四季折々の変化に富んだ舞鶴山の景観。明治の初頭より歴史を刻む由緒ある温泉地など美しい自然と数々の名所を誇る山形県天童市は古くから将棋の駒を始めとする木工業の 盛んな街としても知られています。「山形の人間が、天童の人間が作るから価値がある」先人たちにこう言わしめた、山形の職人気質は天童木工で働く職人の誇りであり、かつブランドです。

英語でPLYWOOD（プライウッド）と呼ばれる成形合板。家具の材料として使われ始めたのは1930年代です。天童木工は、創業から7年後、終戦直後の1947年にこの技術を取り入れ、日本でいち早く実用化させました。木材の薄板（単板）を何枚も接着剤で重ね合わせ製品ごとに異なる型（治具）に挿入し巨大なプレス機で圧力と熱を加えて成形する。単純そうに見えるこの工程ですが全て職人が手作業で行っています。 天候に応じて接着剤の配合を変え仕上がったときに積層面が均一になるよう慎重に重ね合わせながら型に挿入し割れやヨレが出ないように絶妙な加減で圧力を加えるなど非常に複雑かつ高度な職人技が要求されるからです。この成形合板の技術が、無垢材では表現できない美しく柔らかな曲線のデザインを可能にしているのです。強く、軽く、そして美しい、家具として理想の形に木を導く。成形合板の技術を錬磨し続けてきた、天童木工のこだわりです。

天童木工と日本が誇るデザイナー・柳宗理によって生まれたダイニングチェア。HOUSE STYLINGでは、北欧デンマークのファブリックブランド「Kvadrat（クヴァドラ）」の生地を採用したコラボレーションを実現。

背面から見ても美しいデザインのチェアはシートと背面が体を包み込むような設計です。

座面は幅広で座りやすく、立ち座りがしやすい様に前面が丸みを帯びた形になっています。

ミッドセンチュリーの家具との調和を意識したパープルとサペリ（ヴィンテージブラウン）の組み合わせ

北欧デンマークモダンを意識したトレンドのライトグレーカラーとナチュラルの組み合わせ。

川上元美氏によるデザインのテーブル。天板と脚には、それぞれテーパーがつけられています。このディテールによって、すっきりとした軽快な仕上がりになりました。円形のテーブルは視覚的に穏やかな印象を与えます。また、座っている人の視線が中心に集まりやすく、コミュニケーションが生まれやすい空間を演出します。

木目が綺麗な突板仕様。仕上げの丁寧さが天板に表現されています。

細部にわたり、丸みを帯びた柔らかいデザインになっています。

薄くても強度を保てる成形合板は、無垢材では出せない 複雑な曲面やフォルムを可能にします。

円形のテーブルの脚は細部にわたりシルエットにもこだわった仕様です。

天童木工のインハウスデザイナーであった菅澤光政によってデザインされました。入社以来、多くのデザイナーと組んでメーカーの立場からその実現を支えた人物で、このロッキングチェアにも彼の成形合板のノウハウが存分に発揮されています。肘掛け部分以外継ぎ目のない一体成形のサイドフレームは、高いデザイン性と堅牢性を実現しています。また、見た目の美しさや使い心地に配慮し、肘掛のカーブは局所的に厚みを変える「不等厚成形」の技術を用いています。

脚部の強度を保つために、木片を間に挟み込んで ひとつの形状に成形する「コマ入れ成形」が使われています。

身体のラインに沿ったフォルムと分割されたシートクッションが全身の緊張を解き、自然な揺れと共に癒しのひとときをもたらします。

肘掛け部分以外継ぎ目のない一体成形のサイドフレーム。

様々な成型技術の組み合わせにより、無垢材では出せない複雑な曲面やフォルムを可能にします。

日本の工業デザインの礎を築いたデザイナー・柳宗理によってデザインされ、1956年に発表されたジャパニーズデザインのアイコン的家具。

まるで蝶が羽根を広げ飛んでいるかのようなフォルム

熟練の家具職人が、一点一点心をこめて丁寧に仕上げています。

木目が左右対称になるように材料取りにもこだわっています。

一般的なチェアよりは低めで、玄関周りやサイドテーブルにおすすめのサイズ感。