おせちの詰め方・盛り付けは?ルールはある?
「一の重・二の重・三の重・ワンプレート」
それぞれを詳しくご紹介
リード文
新年を迎えるお正月に欠かせない縁起物の「おせち」。最近はおしゃれに多様化したことで、おせちが毎年の楽しみになっているご家庭も多いのではないでしょうか。
おせち料理はお正月に欠かせない縁起物として
おせち料理を重箱に盛り付ける理由
「重箱」に盛り付けるのが主流になったのは、江戸後期〜明治時代あたりです。
理由は、重箱を使うことで「めでたさや幸せが積み重なるように」という縁起担ぎによるものです。ほかにも、正月は来客が多く、お客様に振る舞う料理でもあることから、重箱なら出しやすくて見た目も良い、という利便性も理由だそうです。
地味なイメージのおせちですが、実は大正時代にはすでに洋風おせちも登場していたのだとか!伝統を守りつつ、新しいものを取り込んでおしゃれに楽しむ姿勢は、今も昔も同じですね。
ちなみに、「おせち」と呼ばれるようになったのは、終戦後の昭和初期です。デパートや料亭で重箱入りのおせちが市販されるようになり、その名称に使われたのが「おせち」でした。
おせち料理の歴史については下記でもご紹介しています。
おせち料理の歴史や起源・由来は?昔と今の違いやいつからかを年表で紹介!
この「祝い肴3種」さえあれば
おせちの定番料理とそれぞれのいわれ
おせち料理は食材ひとつひとつに、おめでたい意味やいわれがあります。それぞれに込められた願いを知っておくと、おせち料理の準備もきっと楽しくなりますよ。
数の子
たくさんの卵を持つことから、子孫繁栄を願う縁起物。
黒豆
まめまめしく働けますように、と無病息災を願って。
田作り(ごまめ)
「ごまめ」に「五万米」という字を当て、五穀豊穣を祈願して。
たたきごぼう
ごぼうをたたいて開くことから、開運を願って。また、安泰の意味も。
昆布巻き
よろこぶ、という語呂合わせの縁起物。
栗きんとん
黄金色を輝く財宝に見立てて1年が豊かであるように。
伊達巻
形状が巻物のようなので学業成就の願いを込めて。
いくら
鮮やかな赤色が、めでたさや豪華さを表現。丸く角がないので、家族円満の意味も。
ブリ
出世魚であることから、立身出世を願う縁起物。
海老(えび)
見た目の形状から、腰が曲がるまで長寿でありますようにと願いを込めて。
筑前煮(煮しめ)
れんこん、こんにゃく、など「ん」がつく食材を使用することから、運がつく縁起の良いものとして。
紅白なます
紅白の水引をイメージしたもので、一家の平和を願う縁起物。
ホタテ
殻を開いたホタテを、帆を立てて進む船にたとえて、物事が順風満帆に運ぶようにという願いを込めて。
あわび
長生きであることから、不老長寿の願いを込めて。
八幡(やわた)巻き
ごぼうを肉で巻いた料理。ごぼうは細く長く、地中にしっかり根を張ることから家や家業がしっかり安定することを祈って。
錦たまご
黄身は金色を、白身は銀色をイメージした、財宝の意味がある縁起物。
鯛
めでたい、に掛けている、お祝いに欠かせない縁起物。
里芋
子芋が多くつくことから、子孫繁栄の願いを込めて。
手綱こんにゃく
結び目のような形から、良縁成就の願いを込めて。
紅白かまぼこ
半円形が日の出を象徴。薄桃色には慶びやめでたさ、白色は神聖、清浄の意味が。
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おせち料理にはさまざまな具材を入れますが
おせち料理の詰め方・盛り付け方のルール【三段重の場合】
おせち料理の詰め方・盛り付け方のルール【二段・四段・五段重の場合】
二段重 | 四段重・五段重 | |
---|---|---|
一の重 (上段) |
祝い肴・ 口取り |
祝い肴 |
二の重 | 煮物 | 口取り・ 酢の物 |
三の重 | ━ | 海の幸の 焼き物 |
四の重 | ━ | 山の幸の 煮物 |
五の重 (下段) |
━ | 控えの重 (カラにする) |
お重が「二段重・四段重・五段重」の場合は、上記の表のように具材を詰めるのが一般的です。「五段重」の一番下の「五の重」は、「歳神様から授かった福を詰める場所」として、具材は詰めずに空にしておくのが古くからの習わしとなっています。
しかし、近年では上記の表のとおりではなく、各お重にいろいろな具材を詰めるケースも増えているようです。また重箱の詰め方のルールは家庭や地域によって異なることも多いため、上記を参考にしつつ、地域の慣習や家庭の好みで詰めると良いですね。
おせち料理を重箱に詰める(盛り付ける)ときに知っておきたい具材の意味
@市松・田の字
A段取り(段詰め)
B升掛け(手綱)
C七宝詰め
D末広
※詰め方の一例になります
「一の重」の詰め方・盛り付け方の例
「三段重」の一番上段にあたる「一の重」には、黒豆やかまぼこなどの具材を詰めます。「一の重」に詰める具材や、詰め方の例は以下のとおりです。
【具材の例】
【詰め方・盛り付け方の例】
「一の重」では、3×3のブロックに分ける「市松」に、おせち料理9品を詰める例をご紹介します。
1.中央にメインとなる黒豆を小鉢に盛って置く
2.四隅には色味が鮮やかな、紅白かまぼこ、伊達巻、錦玉子、栗きんとんを置く。栗きんとんは汁気があるので小鉢に盛る
3.空いている箇所に、数の子、たたきごぼう、田作り、昆布巻きを詰める
4.全体のバランスを見て、高さや量を調整する
「三段重」の「一の重」には、黒豆やたたきごぼうなどの「祝い肴」や、栗きんとんやかまぼこなどの「口取り」を中心に詰めます。具材に合わせて小鉢を活用すると、味移りがしにくく、見映えよく盛り付けることができます。
「二の重」の詰め方・盛り付け方の例
ここでは、「二の重」に詰める具材と、各具材の詰め方の一例を紹介します。どの具材をどの位置に詰めるのかも紹介するので、「二の重」を盛り付ける際の見本にしてください。
【具材の例】
【詰め方・盛り付け方の例】
「二の重」では、重箱を斜めに仕切る「升掛け詰め(手綱)」で、おせち料理5品を詰めていく例をご紹介します。
1.葉らんを2枚縦半分に折り、斜め方向に設置して重箱内を3分割にする
2.紅白なます、コハダの粟漬けをそれぞれ小鉢に盛り、仕切り中央の両端に配置する
3.残りの角に、たいの焼き物、ローストビーフを詰める
4.中心に、有頭海老のうま煮を頭を左にして詰める
「三段重」の「二の重」には、「海の幸の焼き物」のほか、「酢の物」を中心に盛り付けます。「一の重」同様、具材に合わせて葉らんや小鉢などを活用して、各具材の味移りを予防しましょう。ローストビーフのような平たい具材は二つ折りにして重ねるように並べると、立体感が出て美しく盛り付けられます。
「三の重」の詰め方・盛り付け方の例
「三段重」の下段にあたる「三の重」には、煮物を詰めます。ここでは、「三の重」に詰める具材と詰め方・盛り付け方の例にあわせた手順やポイントを紹介するので、参考にしてください。
【具材の例】
【詰め方・盛り付け方の例】
「三の重」では、さまざまな根菜を煮込んだ筑前煮(煮しめ)を見栄えよく詰めるコツをご紹介します。
1.にんじんや絹さやなど、彩りの良い具材を除き、残りの具材を詰める。同じ具材が並ばないように敷き詰める
2.飾り切りしたにんじんや絹さやをバランス良くあしらう
「三の重」の煮物には、れんこん、たけのこ、しいたけ、ごぼう、里芋、にんじんなどのいろいろな根菜を使った筑前煮(煮しめ)を詰めます。具材の色合いが重複しないよう、全体のバランスを見ながら彩りよく詰めるのが美しく盛り付けるポイントです。また、筑前煮(煮しめ)以外でも、里芋の煮物、手綱こんにゃくの煮物、くわいの煮物、牛肉の八幡巻きなどを単品で作り、仕切りを使って詰めるのもいいですね。
「一の重」の詰め方・盛り付け方の例
「二段重」の一段目である「一の重」には、「祝い肴」と「口取り」を中心に盛り付けます。一の重に詰める具材と、それぞれの詰め方の手順は以下のとおりです。
【具材の例】
【詰め方・盛り付け方の例】
お重を斜めに仕切る「升掛け詰め(手綱)」をイメージし、お重の左奥の角から斜めに詰めていきます。
1.お重の左奥の角に田作りを詰める
2.田作りを葉らんで仕切り、伊達巻を並べる
3.小鉢に入れた黒豆にちょろぎを1〜2粒のせてお重の中央に置く
4.お重の左手前の角に紅白かまぼこを立てて並べる
5.お重の右奥の角に菊花かぶを詰める
6.葉らんで仕切りを立てる
7.菊花かぶの右隣に昆布巻きを立てて詰める
8.かまぼこの右隣に数の子を詰める
9.葉らんで仕切りを立てて、お重の右手前の角に紅白なますを入れる
「二段重」の「一の重」には、三段重と同じように黒豆や田作り、数の子などを中心に詰めます。具材を入れる時は、同じ色合いの伊達巻と数の子が隣にならないようにするなど、彩りも意識するのがポイントです。
「二の重」の詰め方・盛り付け方の例
「二段重」の「二の重」には、煮物だけを詰めるのが一般的です。しかし、近年では「二の重」にも複数の具材を詰めることが増えています。ここでは焼き物も含めた具材と、おすすめの詰め方・盛り付け方の例を紹介します。
【具材の例】
・筑前煮(煮しめ)
・海老のうま煮
・のし鶏
・ぶりの焼きづけ
【詰め方・盛り付け方の例】
お重を横長でいくつかに仕切る「段取り(段詰め)」をイメージし、お重の奥から詰めていきます。
1.お重の奥側の角から、れんこん、ごぼう、里芋というように同じものをまとめて順に並べていく。形がしっかりしている煮しめの具材を選んで詰める
2.筑前煮(煮しめ)のしいたけやこんにゃくを1.に立てかけるように詰める
3.彩りの良い海老のうま煮を立てて並べる
4.お重の左手前に、のし鶏を重ねて詰める
5.お重の右手前に、汁気を切ったぶりの焼きづけを並べて詰める
6.飾り切りしたにんじんや絹さやをバランスよく盛り付ける
「一の重」同様、「二の重」も具材の彩りを意識しながらバランスよく詰めるのが美しく盛り付けるポイントです。具材を重ねる場合、上にのせる分は詰め込み過ぎないよう少しだけ空間を空けることで、見栄えが良くなります。ぶりの焼きづけの上には、ゆず皮をあしらうのもおすすめです。
ちなみにおせち料理は重箱にいつ詰めてもOK
@丸プレート大皿
丸プレートの大皿を使っておせち料理を盛り付けるときは
丸プレートの大皿を使っておせち料理を盛り付けるときは、以下のような具材を取り入れるとお正月らしさを演出できます。
・黒豆
・海老
・栗きんとん
・紅白かまぼこ
どの家庭にもある丸プレートの大皿を使った盛り付け方法であれば、手軽におせちを楽しむことができます。無地のシンプルな大皿プレートに限らず、絵柄のある大皿プレートにおせちを盛り付けても構いません。
丸プレートにおせちを盛り付けるときは、まず中央に小鉢に入れた黒豆かいくらなど、1品を置きます。そして、周囲に明るい色合いの栗きんとんや紅白かまぼこのほか、えびのうま煮、筑前煮、昆布巻き、ローストビーフなどのおせち料理をバランスよく置けば、ワンプレートでも美しくおせちを盛り付けられます。
A半月盆
一人分のおせち料理を盛り付けるなら
B角皿で洋風に
おせち料理を角皿に盛り付ける場合は
C銘々皿盛り
銘々皿盛りとは
Dガラスプレート
ガラスプレートに盛り付けるのに
E豆皿を並べて
豆皿とは、
F二人盛り
「元旦は家族2人で」
おしゃれなワンプレートおせち料理にするためには
Bワンプレートでは映える具材を活用する
おせち料理が残ってしまうことって
@栗きんとんdeマリトッツォ
栗きんとんが余った時は、以下の材料と作り方で、おしゃれなマリトッツォにリメイクしてみましょう!
「栗きんとんdeマリトッツォ」は
A黒豆deおこわ
おせちの黒豆が余った時は、お米と一緒に炊き込んでおこわにすると、余った黒豆も飽きずに美味しく食べられます。「黒豆deおこわ」の材料や作り方は、以下のとおりです。
おせちを種類で選ぶ