2021.11.29 / ガーデニング術
11月も終盤、今年も残すところあと1ヶ月ほどになってしまいました。
時が進むのは早いものですね。
さて、今回は、僕のガーデンで必須のアイテム、テラコッタ鉢について書いてみたいと思います。
もともと庭を始める前、陶器の器を集めることが趣味だったこともあって、
自宅を新築した時から、同じ土モノということで、テラコッタ鉢をことあるごとに買い集めるようになりました。
バラを始める前は、主にチューリップなどの球根植物を植えて楽しんでいました。
こちらは、3年ほど前、自宅の外壁の塗り替え工事を行った際、バックヤードにあるテラコッタ鉢を前庭の駐車場に
全部引っ張り出した時の様子を写したものです。
決して広くない都市部の住宅地にあるガーデンで、お店ができるほどのこれだけの量のテラコッタ鉢が必要なのか
疑わしいところですが、このあとも、やはり園芸店で気に入ったテラコッタ鉢を見つけると、買ってしまいます。
様々な大きさのテラコッタ鉢を所有していますが、基本的になるべく装飾のないシンプルなデザインで、
フォルムが美しいもの、テラコッタ色が揃うものを選んで集めています。
こちらは、数年前の我が家の中庭。
ちょうどこの時期、秋(春咲き)の球根の植え付け作業が終わったくらいの頃です。
我が家の乱張り石のテラスは、たくさんのテラコッタ鉢に占有されてしまいます。
学生時代、軽音楽部でドラムを叩いていましたので、このテラコッタ鉢が整然と並ぶ様子は、
まるでドラムセットを見ているようで、とてもワクワクするのです。
斜めから見た様子。
秋のうちはまだ球根を植え付けたばかりで、地上部にはほとんど何もありませんが、
ここから次第に芽が出てくる様も、ワクワクするものです。
年が明けて、3月くらいになると、テラコッタ鉢から、チューリップの葉が
展開してきます。
とても生命力を感じる季節です。
シルキーで光沢のあるチューリップの葉が規則正しく生え揃い、もう間もなく花芽が上がってくる頃です。
この新しい葉の緑色とテラコッタ鉢の赤茶色のコントラストがとても美しく映えます。
こちらは、球根植物のクロッカスを植えた、背の低いテラコッタ鉢です。
小さな球根植物をテラコッタ鉢の器の中で群生させるシーンも、とても気に入っています。
こちらも球根植物のチオノドグサ。
僕はほとんど寄せ植えにせず、一品種一鉢というスタイルを取っています。
矮性のチオノドグサの立ち姿と、コロンとしたテラコッタ鉢のバランスが
とても気に入っています。
こちらは、黄色水仙を単色で植え付けたものです。
セクシーな曲線が特徴のテラコッタ鉢と、黄色の水仙の花、緑の葉の組み合わせが
とても気に入っています。
テラコッタ鉢を多用する植物と言えば、クリスマスローズです。
我が家では、地植えしているクリスマスローズも若干ありますが、そのほとんどは鉢植えで管理しています。
クリスマスローズは花期が長いので、年明けから春の球根植物が咲き始めるまでは、前庭玄関アプローチの
一番目立つ場所に鉢植えを置いています。
花期が終わると、鉢植えのバラと入れ替えるように、中庭奥の日陰のゾーンに鉢を移しています。
たくさんのクリスマスローズの鉢植えがありますが、特に気に入っているのが、
このラッパ型のテラコッタ鉢。
花茎がたくさん上がるクリスマスローズには、こんな形の鉢が似合うと思っています。
実際に、このラッパ型のテラコッタ鉢に植えたのがこちらの写真。
ラッパ型の鉢から、さらに上方に花開くように株が広がっています。
サンルームのブルーグリーンの板塀を背景に撮影したのがこちら。
クリスマスローズは一点物が多いため、一鉢づつ特徴のある植え方をしています。
こちらも、また別のテラコッタ鉢で、先ほどのよりさらに大きなサイズです。
このテラコッタ鉢も底部が小さく絞られて、上部が大きく開いた形になっています。
ここに、たわわに花を咲かせたクリスマスローズを植え付けると、
とてもインパクトがあるように思います。
同じ鉢で、やく2年後の様子。
肝心のクリスマスローズは、夏場の管理が悪く、少し調子を落としてしまい
ましたが、テラコッタ鉢は、経年変化で苔むして(ウェザードして)とても
いい味わいを出しています。
こちらもとても気に入っているテラコッタ鉢で、エッジ部分がギザギザに
デコレーションされています。
シンプルなデザインなので、嫌みがなく、植えた植物を引き立ててくれます。
またギザギザ部分が苔むしやすく、時を経るごとに味わいが出てきます。
同じギザギザのデザインのテラコッタ鉢で、丈(背の高さ)がかなり大きい
タイプです。
以前は、これにオベリスクを立てて、小型のつるバラを誘引していましたが、
最近は、クリスマスローズの鉢として活用しています。
下を向いて咲くクリスマスローズの花を見やすくするために、少し丈のある
鉢を使うようにしています。
こちらも年季の入ったテラコッタ鉢で、表面が劣化して、なかなか良い表情を
醸し出しています。
同じフォルムで、丈の高いテラコッタ鉢です。
先ほどのギザギザのデザインのものと同様、同じ装飾、同じフォルムで
背丈の違うものを並べると、統一感も出しながら調和をつくりつつ、
変化も出せるという点で、とても重宝しています。
ところで、我が家のガーデンでバラを育て始めたのは、もうかれこれ10年近く前になります。
その最初の頃の我が家の中庭ガーデンは、こんな様子でした。
建物の際の部分の花壇には、いくつもの形や大きさの違うテラコッタ鉢を並べたポットガーデンでした。
これはこれで気に入っていたのですが、だんだんとバラの数が増え、バラ以外の植物、紫陽花やシャクヤク、
クレマチスなどの鉢植えが増え、このスタイルを維持できなくなりました。
そこで考え出したのが、こちらの「ランウェイ花壇」と称しているゾーンです。
( ※ 「ランウェイ花壇」については、過去記事でも紹介しております。→ ランウェイ花壇の作り方 )
我が家の中庭は、日照条件や通風など、環境条件があまりよくないため、地植えしてもなかなか理想の庭にならない
ため、そして増え続ける鉢植えの植物を季節ごとに入れ替えたいという欲求が出てきて編み出したガーデンです。
テラコッタ鉢を地面に埋め込み、同サイズのスリット鉢で育てた植物を、開花してからテラコッタ鉢に入れる
というスタイルの花壇です。
こちらは、ちょうどバラから紫陽花へと衣替えするシーズンの様子です
環境条件の良い場所で花を咲かせてから、こちらの「ランウェイ花壇」へと持ち込み、全体のバランスを見ながら
入れ替えができるのが最大のメリットです。
まさに、ファッションショーでランウェイを歩くモデルさんを次々と入れ替えるようなシステムで、
「ランウェイ花壇」と名付けています。
この「ランウェイ花壇」のマストアイテムが、同サイズで揃えたテラコッタ鉢なのです。
こちらは、バラシーズン最盛期の我が家の中庭の様子です。
我が家のガーデンは、前庭、玄関アプローチ、そして中庭と、庭の大部分を乱張り石で敷き詰めています。
当初、家を新築した際に、ここまで庭に傾倒するとは考えていなかったので、メンテナンスや美観を考えて、
乱張り石スタイルのガーデンになっていました。
いざ、本格的にバラの庭を作ろうとすると、土面が少なく、たくさんの品種を育てようとすると、
鉢植がメインの庭となっていきました。
そこで、多くのテラコッタ鉢が活躍することになるのですが、その場合、ガチャガチャした印象にならないよう、
なるべくテラコッタ鉢のサイズやデザインを統一することにしました。
また、どこでも簡単に、そして数が必要なのでリーズナブルに手に入ることが必須条件でした。
それで選んだのが、一般的なホームセンターで売っているテラコッタ鉢です。
イタリア製で、シンプルなデザインでしかも価格もリーズなブルでした。
なぜか人気がなく、ずっと雨ざらしで放置されていたようなテラコッタ鉢ですが、
僕にとってはその方が好都合でした。
全くの新品できれいなものより、風化した(ウェザードした)味わいのあるテラコッタ鉢の方が良かったからです。
こちらは標準的なサイズのテラコッタ鉢で、バラ栽培に向く8号スリット鉢がピッタリ入るテラコッタ鉢です。
我が家の庭では、基本的にこのテラコッタ鉢を多用しています。
8号スリット鉢に植えたバラを、このテラコッタ鉢にスライドインした様子です。
ちょうど、冬に雪が積もった時の写真で、雰囲気が良く分かると思います。
それ以外にも、いくつものサイズのテラコッタ鉢を持っています。
写真手前中央が、先に紹介した8号スリット鉢がピッタリ入るサイズのテラコッタ鉢。
後方の2つは、それより大きなバラの鉢植え(10号サイズ)を収納できるテラコッタ鉢です。
ここでもなるべくシンプルなデザインのものを選んで使っています。
実際に、スリット鉢に植え付けたバラをテラコッタ鉢にスライドインした様子です。
底が深いので、スリット鉢の下には、鉢底石を詰めてかさ上げしています。
将来、バラが順調に大きく育てば、スリット鉢を使わずにこのテラコッタ鉢に
直接植えることも可能です。
ただ、その場合、相当重くなるため、場所の移動が難しくなるため、
しばらくは、この「鉢イン鉢」のスタイルを取っています。
こちらも、バラ苗を植え付けている陶器製の鉢植えで、かなり大きなものです。
こちらは、大株に育ったバラなので、スリット鉢は使わずに、
直接植え付けています。
普段使っている赤茶色のテラコッタ色とは少し違う色ですが、
平和の象徴の鳩のレリーフが刻まれた陶器鉢でとても気に入っています。
少しデコラティブですが、最近はシンプルだけでなく、
少し個性的なテラコッタ鉢も選んで使っています。
こちらも、テラコッタ鉢ではないですが、気に入っている陶器鉢です。
植えている植物は、常緑のクレマチスでピクシー。
多花性のピクシーの黄緑色の花と、少しシャビーな色合いの陶器鉢とが
とても良いマッチングをしていると思います。
こちらは、ちょっと変わったテラコッタ鉢です。
我が家から車で1時間ほどの場所にある信楽で見つけたテラコッタプランターです。
( ※ 「信楽焼プランターテラコッタプランター」については、
過去記事でも紹介しております。→ 信楽焼テラコッタプランター )
昔は、信楽で良く作られていたものらしいですが、今はもう生産されていない
ようです。
この積み重ね式のテラコッタプランターを信楽の焼き物店の店先で見つけて、
店主に頼み込んで譲っていただいたものです。
一段に6つの穴が開いていて、そこに様々な植物を植え込むことができます。
ぐるぐる回すことで、階層ごとに植物の見え方が変わり、
とても面白い演出が可能です。
冬から春にかけては、パンジー、ビオラなどの一年草やイチゴ、ヘデラなどを
植え付けて、立体花壇を楽しんでいます。
こちらのテラコッタプランターも店先で野ざらしになっていた中古品ですが、
苔むした表情など、返って良い味わいを出しています。
とても気に入っている逸品です。
こちらも、以前このブログで紹介したことがあるガーデングッズで、
テラコッタ製のホースリールです。
( ※ 「テラコッタ製ホースリール」については、
過去記事でも紹介しております。→ テラコッタ製ホースリール )
中庭のシェードガーデンの水遣り用として活用しています。
中庭の良く目立つ場所に金属製やプラスチック製のホースリールを置くことが
どうしても嫌だったので、テラコッタ鉢と相性の良い、このテラコッタ製の
ホースリールを購入しました。
ただ、今どこを探しても同じものが売っていなくて、復刻を強く望むガーデン
アイテムのひとつです。
いかがでしたでしょうか?
コレクションと言っても大したものではないのですが、我が家の庭事情からいうと、土面が少なく
どうしても鉢植えを多用しなければならないという中で、庭の風景を作るアイテムとしてのテラコッタ鉢は
とても重要なアイテムなのです。
鉢のデザインや色を揃えることで、雑然としがちな庭を統一感のある風景に整えてくれます。
皆さんの庭づくりにおいて、参考にしていただければ幸いです。
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