空気清浄機の効果的な使い方
失敗しない選び方とお手入れも解説。
2023.01.19 UP
花粉やハウスダスト対策で、一年中手放せない空気清浄機。最近ではさまざまなモードが搭載されていて、どれを買えばよいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。また、購入後の正しい使い方やメンテナンス方法はご存じですか?
今回は、2002年に『TVチャンピオン』のスーパー家電通選手権で優勝し、“家電王”として名高い中村剛さんにお話を伺い、購入時に見るべきポイントや、効果的な使用方法を教えていただきました。
メイン画像
1.失敗しない空気清浄機の選び方
1.テキスト
――1.最大適用床面積(適用畳数)と自室の広さを確認
『空気清浄機を選ぶときにまず確認したいのは、「最大適用床面積(適用畳数)」です。適用床面積は、“たばこ5本分の煙に含まれている粒子やガスを、30分できれいにすることができる部屋の広さ ”を表しています。つまり、適用床面積が大きいほど、空気の汚れを早く清浄してくれるのです。
また、空気の吸い込み口と吹き出し口がどの位置にあるかも確認しておきましょう。下から吸い込んで上から吹き出す、横から吸い込んで上から吹き出す、360度から吸い込んで上から吹き出すなどさまざまなタイプがあります。花粉は床に、調理・たばこの煙は上に向かうので、吸い込み口の位置も目的に沿って選ぶとより効果的です』。
また、設置場所と含めて、目的と部屋のレイアウトに合うものを探すと良いそうです。生活スペースに置くものなので、必要な清浄力とサイズのバランスを考慮して、自分の暮らしに適したものを選ぶことが大切だと言います。
――2.HEPAフィルターの集塵力の高さ
『「HEPAフィルター」とは、高性能なエアフィルターの一種で、清浄力を決める部分です。日本のHEPAフィルターは、JIS規格によって、“空気中の0.3μm(マイクロメートル)以上の粒子を捕集できること “が規定されています。花粉は30μm、ダニのフンや死骸は1〜20μmほどの粒子のため、十分捕える性能を有しています』。
フィルターは空気清浄機で重要な役割を担っているため、どのような性能を備えているかもチェックすることが大切です。
――3.加湿機能付き(ハイブリッドタイプ)の場合は、メンテナンスをきちんと行う
『加湿器(加湿機) は、乾燥する時期に使うことで、快適な湿度を保つことができます。そんな機能が付いた一台二役のハイブリッドタイプは、“メンテナンスをきちんとする”ことが前提であれば、省スペースで使える便利なモデルです。
というのも、加湿器はこまめなお手入れが必要な家電。そのうえ、加湿器は乾燥する時期だけ使うという人が多いです。対して、空気清浄機は一年中使うので、加湿器のお手入れが加わると、手間に感じてしまいます。そのため、お手入れが疎かになると、雑菌が繁殖して空気を清浄するどころか、逆に雑菌をばらまいてしまう可能性も。ハイブリッドタイプを選ぶなら、メンテナンスをきちんと行えるか考慮してください』。
空気清浄機を購入する際は、上記のポイントを意識して選んでみましょう。
2.空気清浄機の能力を
最大限に発揮させるポイント
2.テキスト
――1.部屋を掃除する
『ペットの毛や目に見えるほこりなどの部屋の汚れは、まず掃除機でとっておきましょう。大きいほこりがプレフィルターに集まると、中にあるフィルターまで細かい汚れが届かず、本来の能力を発揮できません。掃除機で“大きなほこりを吸い取る”、空気清浄機で“細かい空気の汚れをきれいにする”など、それぞれの家電の得意なことを活かしてあげることが大切です』。
――2.効果的な設置場所とレイアウトを知る
2-1.設置場所の制約をチェック
『空気清浄機の空気の出入り口は、メーカーによって異なります。メーカーが推奨する空間をしっかり確保するためにも、取扱説明書の中でも“設置場所の制約”は要チェックです。購入後は、最初に目を通しておきましょう 』。
2-2.基本は居住スペースに置くのがベスト
『生活空間をきれいにすることは、快適な暮らしにつながりますね。そのため、基本は居住スペースであるリビングに空気清浄機を置くのがベストです。特に、リビングの出入り口に置くと、人が行き来する際に舞うほこりや花粉をすぐキャッチしてくれます』。
2-3.センサーには部屋全体の空気を反応させる
『窓際やエアコン向かいは、あまりおすすめしません。窓付近に空気清浄機を置くとカーテンが風量を自動制御するセンサーの邪魔をします。また、エアコンの風が空気清浄機に直接当たると、部屋全体の空気の様子と違うものにセンサーが反応してしまいます。できる限り、壁や物から距離を取って置けるスペースを確保できるのが理想です 』。
上記のポイントを意識して設置できれば、空気清浄機の能力を最大限活かすことができるでしょう。
3.メンテナンス・お手入れ方法
3.テキスト
――1.フィルターの交換時期
『基本は、初期能力の半分以下の清浄力になったら、交換時期の目安です。フィルターが目詰まりすると効果も落ちるので、メーカーが推奨する交換時期は守りましょう』。
――2.プレフィルターのお手入れはしっかりと
『最初に汚れをキャッチするプレフィルター。ここが汚れていると、中のフィルターまで空気の汚れが届かず、本来の機能を発揮できません。掃除方法は、メーカーの取り扱い説明書に沿って、水洗いや掃除機がけをします。簡単なので、定期的に汚れをとって快適に使用しましょう』。
メンテナンスをしっかりと行うことで、お部屋の空気を快適に保つことができるはずです。面倒くさがらず、お手入れを習慣化させて、花粉やハウスダストによる不快感とさよならしましょう。
まとめ
空気清浄機はただ設置するだけではなく、正しい使い方で本来の効果を最大限発揮させることができます。自分の暮らしに合うものを選べたら、長く愛用できるように定期的なお手入れを続けて快適な毎日を過ごしましょう!
取材にご協力いただいた“家電王”こと中村剛さん、ありがとうございました!
ページナビ
ボタン