独特の質感と美しいツヤが海外でも人気を集める漆器。直接、食器に触れる日本の食文化が育んできたこの器は、見た目の美しさだけでなく、木工製品ならではの温かみや柔らかさも魅力です。今では海外でも注目されている漆器は、英語で「JAPAN」と呼ばれることも。
その歴史は、縄文時代にまでさかのぼることが、各地の遺跡からの出土した品々によりわかっています。すでに当時から土器の接着や木製品の塗料として使われていたのです。

その堅牢性や耐久性により、毎日使う汁椀やお祝い事で用いられる重箱などの漆器から、建物や仏像、芸術品まで幅広く用いられ、日本の生活と文化を支えてきました。
繊細な見た目からは想像もつかない、素晴らしい機能も兼ね備えた美しい漆器。世界の人々を魅了しているこの器を、私たちが使わないなんてもったいない、そんな風に思いませんか。

漆器というと“ハレの日に使う特別な器”というイメージをお持ちの方も多いことでしょう。ところが、使ってみると実はとても扱いやすく、テーブルに華やぎを添えてくれる優れものだと気づくはず。日本の風土、食文化の中で生まれた食器は、この国での日常使いにもってこい。熱々の料理を入れても熱くならず、冷たい物を入れても外側に水滴がつきにくい漆。軽くて丈夫なのも、器を手に取り、直接口につける日本独特の食文化が息づいています。

また、シンプルなデザインのものも多く、和洋中とお料理のジャンルを超えて使えるのも便利です。用途にこだわらずお菓子を入れてみたり、スープやサラダ、炒め物を盛り付けたり、カップタイプのものならコーヒーや水割りを楽しんだり。買ってきたお惣菜を入れるだけでも、驚くほどの見栄え が叶うのも嬉しい限りです。日々の生活の豊かさのために取り入れる器だからこそ、おもてなしの時だけでなく、自分のためにちょっとしたラグジュアリーアイテムとして日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。自分の暮らしに合う使い勝手の良い漆器をぜひ見つけてみてください。