雑穀おすすめレシピ
食べるメリットと栄養面を解説
2023.03.09 UP
ダイエットや、健康維持のサポートに効果的といわれる「雑穀」。身体に良いイメージがありますが、雑穀にはどのような種類があり、どのような栄養素が含まれているかをご存じでしょうか。知っているようで知らなかった雑穀の魅力について、雑穀の専門家で雑穀クリエイターの肩書を持つ梶川 愛さんに伺いました。おすすめの食べ方も教えていただきましたので、日常の料理に取り入れる際の参考にしてみてください。
プロフィール
1.テキスト
――「雑穀」とひと括りに呼ばれることが多いですが、そもそも「雑穀」とはどんな食べ物なのでしょうか?
『一般社団法人雑穀協会によると、雑穀は「日本人が主食以外に利用している穀物の総称」と定義されています。現代の日本人の主食である精白された白米やパンに使われる精白小麦ではなく、玄米はもちろんイネ科作物のうち、小さい穎果(えいか)をつけるヒエ、アワ、キビなどのほか、菽穀(しゅこく)のマメ類、擬穀(ぎこく)のソバ、アマランサス、キノアやゴマなども広く雑穀に含みます。』
一般的に、「雑穀」としてイメージされるのは、ご飯に混ぜて炊くタイプのブレンド雑穀ですよね。しかし、実はたくさんの種類があり、それぞれに特徴があるようです。
ちなみに、日本最古の歴史書とされる古事記にも「稲・アワ・小豆・麦・大豆」が食物神話の五穀 として登場しているほど、雑穀の歴史は長いのだとか。そんな古くから日本にもある「雑穀」には、どのような栄養素が含まれているのでしょうか?
――「雑穀」に含まれる栄養素とは?
『雑穀の種類によって量も異なりますが、現在の日本人が意識しないと摂取不足になりがちだといわれているビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。さらに抗酸化作用が期待されているポリフェノールを含有していることも嬉しいポイントです。』
2.テキスト
――たくさんの栄養素を含む雑穀を食べることで、どんなメリットが期待できるのでしょうか?
『雑穀には、野菜類だけでは不足しがちな代謝アップが期待できるビタミンB群や、若返りのビタミンと言われるビタミンEなどが豊富で、さらに鉄分やカリウム、マグネシウム、亜鉛など、日頃不足しがちなミネラルもたっぷり含まれています。』
さらに、雑穀には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方を含まれることで、整腸作用や便秘改善にも効果が期待できるそうです。
――整腸作用や便秘改善について。
『免疫細胞の6〜7割が存在する「第二の脳」とも呼ばれる腸の環境 を整えることは、全身の健康や美容にも大変重要です。特に、大麦に含まれる水溶性食物繊維は糖や脂質の吸収を抑え、不溶性食物繊維は腸の働きを活発にしてくれます。腹持ちもよいので食べ過ぎを抑えてくれますし、腸内環境の改善で生活習慣病の予防や便通の改善、免疫力アップも期待できます。』
そんな雑穀の外皮や種皮部分に赤や黒などさまざまな色がついていますが、これらは抗酸化作用が期待できるポリフェノールを多く含んでいるのだとか。生活習慣病や老化の原因ともいわれる活性酸素を抑える効果も期待できるのだそうです。
――細菌やウイルス対策への好影響も。
『また、ご飯にもち麦を加えると咀嚼回数がグッとアップしたという報告もあります。唾液には細菌やウイルスにも働きかける「IgA(免疫グロブリン)」や抗菌作用の「ラクトフェリン」などが含まれており、咀嚼が増えれば唾液の量も増えます。唾液の量が増えることで細菌やウイルスから守る効果を期待できますし、雑穀が持つ栄養素との相乗効果も高まります。』
3.雑穀の専門家・梶川さん
おすすめレシピ
身体に嬉しい雑穀は、おかずやスープ、スイーツにも使える万能食材です。
そこで、炊飯以外で手軽に調理できる方法を、梶川さんに教えていただきました。
雑穀の茹で方
1.雑穀を目の細かいストレーナー(茶こし)に入れて優しく洗い、水切りする。
(写真はキヌアを使用)
2.鍋にたっぷりの水を沸かし、ローリエと小粒の雑穀を加え、対流が起こるくらいの火加減で5〜15分程度茹でる。(雑穀の種類や好みの固さに合わせて茹でてください)
3.灰汁があれば取り除く。
4.茹で上がったらストレーナーに引き上げ水切りし粗熱をとって下ごしらえは完了です。
最後に、好みのサラダ用野菜とハーブ、ブラックオリーブ、ローストナッツ、下茹でした雑穀を、空気を含ませるように混ぜて、オリーブオイル、塩、レモン果汁(好みのドレッシングでも可)などで味付けすれば完成です。
※下茹でした雑穀はそのまま食べることはもちろん、スープや和え物、ソースなどにも利用できます。茹でた雑穀は小分けにして冷蔵保存なら3日程度、冷凍保存なら1カ月はおいしくいただけます。
まとめ
雑穀にはさまざまな種類があり、その多くが身体に嬉しいスーパーフードです。特に、2023年3月9日は国連食糧農業機関 (FAO)により定められた「国際雑穀年」の記念すべき雑穀の日。上手にアレンジして雑穀をもっと身近に、日々の食事に取り込んでみてはいかがでしょうか。
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