に工夫を凝らしています。
石張りの橋を抜けると、視界が広がってきます。
信州らしい、白樺の木の白い幹が印象的です。
その白樺の木が自然に植えられているエリアを覗くと、
そこには澄んだ水が流れていました。
至る所に水を感じる設えがされています。
庭の作り込みも、あくまでもナチュラル。
実際の自然の風景を切り取ったみたいにできています。
白樺の森の向かい側には、レンガ張りのアーチがありました。
この壁面アーチには、赤いつるバラが誘引されていました。
こちらのアーチをくぐって先に進んでみます。
さっき、エントランスを入ってすぐに見えていた石張りの橋の上を渡るようになっています。
周囲には、高木がたくさん植えられていて、森の中のように思える空間です。
橋の上から、先ほど歩いてきたボーダーガーデンの小径と
その横の湧き水の池を見下ろしてみました。
濁りのない、澄んだ透明の水が、こんこんと湧き出るような川になっています。
この水景は、隣町の安曇野などでよく見かける、山葵園(わさびえん)のような
風景に近いと感じました。
橋を渡り切った小山の上には、湧き水の壁(壁泉)が作られていました。
水が滴る壁面にはミズゴケが生えていて、涼し気な風情を感じます。
いろんな場所に水の風景が作られていることも、このガーデンの特長のひとつです。
この壁泉の近くに置かれていた寄せ植えの鉢です。
リーフ系の植物を何種類が織り交ぜて、とても涼し気な設えです。
鉢のセンスもとても素敵です。
この先には、ガゼボと、それにつながるフジ棚が作られていました。
フジ棚から漏れる光もとても美しいものでした。
来た道を一旦もとに戻り、次に見えてきたのが、「コニファーガーデン」です。
奥に見えているのが、このガーデン内のシンボル的な建物「ファクトリー」です。
その手前の一角には、黄緑や緑、シルバーグリーン、濃い緑色など、様々な色や樹形のコニファー類が
集められています。
僕は、コニファー類があまり好みではなかったのですが、この「ラ・カスタ」のコニファーガーデンは、
本当に美しく、このガーデンの中でも、一番の見どころではないかと思うほどです。
葉の色だけでなく、葉の大きさ(細かさ)、樹高、樹形など、多種多様ですが、
それが見事に美しくデザインされていて、目を奪われます。
品種名は分からないのですが、この小型のコニファーも見たことがない品種で、
色は一般的な緑ですが、葉がとても細かく、樹形も端正な円錐型、
そして樹高が高くならないのがいいですね!
そして、そのうしろにあるのが、プンゲンストウヒ・ホプシー。
プンゲンストウヒの中でmの、最も葉が白くなる品種で、
完璧な円錐形の樹形がとても美しいです。
実は、今、関わっているとあるガーデンプロジェクトで、
クリスマスツリーとして、このプンゲンストウヒ・ホプシーを使う予定なのです。
このホプシーを下から見上げた様子です。
青空にシルバーグリーンの葉がとても映えます。
成長がとても遅く(だからいいのですが)、このラ・カスタのホプシーは5m以上あると思いますが、
ここまで大きくなるのに、何年くらい掛かっているのでしょう?
こちらは、ホプシーの葉です。
近くで見ると、よりその青さ(白さ)がよく分かります。本当に美しい葉です。
ラ・カスタのコニファーガーデンには、他にも、こんな↑樹高の低い品種もあります。
葉の色は、ホプシーに近いシルバーグリーンですが、樹高は1m程度しかありません。
まん丸に茂り、独特の風景を作ってくれます。
こちらが、その葉っぱ。
松の葉のような針葉樹独特の葉ですが、痛くもなく、むしろタワシのように柔らかく、癒されます。
如何でしたでしょうか?
「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」の後編は、次回に。
乞うご期待!
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