『青丹よし奈良の 春日山まぢかく・・・・』
これは僕の母校の校歌の一節です。
この青丹よしという言葉は、僕の故郷、奈良にかかる枕詞で、奈良で産出された青みがかった土を意味する
とされる一方、古の奈良が青や丹(赤)の建築物で色とりどり華やかな都だったことに由来する、という説が
あるそうです。
当初ビビッドピンクのバラをテーマに始まった僕の庭も、6年目を迎え、セカンドステージと称して、
昨年よりつるバラ品種の入れ替えや改良を重ねています。
青も赤も僕の好きな色であり、青や赤の花々が咲き乱れる、色とりどりの庭、『あをによしガーデン』という
のは、僕の次なる庭の目標であり、バラにマッチする青い花を少しずつ庭に導入している段階の庭でもあります。
今回はそんな青の色素を持つクレマチスの中から、僕のオススメ品種をご紹介しようと思います。
■ 流星
新枝咲きのこのクレマチスは冬には地上部に何もなくなりますが、
春になると小さな芽からグングン枝を伸ばします。
つるバラと同じく横に誘引してやると、壁一面に涼やかな花を咲かせます。
なんとも言えないシルバーがかるメタリックブルー。
実はこのクレマチスは玄関脇に這わせているのですが、自宅の玄関ドアの色が
メタリックシルバーで、ドアの色との調和が美しいのです。
流星の名の通り、星型のこのクレマチスは、遅咲きの品種。
バラを追い掛けるように咲き始め、昨年は紫陽花の季節まで咲き続けて、
初夏の庭を彩ってくれました。
とても気に入っている品種です。
■ ヴェノサ・ヴィオラセア
このクレマチスは、前庭の小壁で咲くバラ、モーツアルトに合わせています。
キリッとした青紫で中央にかすれた白地が入るのですが、モーツアルトと、
このヴェノサ・ヴィオラセアの組み合わせ、僕には日本の着物の柄のように思えます。
チェリーピンクに青紫。
派手な色合せだけれど、どこかシックに思えるのはこの絣(かすり)のような柄のせいでしょうか?
この品種も新枝咲きで強剪定出来ますので、モーツアルトと枝が絡まっていても気にせず
バッサリ剪定が可能です。
バラと合わせやすい品種です。
遅咲きのバラ、モーツアルトと同時に咲いてくれます。
■ アフロディーテ・エレガフミナ
濃い青紫にシルキーな花弁。
花芯も濃い紫で、洗練されたフォルム、大人っぽく上品なクレマチス。
このクレマチスも新枝咲きですので、冬にバッサリ強剪定出来ます。
僕は、オレンジのバラとこの青紫のクレマチスを補色対比で組み合わせたくて、
当初中庭にバラと一緒に植えていました。
日陰で風通しの悪い場所だったためかバラが育たず、撤退。
このクレマチスも程なく鉢上げする予定です。
クレマチスは多湿に弱いようで、花数が減ったり咲かないクレマチスは、大抵、中で根腐れして
根が溶けていることが多いのです。
テラコッタ鉢は特に、気温が上昇して中に水分が残っていると蒸されてしまうようです。
僕の庭では、ガンガン日が当たらず風通しの良い涼しい場所の方が、クレマチスの成育が順調です。
今回、調子を崩してしまったこのクレマチス、アフロディーテ・エレガフミナは、
テラコッタ鉢から掘り出して、水捌けの良い小さなスリット鉢にサイズダウンして養生する予定です。
■ 天塩
僕の庭には初期の頃からいるこのクレマチス。
酷く渋い和風の品種名ですが、藤のようにフレッシュなブルー。
八重咲きでキュッと先端の尖った花弁が幾重にも重なるゴージャスなクレマチスです。
昨年、同じく早咲きのバラ、ピンク・カクテルに重ねるように、なるべくツルを横に横に這わせたところ、
ピンク・カクテルの甘く可愛いらしい一重の花に所々この天塩の涼しげな淡青紫が合わさり、
一面キャンディカラーの印象的な壁面となりました。
■ 美佐世
白地に淡いパステルブルーが重なる覆輪花。
この花の美しさは、水をたっぷり含んだ筆でサッとぼかしたような淡紫の色の入り方。
楚々として凜とした佇まいで和の趣があるようですが、一輪一輪が大きく立派なので、
洋風の庭にも映えます。
ずっと欲しくて去年の初夏、セールで見つけたもの。
今年は、天塩と同じく早咲きのつるバラ、ピンク・カクテルに合わせてみたところ、
花型の違う淡いブルーのコントラストが、ピンクのバラと双方を引き立て合い、
僕の望む風景が手に入りました。
更に育成して、沢山咲かせたいクレマチス。
天塩・美佐世ともに旧枝咲きなので、古い枝を大切に、慎重に誘引を解く必要があります。
旧枝咲きをバラと合わせた場合、古枝を折らないよう誘引には気を遣いますが、
木質化したツルは案外丈夫ですし、花もよく咲くように感じています。
■ H.F.ヤング
今年3月、東京・池袋のサンシャインシティの特設会場で開かれていた、
『春の花々とクレマチス展』に立ち寄りました。
その際クレマチスの第一人者、金子明人先生にお話を伺い、H.F.ヤングと
その枝変わり品種を入手することができました。
早咲きのこの品種は、やはり僕の好きな澄んだブルー。
写真は、H.F.ヤングの花の裏側から撮影したものです。
この花は、裏側も美しく、とてもフォトジェニックです。
上記に挙げた、天塩、美佐世、H.F.ヤングという3つのブルー系のクレマチスを、
我が家の前庭、隣地境界に設置している白い木製フェンスに這わせてみました。
もともとこのフェンスには、キャンディカラーのつるバラ、ピンク・カクテルを
誘引しています。
足元には、ブルーのサルビアも添えてみました。
白い木製フェンスの縦のラインと、ピンク・カクテルの内側の白、
クレマチス・美佐世の白いラインが連動して、なかなか美しい風景を
作り出せているのではないか、と思っているのですが、如何でしょうか?
元々、植物好きから始まったというよりは、美しい風景を求めて庭を作り始めた
僕にとって、花と花の色を合わせるのは、絵を描くような感覚なのです。
自分の好きな色で満ちた美しい風景を創りたいという欲求が、僕の庭創りに於いて、
大きな原動力となっているのです。
■ フォンド・メモリーズ
我が家の庭のメンテナンスを手伝ってくれている友人は、このクレマチスが巨大な蝶に見えるといいます。
一輪がとても大きく印象的な品種です。
裏が赤紫色、表は白色地で、その淵に覆輪状に裏の赤紫色が滲んだように浮かびます。
季節によってその色合いが微妙に変化するのも趣があり、繰り返しよく咲きます。
毎年、このクレマチスは、白い一重のつるバラ、ジャクリーヌ・デ・プレと合わせていましたが、
今年、ジャクリーヌを移植し、流通量が少ない希少品種、シルバーピンクのつるバラ、アントニオ・ガウディと、
似た色合いで花型の違う、木村卓功氏が作出された『ロサ・オリエンティス・シリーズ』のバラ、ダフネを
合わせたところ、神々しいような神秘的な風景と相なりました。
「大きすぎて苦手」と言っていた友人も、この風景を眼にして、「初めてこのクレマチスの良さがわかった」と。
バラとクレマチスお互いの花色や花型をどう計算して組み合わせるか、相性もあるのでしょうね。
来春に向けて、僕の庭では、どのバラ、どのクレマチスをどこに配置するか、試行錯誤が始まるのです。
少し趣向が異なるクレマチスを紹介します。
色も青ではありません。
僕はホームセンター巡りが大好きで、この苗はそんなホームセンターで格安でゲットしたのものですが、
プリンセス・ダイアナ、プリンセス・ケイト、つまり英国王室の二人のお妃、お義母さんとお嫁さんを、
遊び心で仲良く近いコーナーに植えてみたのです。
■ プリンセス・ケイト
プリンセス・ケイトは、僕の前庭一番最初に目に入るところに植えたつるバラ、カクテルと合わせてみました。
本当に小さな苗から始めて、昨年はほとんど咲かず。
2年目の今年、どのくらい咲くか見当もつきませんでしたが、想像以上に多花で、花期も長く咲いてくれました。
チューリップ型で上を向いて咲くのですが、蕾はシックなワインがかった赤紫。
咲くと外側付け根にその赤紫が残り、中は純白。
上を向いて凜と咲き誇る様子は、現代のお妃ケイト妃御本人のイメージと重なるようです。
バラとも合わせやすく、樹勢が強いので今後が楽しみな品種です。
花後の強剪定で繰り返し長く咲くようなので、是非そのようにしてみたいと思っています。
■ プリンセス・ダイアナ
こちらは、ケイト妃のお義母さんにあたる、ダイアナ妃。
僕のお気に入りのバラ、バロン・ジロー・ドゥ・ランとスヴェニール・ドクトル・ジャメインという
2本の赤いつる薔薇の壁に合わせてみました。
こちらも、プリンセス・ケイトと似て、花弁が厚くチューリップのようにラッパ型で咲きます。
鮮やかなチェリーレッドで一見こちらの方が華やかに思っていたのですが、
花の大きさがケイトより小ぶりで、まるで小鳥が止まり木に止まるように咲くのです。
堂々と咲く現代的なケイトに対して、どこかはにかんだ様子のダイアナも、ご本人のイメージと重なります。
きっと色々検討を重ねて、ちゃんと御本人のイメージにマッチする花が選考されているのでしょうね。
こちらもケイト同様新枝咲き。
大きく育てれば株一面に咲くそう。
白い壁面によく映えていたので、地植えで固定して今後大きく育てたいと考えている品種です。
■ ビエネッタ
このクレマチスは一昨年の冬、地植えで大きな株に育っていたものを、我が家の庭を手伝ってくれている友人が
僕の庭へと持ち込んだものです。
「花型が乙女チックすぎて僕の庭には合わなくない??」
疑心暗鬼の僕を、クレマチス担当の友人が押し切り、「まあ、いいから」と、中庭のガラス窓前に立つポールに
誘引したのです。
昨年の春、僕の懸念をよそに、このクレマチスは大きなFIX窓一面に、愛らしい花をつけました。
「これは時計草ですか?」
「名前を教えてください」
庭を見に来た人が、何人もそう尋ねていきます。
新入りのこのクレマチスはあっという間に注目をさらい、僕の持つクレマチスの中で一番多く花を咲かせたのです。
レイモンド エビソンとポールセンローズ社の共同作出品種で、ガーランド(The Garland)コレクションの品種。
中心部がまるでブローチのような印象的な咲き方。
咲き始めのライムグリーンからボールのように膨らみ、ポンポン状になるにつれ、色も紫にへと変化します。
バラと重なって咲きますが、花期が非常に長く、最後は外側の白い花弁が散り、中のブローチ部分だけが残ります。
細いつるですがよく伸びるので、その都度横へ横へと誘引してやると、株一面につぼみをつけます。
どこかウィットに富んで愛らしさと大人の遊び心が同居する品種。
勿論評価を修正した僕は、更にもう一本、同じ品種を買い求め、庭に地植えしました。
以上、十品種、僕のおすすめのクレマチス。
如何でしたでしょうか?
実は、クレマチスは、早くに大きく育成することの出来たつるバラと違い、
当初、バラとのコラボを夢見たものの、つるバラの勢いに埋もれたり、
伸びたつるを上手く横に誘引できなかったりで、僕の庭では「沢山あるけどちっとも咲かない」という印象でした。
液肥をあげたり、環境を変えたり、植え替えをしたり、こまめに誘引しながら、
やっと花が安定して咲くようになり、バラとの色合わせを楽しめるようになりつつあります。
ホームセンターでも気軽に入手できるクレマチス。
皆さんのお庭でも是非バラとのカラーリングを楽しみ、自分好みの『色の世界』を創り出してみませんか?
僕のおススメのクレマチスについてのご紹介は、以上になります。
続いて、ディノスさんが取り扱っておられる商品について、今回も少しご紹介させていただきたいと思います。
今回は、「ブロッサホースリール」です。
現在は、梅雨まっさかりですが、これから暑い夏を迎えます。
バラもクレマチスも、特に鉢で育てている株は、水遣りが気になる季節を迎えます。
そんな中で、今回は、水遣りに最適なホースリールを紹介したいと思います。
「ブロッサ・ホースリール」は、ブラック、シルバー、レッドの3色のラインナップがあるのですが、
今回、その中からシルバー色のものを使わせていただきました。
この「ブロッサホースリール」を使ってみてのレポートです。
こちらが、そのブロッサホースリールのシルバー色です。
アルミの鋳物とステンレスプレートで構成された、非常にモダンなデザインのホースリールです。
鋳型に金属を流し込んで固める鋳物製ならではの細かなデザインと重厚な質感が、庭の中でも特に目を惹きます。
本体のシルバー色に合わせるように、ホースそのものも、黒とシルバーのツートンカラーで、
とてもすっきりしています。
道具としての「用の美」を感じる美しいデザインです。
こちらが、それまで使っていた一般的なホースリール。
樹脂製で、ホースや本体が青で、庭の中で浮いてしまうようなデザインでした。
送られてきた梱包箱から出した状態。
本体と、いくつかのパーツの分解されていました。
それにしても、車のホイールのようなメカニックなデザインが、
この製品を所有する喜びを感じさせてくれる、とてもクオリティの高いものでした。
組み立ては至って簡単!
一般的なホースリールと同じ程度のものです。
水栓と接続するホースを、ホースリール本体につなぎます。
給水ホースは、約2メートルあります。
続いて、樹脂製のハンドルを反対側の面の中心部の窪みにセットすれば、組み立て完了です。
こちらは、散水ホース、約20メートルあります。
黒い本体にシルバーのメッシュで補強されているので、とても丈夫。
ねじれも起こりにくい設計になっています。
見た目にもとてもシックで、美しいです。
今回、使ってみて、一番良かったのが、こちらの散水ノズル。
本体のデザイン性ばかりに目が行きますが、この散水ノズルは、機能的にもとても優れています。
赤い部分レバーを、回転させるように動かすことで、水流を7パターン変化させることができます。
しかも、そのまま水流を固定できるところも使いやすいです。
親指一本で操作できるため、非常に使いやすい、ユニバーサルなデザインとなっています。
このブロッサホースリール、これまでに使ったどのホースリールより使いやすく、しかもデザイン性も素晴らしく、
庭に置いておくのが嬉しくなる製品です。
少しお値段は張りますが、長く使える上、所有する喜びを感じられる商品と思えば、十分、元はとれると思います。
おススメの商品です。
是非一度、使ってみられては如何でしょうか?
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