おいしいおにぎりとはどんな特徴があるのでしょうか。中村さんは、『おいしいおにぎりは、お米が一粒ずつ立った状態で粒の食感をしっかりと味わうことができます。そのためには、おいしいお米を炊くことが大切です。』と話します。そこで、お米を炊飯器で炊く際、どのようにしたらおいしいごはんを炊けるのかについて、伺いました。

『お米をとぐときは、優しく洗米することがポイント。おいしさの成分はお米の外側についているので、とぎ汁が白く濁るくらいで十分です。炊飯器の目盛りが見える程度を目安にしましょう。新米は水分保有量が多く、特に粒がくずれやすいので注意してください。』

『おいしく炊くには浸水・蒸らす時間が必須かと思われがちですが近年、一般的な家庭で使われている炊飯器は、浸水・蒸らす機能がすでに搭載されています。そのため、いつも通り炊けばOK。お米の味わいをより楽しむ方法として、同じ銘柄でのお米を早炊き機能と銘柄炊き機能で炊き、食べ比べをして好みを見つけるのもおすすめです。』

次に、おにぎりを握るポイントについて、教えていただきました。
中村さんは、『おにぎりを食べるときは3〜4時間経った状態であることが多いため、そのとき食べる人のことを考えて握ることが大切』だと話します。

『ポイントは、3の段階で握る際に、炊きたての熱い状態で1〜2回程度潰さないように優しく握ることです。熱いお米は粘着力でくっついてくれるため、ギュギュっとしっかり握る必要はありません。力を入れるとせっかくおいしく炊けたごはんの粒が潰れてしまい、食感が悪くなってしまいます。』

おにぎりの中身といえば、梅干し、鮭、明太子……などたくさん思い浮かびますよね。お米のプロの中村さんに、どんな具材がおにぎりにおすすすめなのか伺ってみました。

『好みは人それぞれなので、お米の種類に合わせて具材を探してみてはいかがでしょう。また、冷蔵庫にある余りものでアレンジを加えるのも楽しめます。おかずで出すには量が足りない惣菜、少しだけ残った紅しょうがやかつお節など使うことで、フードロス対策にもつながります。この具材がおいしかった、こんなのはどう？と子どもと一緒に作ったり、感想を言い合ったり、楽しみながら色々試してみてほしいですね。』とお話ししてくださいました。

おにぎりの具材は、アレンジ次第で無限大に広がるのも魅力のひとつ。ご家族やお子さんと、好きな具材や新しいレシピを考えるのも楽しそうです。