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泉州(大阪府堺市周辺)の「水茄子」は名の通り水分が他の茄子に比べて大変多く、果皮・果肉はとてもやわらかく、甘味もあり、さっくりとした歯ごたえは他のお漬物には真似のできないお味です。
包丁で「へた」を切り落とし、切り口を4から6等分になるように包丁を少しいれ、縦に手でさいて召しあがると茄子の甘さも同時に楽しめます。
−「水茄子」の歴史と特性−
室町時代に書かれたとされている「庭訓往来」に「澤茄子(ミツナス)」と記載されていることから貝塚市の澤地区が発祥と考えられています。
泉南地区に限定されて生産・消費されていた在来種で、夏に畑で農作業をしていて、のどが乾いたときには、この茄子を食べ、のどの渇きをいやしたといわれるほどジューシーで、浅漬けにすると絶妙です。
水茄子の果皮は、淡赤紫色で糠漬けにすると褐色に変化するため、味は素晴らしかったのですが、見た目が悪いことから、昭和のはじめにデパートで試しに販売したが売れなかったようです。
その後、果皮が濃紫色の「絹茄」が昭和30年頃より増えていきました。
その当時もまだ泉州地域にのみ限定され生産・消費されていましたが、浅漬けにした場合の美味しさが評判になり、平成に入り人気が出てきました。
近年は中部地区、関東地区の人気が年々増加しています。