ピンクのビオラは、花形、花色にこだわって大人の雰囲気のものをセレクト。その繊細な美しさを生かすべく、アンティークタッチの鉢を使い、しっとりとした印象のミヤマシキミやクリスマスローズを合わせて、重厚感のあるひと鉢に。コーカサスキリンソウの光沢が器と植栽を取り持ち、全体を美しくまとめ上げています。テーブルやスタンドにのせて楽しみたいコンパクトな寄せ植え。抑えた色合いなので、場所を選ばす飾れそうです。

華奢で優美な花形が魅力。オレンジがかった深みのあるピンクは甘すぎず、器にも合う。

コーカサスキリンソウ。つつやかな多肉質の葉が、光沢のある鉢と植栽のつなぎ役になっている。

大人の印象のミヤマシキミ。赤いつぼみが開き、ピンクの花が咲くと愛らしさが加わる。

印象の強いオレンジのパンジーをシックなひと鉢のアクセントに抜粋。その分、ほかの植栽は穏やかなトーンでまとめて。赤みの入るリーフ類をセレクトして、オレンジ色のパンジーとつながりを持たせます。深さのある器には、それに見合うフォルムを植栽に与えて。クレマチスがからむ支柱も、造形の一部となっています。ベルベットのような質感に注目。パワーのあるオレンジの花色は、その光沢でぐっと高貴な印象に。

パンジー‘みかんちゃん’のベルベットのような質感の花が、高貴な透明感をもらたしている。

紅葉の美しいツルヤブコウジ。色づいたツルが、植栽に動きを与えてくれる。

ヒューケラ‘ストップライト’の黄葉が、程よい明るさをプラス。赤い葉脈が全体の統一感を保ちます。

パステルカラーのビオラをふんわり合わせ、春を呼び込むひと鉢に。色相は異なるものの、ベースのピンクに共通する3種をセレクト。添える花は、ピンクを主調にすることで、全体をきれいにまとめています。こぼれ咲く花や、広がるリーフを合わせることで、全体に動きが出て、そよ風を感じるようなやさしいコンテナになります。シンプルなブリキのプランターを使えば、やわらかな植物の色や形が引き立ち、周囲にもよくなじみやすいです。

透明感やしなやかさといったイメージは、共通する3種類のビオラを合わせることでボリュームアップ。やさしい印象のパステルカラー同士は合わせやすく、アンダートーンを揃えれば安心。
ビオラ‘ヴァルー・ライラックブロンズ’

ビオラ‘ビビ・アンティークピンク’

ビオラ‘よく咲くスミレ（ピーチ）’

コンテナの差し色は白。草姿の違いを生かしてバランス良く配しています。すっと花首をのばすカレンデュラは後段に。

細葉が美しいベアグラス。左右に垂らしてコンテナに動きを。

こんもりと茂るスイートアリッサム。

リース状に編まれたバスケットに、ビタミンカラーの花と瑞々しいハーブを合わせた寄せ植え。色合わせを決めているのは、黄×紫の反対色のビオラ。メリハリの効いた2色で、花色、葉色を揃え、愛らしい実をつけるワイルドストロベリーを添えて。ビオラ、プリムラもエディブルフラワーとして使えるので、収穫もできるキッチンコンテナとして楽しめます。ラフィアでリボンを作って差し込むと、ナチュラルでかわいらしい仕上がりに。来客時のおもてなしにぴったり。

主調の強い黄×紫のビオラに、単色のイエローを加えて分量を調節し、より元気なイメージに。花が小さく可憐なので、愛らしさが倍増。
ビオラ（黄×紫）

ビオラ（黄）

軽やかさを添える切れ込み葉は、濃淡で楽しむ。
ワイルドストロベリー（斑入り）

スープセロリ

微妙な色調の違いがニュアンスを生みます。
サボイキャベツ

プリムラ

器と主役の花が見事に調和。大人っぽくつややかな群青色のハンギングコンテナを生かすよう、深いパープルのビオラを選びました。合わせる草花は甘さを抑え、黒葉ビオラや、葉ボタンのマットな質感が、ビオラの光沢を一層引き立てます。重くなりすぎないよう、白花や斑入りのアイビーで軽やかさを出して。波打つフォルムがフェミニンな印象だが、すっきりとした色合わせで粋な雰囲気に。小さいコンテナでもこんもりと茂ると見ごたえたっぷりになります。

深みのある紫が美しいビオラ。細く白覆輪が入り、さらに存在感を増している。

色を抑えたアレンジは、明度で陰影をつけて。黒葉ビオラは「陰」の存在。

春の名脇役スイートアリッサムは、植栽のハイライトとして活躍。

植物個々のフォルムを際立たせました。ニューサイランのシャープなライン、アイビーの奔放に枝垂れる草姿で空間をデザインしています。放射状に広がるリーフの中心にクール色のパンジーを。シックでいてゴージャスな、この花の魅力が最大限に引き出されています。パンジーの花のフォルムが、ひと際目を引く存在感を放っています。クールな色づかいの植物に、ほんのり温もりを与えているテラコッタのコンテナ。赤みが強すぎないものを選ぶのがポイント。

美しいグラデーション、波打つ花弁がひと際目を引く。控えめな色ながら個性が強い。 パンジー‘オルキブルーシェード’

洗練されたアレンジに大活躍するのが暗色の葉物。フォルムもおしゃれな2種類をセレクト。 ヒューケラ‘パレスパープル’

ニューサイラン‘チョコレートクッキー’

出典：『ひと鉢のアレンジＢＯＯＫ 83の寄せ植え、アイデアが満載 』（Garden&Garden特別編集）