喪中のお正月に
おせちは食べて良い?
ふせち料理やお雑煮など
代わりの食べ物も紹介
リード文
喪中におせちは食べても良いか知っていますか?〈浄土真宗・真言宗〉だと食べても大丈夫でしょうか。今回は、〈喪中におせちを食べてはいけない理由〉のほか、〈おせちを食べたい場合は代わりに「ふせち料理」を活用する〉などの対処法を紹介します。〈お雑煮・年越しそば〉などのお正月の食べ物は喪中に食べられるかや、過ごし方の注意点も紹介するので参考にしてみてくださいね。
ただし宗派によっては喪中でもおせち料理を食べてOK
仏教では喪中期間におせち料理を食べるのは避けるべきとされていますが、宗派によって考え方が異なります。宗派ごとの違いは、以下の通りです。
【宗派】
・浄土真宗:喪中期間におせち料理を食べて良い
・真言宗・浄土宗:普通の食事としてなら喪中期間におせち料理を食べて良い
「浄土真宗」は忌中や喪中という概念がなく、亡くなった人はすぐに極楽浄土に行って仏様になるという考え方です。そのため、浄土真宗では新年に縁起の良いおせち料理を食べても良いとされています。
一方で、「真言宗」や「浄土宗」は1周忌が明けるまでお祝い事は避けるべきと考えられており、お正月飾りや年賀状などのお正月行事はNGとなっています。ただし、おせち料理に関しては、おめでたい意味を持つ料理を避け、重箱に盛り付けずに普段使っているお皿に盛り付けておめでたさを感じさせないようにし、普通の食事として食べるなら問題ありません。その際は、祝箸を使わず、お屠蘇(とそ)も飲まないようにします。
テキスト
@紅白の食材
喪中に避けるべきおせちの「紅白の食材」は、以下の通りです。
B昆布
Bお正月に飲むお酒「お屠蘇(とそ)」は朝ではなく夜だけにする
C食べても良い食材のみ食べる
D縁起の良い切り方をした食材を避ける
ふせち料理の中身・メニュー例
「ふせち料理」は仕出し店や料理店、通販などで購入できます。ふせち料理のメニューにはさまざまありますが、例として以下のような内容です。
【メニュー例】
・帆立べっ甲焼
・金時芋蜜煮
・うなぎの白焼き
・かぶら酢漬け
・スモークサーモン
・海鮮れんこん挟み上げ
・ローストビーフ
・笹麩餅(ささふもち)
ふせち料理には、鯛や紅白かまぼこなどのお祝いの食材が使用されていません。ふせち料理のメニューは上記のほか、はもの湯引きや茄子田楽が入るなど、料理店によって中身が多種多様です。また、レシピを参考に自宅で簡単に作れるメニューも多く、手作りすることも可能です。ふせち料理を用意すれば、喪中期間でも故人を偲びながら食事することができます。
テキスト
D洋風や中華風のおせち料理
Bお刺身
喪中のお正月にするのは避ける・注意するべきこと
喪中のお正月に避けるべきことは、以下の通りです。
【喪中のお正月に避けるべきこと】
・お年玉
・初売りセールに行く
・新年のあいさつ
・年賀状
・お正月飾り
・結婚式への出席
・旅行
・誕生日会などのパーティー
喪中は、一般的に誕生日会などをはじめとするパーティーなど、お祝い事は避けるべきとされています。お年玉や年賀状も喪中にふさわしくありません。お年玉袋や年賀状には新年を祝う「あけましておめでとう」などの言葉が使用されているためです。喪中にお年玉を渡したい場合は、「白い無地の封筒」に入れ、お小遣いとしてあげましょう。
また、喪中で年賀状を送らない場合は、11月〜12月上旬に「喪中はがき」で事前に知らせておくのが一般的です。鏡餅や家の前の「お正月飾り」も避けるべきです。鏡餅や門松、しめ縄などは、年神様を迎え入れるために飾るもので、新年をお祝いする意味も含まれているため、避けた方が良いとされています。
喪中のお正月にしても良いこと
喪中のお正月にしても良いことは、以下の通りです。
【喪中のお正月にしても良いこと】
・大掃除
・お歳暮
・除夜の鐘を鳴らす
・神社や寺への初詣
喪中期間にお祝い事は避けるべきです。ただ年末年始の行事でもマナーに注意すればやって良いこともあります。例えば、お歳暮はお祝いごとではなく普段お世話になっている方への感謝を伝えるもののため、喪中に贈っても差し支えありません。ただし、忌が明けてから贈るのが一般的です。熨斗(のし)などは使わず、白い無地を使用しましょう。
また、除夜の鐘を鳴らすことは人の煩悩を払う意味があり、お祝い事にならないため問題ないとされています。「神社」への初詣は喪中期間であっても良いとされていますが、それは忌が明けてからです。仏式では49日、神式の場合は50日が忌中です。ただし、「お寺」であれば忌中期間に初詣のお参りをしても良いとされています。
おせちを種類で選ぶ