2021.5.31 / お気に入りの植物
あっという間に、今年もバラシーズンが終わってしまいました。
今年は長雨続きの5月だったことに加え、仕事が忙しく、週末に遠方へ出張に出かけたりすることも多く、
自宅ガーデンで満開のバラを満喫することで出来ませんでした。
そんな中、我が家のバラ庭で、今年ひと際美しく咲いていたバラがいくつかあります。
我が家の庭では、概ね150品種ほどのバラを育てていますが、そのすべてをご紹介するのは大変なので、
今回は、今年目を惹いたバラにスポットを当てて、ご紹介したいと思います。
■カクテル
こちらは、言わずと知れた名花中の名花、つるバラ・カクテルです。
バラの殿堂入りも果たしている、フランス・メイアン社の赤い一重咲きのバラです。
我が家では、前庭の隣地境界部分のブロック塀に地植えのカクテルを誘引しています。
それだけでなく、お隣さんの了解を得て、お隣さんの土地に鉢植えのカクテルを
オベリスク仕立てにして、並べるように配置しています。
咲き始めは、花弁の中央が黄色に染まっているのですが、ほんの数日で
黄色が抜け、中央が白くなり、次第に全体が赤く燃えるように染まっていきます。
一重咲きの花形ということもあり、バラに詳しくない方は、これがバラなのか
という反応をされることが多いです。
我が家でも1,2を争う早咲き品種で、このバラが咲くと、バラシーズン到来の
ゴングが鳴る、といった感じです。
地植えのカクテルの株元にセダムをグランドカバー的に植栽しているのですが、
赤と緑の対比がとても鮮烈で、とても気に入っています。
■ピンクカクテル
こちらも、前庭の隣地境界の白い木製フェンスに誘引しているつるバラで、ピンクカクテル。
ひとつ前に紹介したカクテルの枝替わり(突然変異)品種のつるバラです。
燃えるように情熱的に赤く咲くカクテルと全く違い、ピンクの花弁に中央が白と黄色というとても可愛らしい姿が
とても印象的なバラです。
性質は、カクテルと同じで、早咲き品種で多花性。
白く塗った木製フェンスに誘引したこのコーナーには、ピンクや黄色に馴染むアプリコットや黄色、
淡い紫色の花の咲くバラを植え、足元には、黄色の補色になる紫色の花を咲かせるサルビアやベロニカといった
宿根草を植栽し、「キャンディコーナー」と名付けています。
■ゴールデンセレブレーション
このピンクカクテルが壁面で咲くキャンディコーナーには、色鮮やかな花を咲かせるイングリッシュローズを
植栽しています。
こちらがその代表格で、透明感のある黄色い大きな花が特徴のゴールデンセレブレーション。
とても整った花形で美しく、香りも素晴らしいです。
■エブリン
こちらも、キャンディコーナーの脇に、鉢植えでオベリスク仕立てで育てている
イングリッシュローズで、エブリン。
香水メーカーの香料の原料となっている品種で、芳香が素晴らしいです。
花色も柔らかく、景観的にも重要なポイントになるバラです。
■ガートルードジェキル
こちらも言わずと知れた名花中の名花、イングリッシュローズのガートルードジェキル。
イギリスの有名なガーデンデザイナーの名前を冠したバラで、早咲き品種。
混じり気のない美しいピンク色の花も素敵ですが、このバラの最大の特徴は香り。
エブリンに負けず劣らずの素晴らしい香りをガーデンに振りまいてくれます。
■オールドバル
こちらは、前庭の前面道路に面した花壇の縁に植えているバラで、オールドバルという品種。
兵庫県宝塚市にある確実園さん作出の修景バラで、矮性で房咲きのバラです。
赤褐色の花を咲かせて、ガーデンのエッジを渋く締めてくれます。
■シスターエリザベス
こちらも、前面道路に面した花壇のエッジに植えているイングリッシュローズで、シスターエリザベス。
このバラも矮性で、低く地際で房になって咲いてくれます。
繰り返し開花性に優れていて、何度も花を咲かせてくれます。
一緒に花壇のエッジに植えているブルーのビオラとも相性が良く、主役級のバラの引き立て役になっています。
■ウィンチェスターキャシードラル
こちらは、玄関アプローチに地植えしているイングリッシュローズで、
ウィンチェスターキャシードラル。
名花メアリーローズの枝替わり品種で、純白の花を咲かせます。
今年は、花壇の足元に宿根草のミヤコワスレ(薄紫色、濃い紫色)と
レンガ色のヒューケラを合わせています。
■スーベニールドゥドクトルジャメイン
こちらは、玄関アプローチの隣地境界のブロック塀に誘引したつるバラで、スーベニールドゥドクトルジャメイン。
濃い赤紫色の花が、咲き進むにつれて青紫色に変化していきます。
以前は、この玄関アプローチの壁面には、つるバラ・アンジェラを植えていました。
多花性でインパクトもあって良かったのですが、今は、このジャメインとこの後に紹介するバロンという
赤紫色の渋い花を咲かせるバラを競演させて、風情を感じる演出に変更しています。
■バロンジロードゥラン
こちらも、ひとつ前で紹介したジャメインと同じ、玄関アプローチの
隣地境界ブロック塀に誘引しているつるバラで、バロンジロードゥラン。
どちらも赤紫色の渋い花色ですが、こちらのバロンは、波形に切れ込む花弁に
特徴があります。
バロンは、最も気に入っているバラのひとつで、波形に切れ込む花弁の縁に
白いピコティが入る、とても個性的な品種です。
その独特のデザインがとてもアーティスティックで、特に惹かれています。
白い大理石タイルを張った壁面と、緑の葉、美しい赤紫色の花、
このコントラストがとても気に入っています。
■ヒルダミュレル
こちらは、友人から譲り受けた珍しいイングリッシュローズで、ヒルダミュレル。
コロンとしたカップ咲きの濃いピンク色のバラです。
廃盤になっているイングリッシュローズは多いのですが、
その中でも持っている人がほとんどいないのではないかと思うほどの希少な品種。
我が家では、玄関アプローチ脇のアーチに誘引しています。
■ラジオタイムズ
こちらも、友人から譲り受けたバラで、イングリッシュローズのラジオタイムズ。
以前、とあるガーデン本の表紙を飾っていたバラで、いつか育ててみたいなと
思いながら、既に廃盤品種で、どこにも売っていなかったのですが、
偶然、友人から託されることになって育てている大切なバラです。
香りが良く、花色が美しいため、ガーデンでは主役級に目立っているバラです。
■エクセレンツフォンシューベルト
こちらは、今年一番美しく咲いたと、とても感心しているバラで、エクセレンツフォンシューベルトという品種。
ピンポン玉くらいの大きさの花が房で咲く小型のつるバラで、白い大理石タイルの壁面を背景に
とても美しく咲いてくれました。
まだまだ小さな株ですが、可能な限り大きく育てて、大きな壁面で咲かせてみたいと思う期待のバラです。
少し青みを帯びたピンクが、今までに我が家にはなかった花色で、とても鮮烈で印象的でした。
■ヒースクリフ
こちらも、白い大理石タイルの壁面に誘引したつるバラで、イングリッシュローズのヒースクリフというバラです。
比較的最近に発表されたバラですが、現在は型落ちしている品種です。
我が家で育て始めて数年ですが、今年ようやく本来の花が咲きました。
予想を上回る大輪花で、ハイブリッドティ品種かと思うほどの見事な花でした。
ツルが伸びたがる品種で、今はつるバラとして壁面に誘引していますが、
多花性ではないため、ブッシュとして枝数を増やして咲かせた方が良いように
感じています。
■ブレイズ
こちらも、白い大理石タイルの壁面に誘引しているつるバラで、
ブレーズという古いバラです。
知人から挿し木苗を譲り受けて育てています。
少し古い花形ですが、このバラの特徴は、花持ちがすこぶる良いことです。
前庭の「レッドクリフ」と呼んでいる赤いつるバラばかりを集めたゾーンに
誘引しているのですが、一番に咲き、一番最後の方までずっと咲いているバラです。
知人宅では、主役級の位置づけて咲いていたバラです。
■ピエールドロンサール
こちらは、中庭のサンルームのガラスの壁面に誘引している大型のつるバラで、
ピエールドロンサール。
一家に一本はピエールと言われるほど、バラ愛好家の中では育てている方が
多いバラですよね?
我が家でも、バラを始めた当初から地植えしているため、かなり大きくなり、
中庭のサンルームの壁面に収まりきらなくなってきています。
長く伸びた枝先を高い位置まで誘引し、上から枝垂れ咲く様に咲かせています。
日影がちの中庭に植えている関係で、日照量が少なかったためか、これまで
薄い色で咲いていましたが、今年は日照条件の良い高い位置まで誘引した甲斐があって、
濃いピンク色が強く出ました。
こちらも、ピエールドロンサールを誘引した中庭のサンルームのガラスの壁面。
淡い紫色の花が咲くクレマチスのマーガレットハントやジョセフィーヌとコラボさせて
とてもフェミニンな風景となっています。
■アントニオガウディ
こちらは、中庭の最も日陰の強いエリアに植えているつるバラで、アントニオガウディ。
名花レオナルドダヴィンチの枝替わり品種ですが、まだまだ入手困難なバラのようで、
育てている方は少ないのではないでしょうか?
アントニオガウディは、別名シルバーレオナルドダヴィンチとも呼ばれていて
少しシルバーがかった淡いピンクの花色がとても上品で美しいバラです。
我が家では、クレマチス・フォンドメモリーズと合わせていて、
背景となる濃い焦げ茶色の木製フェンスの上に、浮かび上がるように咲かせています。
日影なので、多くの花は望めないのですが、風情のある咲き方を楽しんでいます。
■テスオブダーバービルズ
こちらは、中庭の玄関扉横の小壁に誘引しているつるバラで、
イングリッシュローズのテスオブダーバービルズ。
イングリッシュローズの中では珍しい、赤い花の咲くつるバラです。
赤バラ好きなので、我が家にはたくさんの赤いバラがありますが、
中でもこのテスは、最高に美しいバラだと思っています。
■アブラハムダービー
こちらは、中庭でオベリスク仕立ての鉢植えで育てているバラで、イングリッシュローズのアブラハムダービー。
イングリッシュローズ好きですが、中でも1,2を争うほど好みの品種で、咲き進むに連れて変化する花色、
強いフルーツ香という素晴らしいスペックを持っているにも関わらず、こちらも現在は型落ちしています。
我が家の外壁は、テラコッタ色に塗装していますが、その色ともうまく調和してくれます。
■マダムイサークぺレール
こちらは、中庭奥の細い通路状の空間に植えているつるバラで、マダムイサークぺレール。
カクテル、スパニッシュビューティとこのバラは、我が家では毎年同時期に咲く、早咲きトリオです。
ステム(花茎)が短く、誘引したとおりに咲いてくれるので、景観を作りやすいというメリットもあります。
香りも申し分なく、シュートの更新(発生)も良好で、とても育てやすいバラのひとつです。
■すみれの丘
最後は、こちらのバラ。
こちらも友人から譲りうけたバラで、すみれの丘、というブルーローズです。
花形がクラッシックで、我が家では他のバラと合わせにくいため、中庭の奥の方で、人知れず咲いています。
まだ地植えして間もないので、まだ本来のポテンシャルを発揮していない感じですが、
今年は美しい薄紫色の花を咲かせてくれました。
切り花として、室内で飾って楽しむのに向いているバラのように感じます。
如何でしたでしょうか?
2021年、今年の我が家のバラ庭で咲いたバラの中から、特に目を惹いたおススメのバラを紹介してみました。
僕もバラを始めた頃、育ててみたいバラの性質を知りたくて、多くの本やネット情報を参考にしました。
今回のおススメ記事が少しでも参考になれば幸いです。
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