江戸の人々にとって虫の鳴き声を聴きに郊外へと出かけることは秋の風物詩となっており、「虫聴き」と呼ばれていました。今回は虫聴きの名所・道灌山を訪ねます。
現代はガーデニングブームの時代であるとよくいわれますが、江戸のころよりそのブームはみられました。上は将軍・大名から下は江戸っ子まで、植木や草花を愛好していたからです。とりわけ江戸では、都市化が進んで身の回りから自然が失われてしまったことが人気の理由でした。
自然との交流を求めて、植木鉢で売られた朝顔などの人気は高かったのですが、植物だけではなく、手軽に飼える金魚など小動物の人気も高く、江戸はペットブームの時代でもありました。虫の人気も高かったのですが、このことはあまり知られていないかもしれません。
秋に入ると、江戸の町には、鈴虫や松虫を売り歩く行商人「虫売り」が、ここかしこに現れました。彼らは、虫かごをたくさん詰めた屋台を担ぎながら、市中を売り歩いていたのです。
鈴虫などを買い求める人はたいへん多かったようです。虫売りの行商人も激増し、幕府がその数を制限したほどでした。いかに、江戸の人々が自然との交流を欲していたかがよくわかります。
しかし、虫売りからわざわざ買い求めなくても、虫の声を聴くだけならば鈴虫などが生息する野山に出掛ければすみます。こうして、虫聴きの名所が江戸近郊に生まれることになるのです。
江戸の人々にとって虫の鳴き声を聴きに郊外へと出かけることは秋の風物詩となっており、「虫聴き」と呼ばれていました。今回は虫聴きの名所・道灌山を訪ねます。
現代はガーデニングブームの時代であるとよくいわれますが、江戸のころよりそのブームはみられました。上は将軍・大名から下は江戸っ子まで、植木や草花を愛好していたからです。とりわけ江戸では、都市化が進んで身の回りから自然が失われてしまったことが人気の理由でした。
自然との交流を求めて、植木鉢で売られた朝顔などの人気は高かったのですが、植物だけではなく、手軽に飼える金魚など小動物の人気も高く、江戸はペットブームの時代でもありました。虫の人気も高かったのですが、このことはあまり知られていないかもしれません。
秋に入ると、江戸の町には、鈴虫や松虫を売り歩く行商人「虫売り」が、ここかしこに現れました。彼らは、虫かごをたくさん詰めた屋台を担ぎながら、市中を売り歩いていたのです。
鈴虫などを買い求める人はたいへん多かったようです。虫売りの行商人も激増し、幕府がその数を制限したほどでした。いかに、江戸の人々が自然との交流を欲していたかがよくわかります。
しかし、虫売りからわざわざ買い求めなくても、虫の声を聴くだけならば鈴虫などが生息する野山に出掛ければすみます。こうして、虫聴きの名所が江戸近郊に生まれることになるのです。