店頭での
新鮮な卵の見分け方と正しい保存方法
2023.06.16 UP
毎日の食卓に欠かせない食材・卵。しかし、2022年の年末から鳥インフルエンザなどの影響による卵不足で価格が高騰。購入した卵を無駄にすることがないように、日本卵業協会の専務理事・小坂裕一さんに新鮮な卵の選び方や正しい保存方法について詳しく伺いました。
メイン画像
1.テキスト
――新鮮な卵を見分ける方法として、「光に透かして明るい部分が大きいものは古い」とか、「塩水につけると古い卵は浮いてくる」など、さまざまな情報がありますが、実際のところスーパーなどの店頭で買い物をする際に活用できる見分け方はあるのでしょうか。
『スーパーの卵はパックに入っているので、光に透かしたり、水につけたりすることはできませんよね。光に透かして見るといっても、毎日何万個もの卵を透かして見てきた人にしか、見分けることはできないでしょう。少し前には表面がザラザラしている卵が新鮮だと言われていました。確かに産まれたての卵は、クチクラ層という、雑菌が侵入しないための薄い膜でコーディングされているためザラザラとしています。しかし、残念ながら今はきれいに洗浄されたものが販売されているので、そのクチクラ層がとれてしまっているのです。そのため、スーパーで売られている最近の卵は、すべて表面がツルツルしているはずです。では、どこで新鮮かどうかを見分けるかというと、やはり賞味期限ということになります』。
――卵の賞味期限はどのように決められているのでしょうか。
『卵の賞味期限は、生でおいしく食べられる期間のことで、“鶏卵日付等表示マニュアル”というマニュアルによって3週間以内という決まりがありますが、実際は安全をみて2週間程度で設定されているものが多い傾向です。最近ではお店によって“産卵日”や“パック日”が賞味期限と一緒に書かれている場合がありますが、さまざまな産地の卵を比較するという場合はやはり賞味期限を見るのがよいでしょう。ただ、賞味期限を過ぎると突然悪くなるというものではなく、だんだん悪くなっていくものでなので、賞味期限を過ぎたら食べられなくなるというわけではありません。賞味期限を過ぎたら、ぜひ加熱して食べてください。加熱した卵の賞味期限は、保存環境によって変わります。たとえば、ゆで卵の常温での保存期間は、夏場は2〜3時間、冬場は半日から1日。冷蔵での保存期間は2〜3日、冷凍では2週間となります。短いように感じられるかもしれませんが、卵は割ったり加熱してしまったりしたらすぐに劣化が始まり、場合によっては細菌の繁殖が始まります。加熱したらなるべく早く食べていただきたいです』。
――賞味期限を過ぎた卵はいつまで食べられるのか、具体的な消費期限について小坂さんに伺ったところ、その日数は保存温度で決まるとのことでした。
『卵の食中毒の原因はサルモネラ菌の異常繁殖が原因です。菌の繁殖と保存温度は密接に関係しているのですが、それを算出する計算式があるんです。
D=86.939−4.109T+0.048T² (Dは日数、Tは保存温度)
このDに家庭での冷蔵保存期間7日を加えたものが、万が一サルモネラ菌が卵の中にいても異常繁殖しない安全な日数となります。ただし、これは賞味期限の算出に使われる計算式で、この日までは生食で美味しく食べられるというものです。加熱していつまで食べられるかの計算式ではありません。いつまで食べられるかの判定は、五感を総動員して判定する、つまり割ってみて観察して、臭いを嗅いで少し舐めてみるなどの、昔から誰もがやっていた方法で判定するしかありません。個人の責任になりますが、一番シンプルな方法です。
とはいえ、現在日本の卵は世界に冠たる清浄度となっており、“内閣府の食品安全委員会の調査”
でも、SE(卵の食中毒の原因菌であるサルモネラ・エンティリティディス菌)で汚染された卵の出現率は10万個に3個となっています。つまり3万3千個に1個。毎日1個食べると90年に1回当たる確率です。その1個に合わせて設定された賞味期限なので、徹底的に安全・安心を考えて設定されていることがお分かりいただけるでしょう』。
2.テキスト
――毎日のように手にする食材なのに、意外と知らない卵のこと。正しい保存方法についても伺いました。
『まず、買ってきた卵は、洗う必要はありません。最初にも言いましたが、一度きれいに洗って殺菌した上で販売されているので、パックの中の卵は無菌状態です。それを洗うと、逆にその水滴が雑菌を呼び込んでしまう可能性があります。また、店頭で冷蔵保存して販売されている卵を購入する場合は、できれば保冷バッグなどで温度を変えないように持って帰り、すぐに冷蔵庫に入れましょう。殻の周りに結露がつくと、同じように雑菌を呼び込んでしまいます。だからスーパーでは常温で販売されているケースが多いんです』。
――冷蔵庫で保存する場合、ドアポケットにある卵ケースに入れるのがベストでしょうか。
『冷蔵庫の中に指定席がある食材って、唯一卵だけなんですよね(笑)。しかし、できれば卵パックに入れたままの状態で冷蔵庫にしまってもらいたいです。冷蔵庫のドアは、開け閉めをするたびに温度が変わってしまいます。また、バタンと閉めるたびに卵が動いてヒビが入る可能性もあります。そしてみなさん、卵をパックから出して卵ケースに入れる際、手を洗っていますか? せっかく無菌状態にある卵を手で触ることによって、手の雑菌をつけてしまう可能性があるんです。そうした点からも、パックに入れたまま冷蔵庫で保存するのがベストだと私たちは思っています』。
――ちなみに、尖った方を下に向けた方が長くもつというのは本当ですか?
『そもそもパックに入っている時点で、尖った方が下を向いていますよね。丸い方には気室という空気の部屋があって、その気室を下にすると、卵黄が空気に触れてしまって雑菌が入り込む可能性があるため、尖った方を下にして保管していただきたいのです。また、殻にヒビが入ってしまった卵の保存についてですが、中の膜が破れていない目に見えないほどのヒビであれば、卵白の中にリゾチームという殺菌する酵素があるので、そんなに慌てなくても大丈夫です。ただし、目に見えてわかるようなヒビや、中から液が漏れてきているような場合は、すぐに食べてください。
他にも、卵は冷凍保存も可能です。とはいえ個人的な感想ですが、せっかく新鮮な卵を生で食べられるチャンスが2週間もあるので、わざわざ冷凍しなくてもいいのになんて思います(笑)。冷凍した卵がどれぐらいもつのかは、きちんとしたデータがないので、自己判断となってしまいます
』。
まとめ
卵はビタミンCと食物繊維以外の栄養成分をすべて含む、完全栄養食品といわれています。正しい賞味期限の知識や保存方法を身につけ、無駄にすることなく毎日の食卓に取り入れていきたいですね。
黄身がお箸でつまめるほどぷりっぷり。
純国産鶏種 岡崎おうはんの卵 (24個)
¥2,366
ディノスのロングセラー「こだわり卵」濃厚な黄身のコクが特徴!
こだわり卵 (12個入り)
¥1,600
半熟卵-固ゆで卵まで、お好み通りにきれいに仕上がるコンパクトなゆで卵メーカー。
レコルト/recolte エッグスチーマー
¥3,300
パン一枚がぴったり入るフレンチトースト作り用のバット。これ1つでフレンチトーストが簡単に作れちゃいます!
家事問屋 フレンチバット 蓋付
¥2,420
日本料理店店主 笠原将弘氏も愛用のマイヤーシリーズ!
おしゃれ! くっつきにくい!ふた付き玉子焼き器は万能です。
MEYER/マイヤー マキシム エスエス ガラスふた付きエッグパン(ディノス特典付き)
¥10,725
ビタクラフトの自信作!まったく新しいハイスペック鉄フライパン。玉子焼き以外にも四角いケーキも作れます!
vitacraft/ビタクラフト スーパー鉄 エッグパン
¥10,450
ボタン
ボタン