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専門家「風景」をつくるガーデニング術

【2021年振り返り】我が家のつるバラ誘引ビフォー&アフター

居場英則

早くも2月中盤に入りました。

今年は例年に比べて、寒い冬になっています。

さて、年末から年始にかけての毎年恒例行事が、つるバラの誘引作業です。

こちらのdinosさんのガーデンスタイリングでも、毎年お伝えしているのですが、

今年も我が家のつるバラ誘引の様子をご覧に入れようと思います。

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ただ、今年2022年のつるバラ誘引作業をご紹介する前に、前年度はつるバラ誘引作業の結果がどうだったのか、

総括しておく必要があるかなと思いまして、昨年2021年のつるバラ誘引の状況と、5月のバラの開花時期とを

照らし合わせて、ビフォー&アフター的に見比べてみようと思います。

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まず、こちらが我が家のエントランスアプローチ部分。

つるバラ誘引作業がひととおり完了した1月頃様子です。

落葉樹が多い我が家では、ほとんどの植物は葉を落としていますが、

手前左には、まだ黄葉したままのユキヤナギだけが葉を残しています。

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こちらが、5月のバラの最盛期の様子。

少し上の写真とは画角が異なりますが、ほぼ同じアングルから見た写真です。

手前の大きな株立ち樹形の樹木はシンボルツリーのエゴノキ、右奥にも株立ちのヤマモミジが新緑を湛えています。

そのシンボルツリーのエゴノキの中ほどにも、赤いつるバラ・キングローズとイングリッシュローズの

メイヤー・オブ・キャスターブリッジというつるバラをエゴノキの枝に絡みつけるように誘引しています。

右側の引き込み電柱にも赤い花のつるバラ、チェビーチェイスを誘引し、立体的に咲かせています。

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玄関アプローチを入っていくと、このように建物外壁面に誘引された小輪・房咲きのつるバラが見えてきます。

アプローチの両側にも、つるバラだけでなく青いクレマチスを誘引し、赤やピンク一辺倒だった以前の我が家の様子

からはずいぶんイメージ変わってきました。

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こちらは、前庭の隣地境界側のブロック塀に誘引しているつるバラ、カクテルです。

お隣さんのご厚意、ご理解もあり、隣地境界の外側にもつるバラを誘引させていただいているのですが、

それだけでなく、お隣さんの玄関先に、オベリスク仕立ての鉢植えのバラを置かせていただいています。

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こちらが5月の開花期の様子。

白い大理石タイル張りのブロック塀に誘引したつるバラ・カクテルと、鉢植えのオベリスク仕立てのバラも

同じつるバラ・カクテルで、2本のカクテルがつながるようにボリューム感を持って咲くような演出をしています。

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こちらは、エントランスアプローチの脇にある小壁で、道路と反対側(建物側)の壁面を見ているところです。

この小壁に誘引しているつるバラは、モーツアルトという一重咲きの房咲き品種のバラで、

株元はこの小壁に手前側、右下にありますが、下垂しても咲くという性質を活かして、この小壁の裏側(道路側)

にも枝を上下左右から回し込み、壁の裏側でも咲くように誘引しています。

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こちらが、5月の開花の様子。

小壁を覆い尽くすように、ボリューム感のある咲き方をしてくれます。

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こちらは、前庭の駐車場横、隣地境界側の白い木製フェンスにつるバラを誘引した様子です。

常緑樹のオリーブの木を3本列植しておりまして、その木陰の下で白い壁面全体に花を咲かせるようにしています。

フェンスの手前の花壇にも、シュラブ樹形のイングリッシュローズを複数本植えています。

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こちらが、5月の開花の様子です。

白いフェンスに誘引しているつるバラは、先ほどのカクテルの枝替わり品種のピンクカクテルというバラです。

多花性で、壁面をビッシリ埋め尽くすように咲いてくれます。

ただ、超早咲き品種であるので、手前のイングリッシュローズと花期がピッタリ合わないのが少し残念です。

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こちらは、建物外壁面の向かって左半分のエリアです。

このエリアにチェビーチェイス、フロレンティーナ、ブレイズ、ERヒースクリフという赤いつるバラを4種類

入れて込んでいます。

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5月の開花の様子です。

近くで見ると、赤いバラの花型や色合い、咲き方の違いはよく分かるのですが、

引いて見るとほぼ同じに見えますね。

ERヒースクリフ以外は遅咲き品種のため、ヒースクリフを誘引しているあたりだけが花が少なくなっています。

こういった花期の違いなど、うまく行かなかった反省点をビフォー&アフターの写真で確認しながら、

翌年の誘引作業にフィードバックしています。

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建物全景を斜めから見たところです。

12月~3月頃まで、ツルだけの期間の方が開花している時より圧倒的に長いので、

このツルだけの状態の風景がきれいに見えるように、ツル誘引の形状にはとてもこだわりがあります。

イメージしているのは波紋型です。

なるべくツルが交差しないように、同心円状に波紋を描くように誘引しています。

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こちらが、5月の開花時期の様子です。

赤、ピンク系のバラだけに絞り、グラデーションを意識しながら配置しています。

この年は、中央の鮮やかなピンクのつるバラ・パレードを小窓の両側にツルを振り分けていたのですが、

一方に固めた方が良かったかな、というのがこの写真を見ながらの反省点です。

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建物の外壁面に開けたられた開口部にガラスの扉が付いていまして、そこを抜けると中庭へと導かれます。

このガラス扉の周囲の誘引が特に重要で、壁面を使って、扉の左右からアーチ状に花が咲くように誘引しています。

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こちらが、5月の開花時期の様子。

このゾーンの開花の様子は、ほぼイメージ通りで、毎年安定してこの風景を作ることができています。

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逆サイドから見た、ガラス扉周りのつるバラ誘引の様子です。

毎年安定してイメージ通り咲かせられるようになっていますが、冬のツルの誘引風景は毎年微妙に異なっています。

昨年は、ガラス扉の向かって左側の誘引の一部が、同心円状ではなく、枝が交差するようになってしまったことが

少し心残りでした。

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こちらが、5月の開花時期の様子。

建物外壁面の手前に、鉢植えのバラを配置していますが、ここは毎年ラインナップが変わるところで、

なかなかイメージ通りの風景にはまだ至っていない気がします。

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こちらは、ガラス扉を抜けて中庭方向を見たところになります。

向かって左側に建物(母屋)、右側に半屋外のサンルームという配置で、サンルームのガラスの壁面を伝って

大型のつるバラ、ピエール・ド・ロンサールを誘引しています。

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こちらは、5月の開花時期の様子。

写真を撮影したのが最盛期ではなかったので、花が少し少ないように見えます。

前庭は総じて遅咲きのバラが多いのですが、中庭は早咲きのバラが多いゾーンになります。

エリアごとに早咲き、遅咲きと期別することで、まとまって花を咲かせ、風景を作りながら、

5月上旬~5月下旬まで、長い期間花が咲いているように見せる工夫をしています。

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こちらは、中庭の奥側より前庭方向を見たアングル。

向かって左側のサンルームのガラスの壁面を使いながら、大型のつるバラ、ピエール・ド・ロンサールのツルを

空中を飛ばすように誘引しています。

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こちらが、5月の開花時期の様子。

多花性のピエール・ド・ロンサールがブリッジとなり、サンルームと建物(母屋)をつなぐように

アーチ状に花を咲かせています。

奥のガラス扉のさらに奥、目隠しの役割を果たすエントランスアプローチの小壁に誘引したつるバラ・モーツアルト

のピンクの花を中庭からも見ることができるようにしています。


如何でしたでしょうか?、我が家のつるバラ誘引2021のビフォー&アフター。

自分自身の振り返りでもあり、次の年に向けての反省点・改善点を見つめ直すには、こういった誘引時と開花時の

比較を検証するのもとても役に立ちます。

皆さんのつるバラ誘引作業の参考になれば幸いです。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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