難易度★〜★★★

とても品種が多いのが特徴。成長時期によって大きく分けると夏型、春秋型、冬型に分けられます。ぷっくりと膨らんだ葉は、水分のあるときに水を溜め込んで、水分のない時期には休眠して乾燥に耐える仕組みを持っています。日当たりの良い場所、水はけの良い環境を好みます。

夏に成長して、春と秋は成長が弱まり、冬に休眠するタイプです。夏の高音には強いですが、湿気には弱いので風通しよく育てます。金のなる木に代表されるクラッスラもこのタイプです。

春と秋に成長し、真夏は少し生育が弱まり、真冬に休眠します。人気で初心者にも育てやすいエケベリアやセダムはこのタイプです。

春と秋は生育が弱まり、冬に成長します。日本の熱く厳しい夏は、実は生育に適さないため休眠します。ただし、比較的涼しい環境下であれば夏生育します。冬、霜には弱いので、室内に取り込むなど防寒対策が必要です。

高温多湿、冬の寒さの厳しい日本では鉢植え栽培がオススメです。そして、日照不足になるとすぐにヒョロヒョロと間延び（徒長）するので、屋外で育てるのをオススメします。ただし強すぎる日差しもあまり良くありません。特に３０度を超える真夏は午後は少し木陰になるくらいの涼しさを確保してあげましょう。特に真夏に休眠する冬型は明るく風通しの良い環境で管理します。

かなり寒さに強い品種もありますが、多くが霜に当たるとダメになってしまう事が多いです。秋ギリギリまで寒さに当てて紅葉を楽しんだあと、霜が降りる季節に入る前に、明るい軒下や室内に取り込みます。暖かい地域であれば夜だけ室内に取り込む方法でもいいでしょう。ただし暖か過ぎない環境に置きます。

ヒョロヒョロに間延びしてしまったり、下葉が落ちて格好が悪くなってきたら、植え替えをしましょう。そうでなくても、１〜２年に１回は植え替えてあげましょう。時期は成長を始める直前の時期がベストです。夏型は３〜５月、春秋型は３〜５月、９〜１０月、冬型は９〜１１月に行います。必ず乾いた土で植え込みをします。

枝を切ってそれを挿すさし穂、葉から増やす葉挿し、そして子株を分けて植える株分けがあります。切った枝や葉を日陰の風通しの良いところに転がしておくと、根っこが生えてきます。それを土に植えると簡単に増やせます。（品種によって葉挿しできないものもあります）

肥料は控えめがオススメです。植える時に肥料を混ぜ込んで植える程度で、あとはあげなくても大丈夫です。ただし、土の浅い鉢など肥料分がすぐに流れる環境では、生育期に緩効性肥料をあげます。秋以降は肥料を切る事で、より綺麗な紅葉を楽しめます。

生育期には鉢が乾燥したらたっぷりが基本です。生育期以外は逆に水やりは極力少なくしてつい１回程度でも構いません。水やりは、葉の付け根などに水がたまると腐る原因になるので、葉にかからないようにしましょう。そして、梅雨時期は軒下など雨が長時間、数日間など当たり続けない環境に置きましょう。

多肉植物の魅力はなんといってバリエーション。色々な葉色や形、枝垂れるように伸びるもの、横に広がるもの、上へ伸びていくものなど成長形態も本当に色々あります。そういった色々な色や形を組み合わせる事でより魅力的な寄せ植えを作る事ができますよ。その時に、夏型、春秋型、冬型を意識して同じ仲間で作ると管理も楽です。

多肉植物は病害虫の心配はあまりありませんが、置き場が悪いと発生することもあります。まずは陽が当たり、水はけの良い土で、風通しの良い場所で育てる事が大切です。また購入するときに、株がぐらついていたり、間延びしていたり、葉が痛んでいるものは避けて丈夫で健康な株を手に入れる事が大事です。

日本にも自生する多肉植物マルバマンネングサ。セダムの一種です。この学名を見るとSedum makinoi（セダム　マキノイ）となっています。そう、日本の植物学の父と言われる、牧野富太郎氏の名前からつけられています。ロシアの植物学者マキシもヴィッチに送った標本が新種と認められ、牧野に敬意を評して名付けられました。多くの多肉植物は鉢植え栽培がオススメですが、このマルバマンネングサをはじめとするセダム類は地植えでも簡単に育てることができます。

水やりを少し忘れたぐらいで枯れこむこともないので、管理が簡単！と言われますが、気づいたら枯れてしまった、腐ってしまった、ヒョロヒョロに伸びてしまった、なんて声も同時によく聞きます。

多肉植物と一言に行っても、その種類や性質は様々。まずはそれがどの生育型に属するのかを知ると、より失敗も少なくなる事でしょう。購入したら、その名前の書いた札は無くさないよう、もしくは品種名をしっかり覚えておきましょう。そうすると、育て方や特徴などをいつでも調べる事ができます。

ここまで聞くと、どんな生育型なのかしら？いつが成長期？と混乱する人もいるかもしれません。まずは、気に入った品種を育ててみる事。育て始めて疑問が出てきたら調べてみる。そうして失敗も含めて楽しんでみると色々見えてくるかもしれませんよ。