飛騨は太古より原生林に覆われ豊かな森林文化を育んできました。飛鳥時代より奈良や京都の寺社仏閣建築の担い手である「飛騨の匠」と呼ばれる職人集団を生み、木に対する心と技を受け継ぐ地域です。四方にそびえ立つ山々には、ブナの原生林が生い茂り、昼なお暗い密林地帯をつくりあげていました。当時このブナ材は雑炭か下駄の歯程度の用途しかなく無用の長物として見捨てられ、斧を入れる者すらいなかったそうです。飛騨の家具作りの発端は、その未活用材であったブナ材の活用を考えた数人の地元有志の人たちが、大正9年に取り組んだ曲木家具が源であり、今日では地場の基幹産業であることはもとより、全国的なブランドとなった「家具産地、飛騨・高山」への道につながってきています。

「作」という文字は、木の枝を曲げて家の垣などをこしらえる意味をもつ「乍」に「人」を加えて生まれました。そんな字源に背中を押されるように、飛騨産業は創業時から曲木技術の改善改良に留まらず、切削のためのルーター機やロクロ機の独自開発、加熱圧縮技術による針葉樹の高強度化など、技術の革新を積み重ねながら日本の木工産業を100年牽引してきました。その根底にあるのは、飛鳥時代より続く飛騨の匠の心と技術を大切にしたいという心意気です。工場には人の手による工程と機械加工のラインが共存しています。製材・木取りに始まり、部品加工から細かい研磨や組立て、塗装仕上げに至るまで、どれだけ機械化が進んでも人の五感を尊重する手仕事がものづくりの基本です。なぜなら天然の木材は、多様性に富む森の恵みだからです。飛騨産業は、飛騨の匠の心と技術を受け継ぎ、その思想と誇りを胸に、日々技を磨いてまいります。

1995年に発表された、滑らかな曲線だけで構成される美しいデザインは、座り心地を追及した結果生まれた必然な形です。極上の座り心地を持つこのチェアはダイニングではもちろんのこと、パーソナルな空間で1脚からのご使用にもおすすめです。

肘部分は手触りよく滑らかな仕上がり。

座面は座りやすく、体にフィットする形状に。

背もたれも伝統の曲げ技術により滑らかな仕上がり。

全身を包み込むようなデザイン。ずっと座っていたいと思う、吸いつくような座り心地。

空間を広く使える「小ぶりな」デザイン。テーブルは壁付けでも使え、チェアは天板下にすっきり収まります。

白い斑紋は虎斑（とらふ）と呼ばれるオーク材の特徴です。

細部にわたり、丸みを帯びた柔らかいデザインになっています。

「小ぶり」がモチーフとなったチェアは取り扱いやすいサイズ感

ベンチは玄関まわりをスタイリッシュにしてくれます。

家具職人の手仕事が伝わるなめらかな肌触り。背もたれと肘掛けが一体となったハーフアームは動作を邪魔せず。すっきりとした見映え。幅広の座面の張地には撥水加工を施し、お手入れも簡単です。

自然と長く過ごしたくなるダイニングのために食事や作業するときも、ゆったりと座れる広めの座面。

スポーク状のチェアは世の中に多々ありますが、細い木材で上品に仕上げつつ、しっかりとした強度を持たせることができるのはきちんと技術継承された職人だからこそ。

熟練の家具職人が、一点一点心をこめて丁寧に仕上げております。

脚部、少しずつ細くなるシルエット、スポーク（部上の背もたれ）まで繊細に計算された美しい形状が魅力。

1970年代の発売以来長く親しまれた「カスケードチェア」を、現代の暮らしにあわせてリデザイン。ダイニングチェアより少し低めの座高で、ゆったりと背中をあずけてくつろげます。

シルエット、スポーク（部上の背もたれ）まで繊細に計算された美しい形状

熟練の家具職人が、一点一点心をこめて丁寧に仕上げています。

ダイニングチェアより少し低めの座高で、ゆったりと背中をあずけてくつろげます。

窓辺で紅茶を飲む、リビングでお気に入りの本を開く、そんな、心がほどけていく自分だけのひとときのために。