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県立奈良高校・創立100周年記念事業・中庭プロジェクト、その13(工事編:中央広場・仕上げ工事)

居場英則

僕の母校である、県立奈良高等学校の創立100周年記念事業でつくる中庭プロジェクト。

徐々に出来上がっていく中庭の様子を、ランドスケープアーキテクトの視点でご紹介しています。

第13回目は、いよいよガーデンの中央広場の仕上げ工事が始まったので、その様子をレポートいたします。

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さて、こちら↑は、僕が高校生の頃に通っていた、その当時の奈良高校・法蓮校舎。

奈良高校は、その100年の歴史の中で、2回校地が移転するという数奇な運命をとどっています。

今の新しい朱雀校地で、創立100周年を迎えることになったわけですが、僕が高校生の頃に通っていた

こちらの旧校舎(法蓮校舎)には、ちょうど50年前、創立50周年記念で、

今回と同じように卒業生OBOGの寄付によりつくられた「アテネの学堂」(プラトン・アリストテレス立像)、

「竪義の庭」という、ダブルコンセプトの中庭がありました。

今回の創立100周年記念事業として、「奈良高校の原風景」を再構築しようと計画されたのが、

新校地(朱雀校地)での中庭プロジェクトです。

新しい中庭をデザインするにあたって、計画当初に学校側から出された要望として、

「中庭で、学生の様々な活動ができるような広いスペースを確保して欲しい。」というのが、

まず大前提としての条件でした。

僕たちが過ごした旧校舎(法蓮校舎)の中庭(上記の写真)は、広さも現在の半分ほどの面積しかなかった

ことに加え、創立50周年記念のモニュメントとしてつくられたプラトン・アリストテレス立像が、

庭の真ん中に鎮座し、まとまった活動スペースがなかったために、少々使い勝手が悪かったという話もありました。

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そこで、今回の創立100周年記念事業の新たな中庭プロジェクトでは、中庭で学生が様々な活動(例えば、

演奏会やダンスパフォーマンス、演武、行事など)ができる、まとまった広いスペースを確保する計画としました。

2つの「焦点」を持つ楕円構造のスタンドベンチが取り囲む中央広場(プラザ)には、一辺の長さ約13mの正方形が

内包された広場(空地)があります。

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この中央広場の床は、創立50周年記念でつくられた「プラトン・アリスとテレス立像」のモチーフとなった、

ルネッサンス期の画家・ラファエロが描いた「アテネの学堂」に描かれた床の大理石パターンを模した

タイル張りの仕上げとしています。

それ以外にも、楕円の2つの「焦点」から発せられる光を表現した白いタイル張りの線形デザイン、

校舎南棟の影になりウェッティーなエリアとなる中庭の南半分を、水はけの良い(浸透性の高い)

インターロッキング張りにするなど、機能性とデザイン性を兼ね備えた床のデザインをしています。

今回のレポート記事では、それらの中央広場(プラザ)の仕上げ工事が出来ていく過程を紹介したいと思います。

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こちらは、昨年(2023年)末くらいの中庭の様子。

中央広場のタイル張りの基礎部分のコンクリートが打設されています。

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真横から、南棟方向を見たアングル。

ラファエロの絵に描かれたのと同じような、赤と白のパターン張りのタイルを貼る部分のベースになります。

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真ん中の四角の外側、グレーのタイルを貼る予定の三角形のエリアの基礎をつくり始めているところです。

まず、クラッシャーラン(砕石)を敷き詰めて、その後、転圧して固めていきます。

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その三角形の部分にコンクリートを打設しました。

手前の先にコンクリート打設した部分は、乾いて(水分が抜けてきて)白くなってきました。

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続いて、「楕円の焦点から発せられる光の線」を表現する白いボーダータイルを貼る部分のベース(基礎)を

つくっているところです。

このボーダーラインの外側は、グランドカバー植物を植栽するスペースになるため、

細いライン状に型枠をつくって、そこにコンクリートを手作業で流し込んでいるところです。

結構、手間のかかる仕事になります。

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ボーダータイルを貼るライン状の基礎が出来ました。

型枠を外したところです。

「楕円の反射定理」を表現した線形が良く分かると思います。

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反対側はこんな感じになっています。

こちらは、校舎南棟の陰になり、少しウェッティーなエリアとなるため、植物の生育環境が悪いと想定されるため

グランドカバー敷きではなく、透水性のあるインターロッキングで仕上げるエリアになります。

そのインターロッキングの下地となる砂が運び込まれています。

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この段階で、校舎3階の廊下の窓から中庭を見下ろしたアングルです。

中庭の中央広場の様々な床パターンがうっすらと見えてきた段階です。

奥の方では、プラトン・アリストテレス立像を設置する、2つ目の「焦点」周りのR壁の配筋工事が始まっています。

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「楕円の反射定理」を表現するライン(線形がは、楕円の壁に反射している感じが分るでしょうか?

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アップで見るとこんな感じ。

スタンドベンチの間に設置された階段のちょうどセンターで折り返しています。

ベンチの最下段の足元には、雨水排水の側溝が、U字溝を使って作られていますが、

その側面にピタリと角が当たるように施工されています。

楕円形という難しいフォルムにも関わらず、施工精度も非常に高く出来上がっています。

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こちらは、ひとつ前の記事でも紹介した、楕円の「焦点」に設置する「羅針盤」(石材プレート)を設置する

場所になります。

羅針盤の中央から、噴水が吹き上がるように水道が接続され、羅針盤の表面を流れ落ちた水が排水されるように

暗渠排水溝も設置されています。

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中庭の南側中央から、校舎北棟(本館)方向を見たところ。

左端には、プラトン・アリストテレス立像を設置する、もう一つの「焦点」エリアの施工(R壁)が

立ち上がっています。

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中央広場のタイル張り部分ですが、表面のタイル仕上げ面に、意匠的に大きな収縮目地を入れたくなかったので、

タイル仕上げ面の下、基礎コンクリートに伸縮目地を取っていただいています。

また、この写真では分からないかもしれませんが、中央広場には四周へ雨水が流れるように勾配がとってあります。

出来上がったあと、この中央広場で様々なパフォーマンス(ダンスなど)が行われる際、なるべく傾きを感じない

程度の緩やかな勾配で、かつ適切に雨水排水ができるよう、施工者側で配慮していただいています。

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中庭北東の角から南西方向を見たアングルです。

楕円形のスタンドベンチの間にも、真砂土が入れられました。

ここも、最終的には踏み圧に耐えられる宿根草を植え付ける予定ですが、その植物が直根性であるため、

土の下にあった砂利などのガラも撤去してもらい、宿根草の根が張りやすいように配慮してもらいました。

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こちらは、中庭の北半分、比較的日照条件の良いエリアです。

ここには、インターロッキングを敷かずに、宿根草を植え付ける予定です。

工業製品で床を固める部分を可能な限り少なくして、緑被率を高めました。

そうするとこと、見た目の印象がよりナチュラルになるだけでなく、ヒートアイランド対策的にも効果があると

考えています。

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いよいよ「楕円の反射定理」を表現するボーダー状のタイルを貼る段階になりました。

現場には、いくつもの候補の建材の中から、僕のイメージに一番近いものをセレクトしました。

コンクリート二次製品で、大理石(トラバーチン)を模した雰囲気(表面仕上げ)を持つボーダー状のタイル

(幅17センチ、長さ39センチ)を使います。

リゾート施設のプールサイドの縁石などに使われる材料です。

その資材が大量に現場に搬入されました。

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ボーダータイルの幅につくられた基礎の上に並べていきます。

ここでもランダムに(適当に)ボーダータイルを貼っているように見えますが、

すべてタイル割り図をつくってもらって、細かくチェックした上で施工してもらっています。

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「楕円から発せられる光」を表現する線形が交差する部分です。

うまくタイル割り考えて、違和感のないように仕上げてもらっています。

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ボーダータイル(楕円の焦点から発する光のライン)が、楕円の壁(U字側溝)に当たって反射する部分の

ディテールです。

ピッタリ、キレイに施工してもらっています。

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グランドカバープランツを植栽するエリアに描かれた、白いボーダータイルの線形デザイン。

なかなか良い感じに目立っています。

このあたりで(2024年1月中旬)で、中庭に、プラトン・アリストテレス立像が移設されました。

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こちら↑は、楕円形のスタンドベンチより手前、中央広場に近接した場所に設置している生駒石のベンチです。

ここは、インターロッキング張りと植栽(グランドカバープランツ)が混じるエリアになります。

このあたりは、「楕円の焦点から発せられる光の線」が階段も兼ねている場所で、中央広場のレベルから、

奥の立像の方に向けて、階段で2段上がるように設計しています。

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「楕円から発せられる光の線」を表現したボーダータイルが貼り終り、次にその内側の床タイルを貼る作業が

始まりました。

ここには、白い(アイボリー色)の600角タイル(一片の長さが60センチ)のタイルを貼り詰めていきます。

この色味が重要で、たくさんのタイルサンプルを取り寄せた中から、この大判タイルを選んでいます。

一枚のタイルの厚みは20mmもあり、一枚のタイルの重さが約17kgもあるんです。

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そのタイルを加工して、中央広場のコーナー部分をキレイに納めてくれています。

「楕円の焦点から発せられる光の線」を表現する白いボーダータイルと調和しながらも、

それぞれを引き立てるような材料を選んでいます。

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中央広場のタイル張り面の四隅部分が、だいぶ出来てきました。

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中庭の各所で、様々な仕上げ工事が同時並行的に進行し、現場はとても慌ただしくなってきました。

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年明け早々(2024年1月10日)正面玄関横の仮設置場所から中庭へと移設されたプラトン・アリストテレス立像

廻りの円形階段部分の石張り工事も始まっていました。

僕が現場監理に来た際には、もうずいぶんと工事が進んでいました。

4段ある階段のうち、上から3段目までもう石張りされていました。

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この円形階段は、放射状に仕上げ材をカットして貼ることに加え、階段状になっているため、

小口面の処理が必要で、タイルではなく、御影石を使って仕上げてもらうことにしました。

周囲のアイボリー系のタイルとの相性も考えて、少し赤みのある錆御影石を選んでいます。

同心円状に貼っていくのですが、事前の石割図をベースに、工場である程度加工して(切って)

現場に運びこまれたものを順番に張っていくことになります。

立像の足元廻りは、台座部分に合わせて、現場合わせで加工しながら、ピタリと合わせて施工していただいてます。

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立像を正面付近から見ると、こんな↑感じ。

これまでのコンクリートの基礎の上に立っていた時と比べて、御影石張りの仕上げになって、

ずいぶん豪華に見えるようになりました。

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一番最後の段の天端の石張りをしているところです。

一段の階段の踏面はかなり広く、完成後は、ここで立像と並んで、ラファエロが描いた「アテネの学童」のような

人物集合写真の撮影などもできるようになります。

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御影石の円形階段の一番下の段です。

中央広場の大判タイルとの取り合い部分です。

円形階段の立ち上がり部分にも同じ御影石を貼っているのが分ると思います。

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その立ち上がり部分の石材ですが、こちら↑がそのパーツ。

フラットな石板を貼っていくのかと思っていましたが、施工側の配慮で、円の曲率に合わせて

表面がラウンドするように加工してくれています。

平板を円形の立ち上がりに張っていくと、どうしてもカクカクと折れ点が出来てしまうのですが、

ラウンド形状なら、滑らかな局面を描いて階段が立ち上がるので、より美しく見えます。

細かい部分まで、施工側の配慮が行き届いています。

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立像の足元廻りです。

写真左側に見えているコンクリート製のRの壁には、このあと仕上げとして、色付きのボーダータイルを貼る予定に

なっています。

その間の窪みは、植栽スペースとなっていて、グランドカバープランツを植栽する予定です。

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出来上がった階段上部から、隙間を埋める目地詰めが行われているところです。

モルタルを塗り込んだあと、半渇きの状態で、目地部分以外をキレイに拭いて仕上げます。

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この段階で、再び、校舎東棟2階の窓から、中庭を見下ろしてみました。

設置された黒い御影石でできた「羅針盤」が目を引きます。

羅針盤(楕円の焦点)から発せられる光の線が、白いボーダータイルで仕上げられました。

真ん中の中央広場の四隅(三角地)のタイル張りがほぼ出来てきました。

もうひとつの「焦点」の位置に設置されたプラトン・アリストテレス立像廻りにも、円形階段が出来つつあります。

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斜めからのアングルで、中庭前景を見たところです。

周囲の楕円形のスタンドベンチの内側に、様々な仕上げの組み合わせでつくられた装飾が姿を現しつつあります。

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校舎(南棟)4階廊下の窓から、中庭を見下ろすと、平面図に近い感じで中庭前景を見ることができます。

中庭の構造がほぼ露わになりました。

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再び中庭に戻って、工事の状況を見守ります。

立像の周りの円形階段の最下段(4段目)まで、すべて石張りが出来たようです。

写真は、目地詰め作業中かと思います。

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目地詰めが終わり、モルタルをぬぐい取ったあとの円形階段の全景です。

次は、立像後方のR壁内側に、意匠タイル(色付きのボーダータイル)を貼っていく工程になります。

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こちらは、1月19日(この写真を撮影した日)に設置された「羅針盤」(石材プレート)です。

黒い御影石と600角の白い大判タイルとの取り合い部分に、職人さんがタイルを切って敷き詰めているところです。

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羅針盤のエッジ(縁)の部分とタイル張り部分が、ピタリと面(ツラ)イチで納まりました。

楕円の焦点から発せられる光の線を表現したボーダータイルと、羅針盤の中に描かれた線もピタリと合っています。

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再び俯瞰のアングルで、中庭の全景を見てみます。

校舎西棟(3階)の屋上に上がらせてもらって撮影しています。

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こちらは、その反対側、東棟(3階)の屋上から中庭を見下ろしたアングルです。

羅針盤廻りと、プラトン・アリストテレス像廻りのタイル張り、石張り工事が概ね出来てきました。

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「羅針盤」周りのタイル工事が完了したので、御影石でできた「羅針盤」の表面が傷つかないように、

再び養生して蓋がされました。

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校舎西棟2階、図書室への外階段から見た中庭前景。

プラトン・アリストテレス立像が移設され、「羅針盤」が設置、高木も植栽され、

中庭がどんどん仕上がっていきます。

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こちらは、プラトン・アリストテレス立像廻りの階段部分です。

ボーダータイルが立体的に交差するデザインとなっている部分です。

ここに大判の床タイルを貼っていきます。

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職人さんが手際よく、大判タイルを貼っていきます。

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あっという間に、一段目の床が出来ました。

同じようなアイボリー色のタイルですが、600角のタイルの中を、幅17センチのボーダータイルが横切っているのが

良く分かると思います。

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そして、次は中庭の中央広場の周囲に、インターロッキングという舗装仕上げをしていく段階になりました。

このインターロッキングという建材、よく街路の歩道部分に使われているものですが、

意匠性がイマイチなものが多いのです。

今回は、こだわって選んだ他のタイルとの調和も考慮しつつ、美しいインターロッキングの仕上げをすべく

材料にもこだわりました。

写真は、施工前に資材を並べて、その並べ方を検討しているところですが、

2種類(大きなパーツと小さく細いパーツの2種類)とそれぞれに2色の色違いを組み合わせている関係で、

4種類の建材をどのように組み合わせて、より美しい床パターンをデザインできるかにチャレンジしています。

写真手前は、その4種類をただ単に順番に並べただけですが、奥の並べ方では、

細いパーツを3本を色違いで組み合わせて、さらに目地をずらすという複雑な並べ方をしてみました。

この方が圧倒的に美しかったので、その方法で施工をしてもらうよう、職人さんたちに指示をしました。

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とりあえず、決めた並べ方で実際に試してみることにします。

インターロッキング仕上げは、タイル張り仕上げと異なり、真砂土の上に、資材を置いて並べていく施工方法です。

職人さんが、インターロッキング部材を並べる真砂土の下地を均しているところです。

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そこに職長さんが、指定した通りの並べ方で4種類のインターロッキングを並べていくところです。

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楕円の焦点から発せられる光の線で囲まれたエリアは、不等辺四角形で、隅の部分はうまく部材が納まりません。

後で、部材を切って納めていくことになりますが、まずは真モノ(切らない建材)を敷き詰めた状態で確認します。

なかなかいい感じだったので、このパターンを連続していくことでOKとしました。

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職人さんたちは手分けをして、インターロッキングを敷き詰めていく人、下地の真砂土を均していく係に分かれて

効率的に作業を進めて行きます。

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いくつかのブロックに分かれているのですが、ストライプパターンが連続していくので、

それぞれに作業を始めることができず、順番に追っていく感じの施工になります。

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ボーダータイルと楕円形のU字側溝で囲まれた不整形なエリアに、真砂土が均されました。

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こちら↑は、「羅針盤」(石板プレート)廻り。

このあたりも直線と曲線に囲われた施工が面倒なエリアとなっています。

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こちら↑は、生駒石の天端を切って磨いた「石ベンチ」エリア。

ここの足元もインターロッキングで仕上げます。

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不整形な自然の生駒石に合わせてインターロッキングを切って敷き詰めるのも、施工的に難しい上、

キレイに納まらないため、あえて生駒石との間に10センチ程度の隙間を空けるように指示しました。

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施工方針(組み合わせパターン)が決まったので、どんどん施工を進めるために、

資材(インターロッキング)が中庭に続々と運び込まれます。

大判タイル同様、このインターロッキングも相当重いのです。

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楕円の円弧部分の納まり。

隅の部分に隙間ができますが、とりあえずは気にせず、真モノを指定されたストライプパターンに沿って

どんどん並べていきます。

一枚づつ、モルタルで固めていくタイル張り仕上げと違って、インターロッキング仕上げの場合は、

平らに均した真砂土の上に並べていくだけなので、比較的施工はやりやすいのかなとは思います。

(多少並べ方を間違ってもやり直しもできますし。)

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ちょうど、楕円形の円弧の中心部まで来ました。

デザイン的に、ここでストライプパターンが反転するようにして欲しいと伝えていましたが、

パターンが変わるので、職人さんも慣れるまでは戸惑っておられました。

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新しいエリアへ、インターロッキングを張り伸ばしていきます。

黄色い水糸を張って、ストライプの軸(ライン)がずれないように、精度を高めて施工してもらっています。

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1月の工事現場では日没の時間も早く、校舎で囲まれた中庭は早くも暗くなってきました。

ようやく、「羅針盤」近くまでインターロッキングのストライプパターン張りが迫ってきました。

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ここにきて、インターロッキングのストライプ張りが、校舎の上からどのように見えるのか気になってきたので、

校舎の上から俯瞰で見てみました。

2種類合計4種類のインターロッキングをストライプ張りしているのが、なかなか良さげです。

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正方形にタイルを敷き詰めている中央広場の角の部分で、インターロッキングのパターン張りが

シンメトリーになるようにしてもらっていますが、それも良く分かります。

こだわってそうしてもらって良かったと思います。

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再び、中庭レベルに戻って、その部分を確認してみました。

中央広場の角を境に、インターロッキングのストライプパターンがシンメトリーに並んでいるのが分るでしょうか?

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「羅針盤」周りまでインターロッキング張りが迫ってきました。

日没間際で、職人さんたちは明日も作業を続けられますが、監理者の僕は明日は現場に来れないため、

この日中に、細かい部分の納まりについて、職人さんに指示を出さなければなりません。

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このエリアのインターロッキング張りは、一部、グランドカバー植物との取り合いが出てくるため、

どこまでインターロッキングを張るか、その模様(ギザギザパターン)をどうするか、具体的な指示をさせてもらって、

明日の作業につなげてもらうことにしました。

この日は、日没後までの残業となってしまいましたが、概ねインターロッキング工事の仕上がりが見えたので、

あとは安心して職人さん方にお任せできます。

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数日経って、かなり工事が進捗した段階で、現場を訪れました。

プラトン・アリストテレス立像廻りの階段部分のタイル張り工事も、すっかりキレイに仕上がっています。

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中央広場の2色のタイルのパターン張り部分も、もうほとんどが出来上がっていました。

プラトン・アリストテレス立像廻りの一部を残すのみというところまで来ていました。

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この中央広場の床パターンは、創立50周年記念でつくられたプラトン・アリストテレス立像のモチーフとなった、

ルネッサンス期の天才画家、ラファエロがバチカン宮殿内に描いた「アテネの学童」という一枚の絵にヒントを得て

デザインしています。

中央に描かれたプラトンとアリストテレスの前、階段を下ったところの床の大理石パターンを模しています。

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残っている中央広場のタイル張り未済部分です。

パターン張りエリアの3/4は、もう仕上がっていました。

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ラファエロの絵に描かれたギリシャ神殿の床は、おそらく大理石張りだと思いますが、

今回の中庭プロジェクトでは、耐久性もあるタイルを使用しています。

これまでに張ってもらっていたのは600角(一辺の長さが60センチ)の大判タイルでしたが、

この2色のパターン張り部分はあ、300角(一辺の長さが30センチ)のタイルを使用しています。

この2種類のタイルも数多くのサンプルを取り寄せ、ラファエロの絵に描かれた床のイメージに近しいタイルを

厳選して選んでいます。

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中央広場のタイル張りも残すところ、あと1/4。

その周囲の宿根草(グランドカバープランツ)を植栽するエリアには、真砂土が敷き詰められました。

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反対側の校舎南棟に近い日陰のエリアには、4種類のインターロッキングをストライプパターンで敷き詰めています。

こちらも、楕円の曲面や不整形な形に合わせて、インターロッキングを切って、ピースを埋めるように

キレイに施工されています。

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生駒石のベンチの周囲も、その形に合わせつつも、単調にならないよう、微妙なリズム感を表現すべく

仕上げてくれていました。

隙間の土の部分には、宿根草(グランドカバープランツ)を植栽します。

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ベンチの裏側には、広めの植栽スペースを設けています。

ここには、アオダモやヒメシャラといった緑陰をつくる高木も植えてあるので、

木陰の下で、石ベンチに座って読書したり、中央広場でのパフォーマンスを最前線で見ることができる特等席と

なっています。

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生駒石のベンチは、合計5か所ありますが、こちらは一人掛けで少し低い高さのベンチを用意しました。

どんな使われ方をされるのか、楽しみな部分です。

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こちらは、インターロッキングの際に、意図的に開けた植栽スペースです。

当初計画では、こちらにも石ベンチを設置する予定でしたが、工事費削減のために石ベンチは

なくなってしまいましたが、植栽スペースは残しました。

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不整形に並べたインターロッキングの端部は、ずれないよう、専用の金具を取り付けてもらっています。

土の部分には宿根草(グランドカバープランツ)を植栽します。

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中央広場の最後に残されたタイルエリアの施工が始まりました。

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手際よく、残されたエリアにもどんどんタイルがパターン張りされていきます。

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校舎南棟の上層階から俯瞰で見た中庭の全景アングルです。

ほぼ、中庭の床仕上げが仕上がってきているのが分ります。

これまで、土やコンクリート面ばかり目立っていた中庭にも、様々な表情が生まれてきました。

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中央広場の2色のタイルのパターン張りの最後のピースが嵌りました!

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順次、タイルの目地詰め工事(画面左側)も進んでいきます。

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再び、校舎上層階からの俯瞰のアングルです。

見える部分は、ほぼ程仕上がった感じです。

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校舎西棟屋上からの見下ろしのアングルです。

楕円形のスタンドベンチが、アンシンメトリー(非対称)に配置されているのが印象的です。

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こちらからのアングルが、一番きれいに見えるかもしれません。

落葉樹が多い植栽が、冬枯れで枝しか見えない状態ですが、春になり新緑が芽生える頃には、

緑に囲まれたような中庭になっているはずです。

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再び地上レベルへ戻りました。

中央広場のタイル張り工事も完了し、タイルの表面も清掃され、キレイになりました。

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こちらが、2色の300角タイルを使った床のパターン張り部分です。

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プラトン・アリストテレス立像付近から東(中庭への昇降口)方向を見たアングルです。

床のパターン張りが鮮烈でなかなか良いです。

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こちら↑は、中庭北側から南棟方向を見たアングルです。

南棟だけが唯一、外壁の一部に茶色いタイル張りがされているのですが、

その外壁タイルと中央広場の赤いタイルとの調和がいい感じになっているかなと思います。

また、16個のパターン張りのセンターラインが、ピタリと南棟のタイル張りの外壁のセンターに合っているのも

設計の意図通りです。

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こちら↑は、中庭南側から北棟(本館)方向を見たアングルです。

日当たりが良いこのエリアには、なるべくたくさんのスタンドベンチが並ぶようにデザインしています。

今は、枝と幹しか見えませんが、春になると、ここの樹木が新芽を吹き、美しく中庭を彩ってくれると思います。

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そして、東棟(昇降口)、「羅針盤」付近から西側正面を見たアングルです。

創立50周年記念でつくられた、プラトン・アリストテレス立像を正面に見ることができます。

この景色が、新たな奈良高校の「原風景」になってくれれば嬉しいです。

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こちら↑は、設計図面をもとに作成した、創立100周年記念の中庭プロジェクトの完成予想CGパース。

植栽はかなり盛って描いていますので、竣工後、数年(5~10年)経った感じのイメージになります。

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そして、こちら↑が、2024年1月末時点の中庭の様子です。

植栽工事(中低木、宿根草・グランドカバー)を残すのみで、ほぼCGパースに近いところまで出来上がりました。

予定通り、3月末にはこの中庭は完成します。

是非楽しみにしていただけたら幸いです。

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【 奈良高校・創立100周年記念事業について 】

今回の奈良高校・創立100周年記念の中庭プロジェクトは、50年前の創立50周年の時と同じく、

OBOG(卒業生)をはじめとした、様々な方々の寄付によって創られる事業になります。

「奈良高校 100周年記念特設サイト」も、2023年9月1日よりオープンしております。

  [ 奈良高校 100周年記念特設サイト] は、こちら ⇒ 奈良高校 創立100周年 (narahs100th.jp)

 
 創立100周年を機に、ますます発展する奈良高校へご支援いただけましたら幸いです。   

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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

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