ジャガイモの育て方
Garden&Garden監修
春一番に育て始める野菜といえば、このジャガイモ。支柱を立てたり、ネットに絡ませる必要もないので、簡単に始められ、あまり手がかからずに収穫できる野菜の1つでもあります。土の中にできる芋を収穫するため、畑で多く栽培されますが、培養土の袋、麻袋などを使ってベランダなどで育てる事もでき、畑がなくてもチャレンジできます。暖かい地方では夏から秋にかけても栽培もできます。
INDEX
ジャガイモの基本情報
ナス科ナス属
難易度★
植え付け期:2〜6、9月 収穫期5〜6月、11〜12月 肥料:3〜5月(春植え)9〜10月(夏植え)
簡単に育てられるので、菜園ビギナーにオススメの野菜です。春植えは、2〜3月に種芋を植え付け、5〜6月に収穫します。夏植えは、8〜9月に植え付け、10〜11月に収穫します。中南米から南米アンデス山脈にかけての地域が原産のナス科の植物です。
春植えと夏植え
ジャガイモは一般的には春植えですが、暖かい地方では夏植えも可能です。ただし、暑さで芋が腐りやすい事から、種芋を植える際、春植えはカットしますが、夏植えはカットせずにそのまま植えます。春植えより育てられる品種が限定されます。デジマ、ニシユタカ、アンデスなどが適した品種が出回ります。
育てる環境
日当たりの良い場所で育てます。また水持ちがよく、水はけの良い土に植えるとより多くの収穫ができます。土があまりよくない場合は、腐葉土や堆肥をすき込んだり、湿り気の多い環境ではより高い畝にして水はけをよくしてあげます。
連作障害とは
同じ場所で同じ科の野菜を育て続ける事により起こる障害です。病気になる、線虫が増えるなどの理由から、収量が減る、生育が悪くなるなどの問題が起こります。ジャガイモはナス科なので、3〜4年あけてから同じ科の野菜を育てます。
ジャガイモの植え付けのポイント
植える前の準備
畑に植える場合は、2週間ほど前に腐葉土、堆肥をすき込んでよく耕しておきます。畑のない場合は、深めの鉢と培養土を用意します。
種芋の準備
大きな種芋は、1つ30〜40gmの大きさに切り分けて植えます。切るときは輪切りではなく、縦斬りにします。切り口はよく乾かしておきます。切ってすぐに植えるときは、草木灰を購入し切り口にまぶしてから植え付けます。
芽出し作業
種芋は、植え付ける2週間ほど前に購入し、日に当て芽を出させてから植えるのがオススメです。(しなくても問題ありません)種芋を切り分けた後、陽のあたる窓辺などに並べておきます。10度を下回らなければ屋外でも構いません。その場合夜は寒いので、室内に取り込みます。しばらくすると黒っぽい芽が出てきます。芽出ししてから植えた方が発芽も揃い、その後の成長もスムーズです。
植え付け
ジャガイモを植え付ける場所は、あらかじめ30センチほどよく耕しておきます。畝を作り、中央に溝を掘ります。30cm間隔で種芋を置いていきます。種芋と種芋の間に牛糞堆肥と化成肥料をおき、ジャガイモに直接肥料が触れないよう注意しながら、土で埋め戻します。
ジャガイモの育て方のポイント
芽かき作業
芽が出て15〜20cm育ったら、1箇所によく育った2芽を選んで、それ以外を抜き取ります。残す芽の株元を抑えるようにしながら抜くと、上手に抜けます。そうすることで、より大きな芋を取れるようになります。
土寄せ作業
最初の芽かきをしたら、土寄せをします。茎部分に土を寄せ山を作るイメージです。2回目は、花の蕾がついたら行います。土寄せをするときに合わせて肥料も施します。もし雨などで土が流れたら、随時土を寄せて芋が地上に出ないよう気をつけます。
土寄せする理由
土寄せをせずにいると、芋が地上に見えてしまいます。日が当たった場所はソラニンという物質が増え、緑色に変色します。緑に変色した箇所は毒成分があるので、食べられません。しっかり大きく綺麗な芋を育てるためにも、土寄せは重要な作業です。
鉢植えの場合
深めの鉢や培養土袋で育てることも可能です。土寄せ作業が必要なので、土を少なめに入れて植え付け、2回ほどの追肥分の余地を残しておきます。培養土袋で育てる場合は、下の方に水抜き穴を開けるのを忘れずに。土を寄せる作業の代わりに土を足します。
収穫と貯蔵
葉が少し黄色っぽく枯れ、茎がたおれてきたら収穫適期です。春植えの場合は梅雨前に、夏植えの場合は霜が降りる前に芋を掘り上げます。しっかり晴れが続き、土が乾いている時に掘りましょう。収穫した芋は乾燥させてから土を手で落とします。その後、新聞紙などに包んで陽の当たらない涼しい場所(5度以上)で管理します。
ジャガイモの肥料、水やり
ジャガイモの病気・害虫・予防・対処
病気
そうか病は地温の高さ、PHがアルカリに傾きすぎ、連作、未熟堆肥の混ぜ込み、種芋以外の芋を使用したなどの理由からかかりやすい病気です。ジャガイモの適したPHは5.0〜6.0と少し酸性気味なので、石灰はまきすぎないよう注意します。もしそうか病になっても、その箇所を厚めに剥けば食べることはできます。科学的根拠はまだわかりませんが、植え付け前に米ぬかを土に混ぜるとそうか病対策になるとも言われています。
害虫
オレンジ色で点がたくさんある「ニジュウヤホシテントウ」はジャガイモを始め、多くのナス科の野菜につきます。まずは見つけたら取り除く事が大切です。葉の裏をこまめにチェックして、虫の卵や幼虫がいないかをチェックすると、大々的な被害はまぬがれます。
他にも、芋に影響を与えるセンチュウ類、ヨトウムシなどの蛾の幼虫、アブラムシなどもつくことがあります。大量に発生する前に見つけ次第捕殺しましょう。まずは種芋を使い、連作しない、未熟な堆肥を使わない事が、そういった事が、病気などの被害を未然に防ぐ方法です。
ジャガイモの由来・歴史
歴史
中南米からアンデス山脈にかけた地域で自生していた野生のジャガイモが、15世紀末にスペイン人によってヨーロッパに渡りました。当時は食物というよりは花を観賞する対象でした。その後、18世紀半ばにようやく芋として広まりました。日本へはインドネシアのジャカルタを経由して17世紀はじめにやってきました。「ジャカルタから来た芋」という言葉から「ジャガイモ」になったと言われています。
ヨーロッパでジャガイモを食用として広めたのに尽力した、農学者であり栄養学者であったフランス人、アントワーヌ=オーギュスタン・パルマンティエ。フランスの家庭料理でもあるアッシュ・パルマンティエ(牛ひき肉とジャガイモの重ね焼き)に、彼の名が残されています。
ジャガイモの育て方・Q&A
食べる用に購入した芋を植えてもいいですか?
通常の芋を植えた場合、ウイルス病を持っている可能性があるので、種芋からの栽培が推奨されています。種芋は殺菌、殺ウイルス処理をしているので安心です。ウイルスは畑を通して簡単に感染するので、貸し菜園など迷惑がかかる恐れがあリます。なるべく種芋を植えた方がいいかと思います。
いつも野菜を植えるときに石灰を混ぜますが、ジャガイモにも石灰が必要ですか?
日本は雨が多く土が酸性に傾きやすいために、石灰を混ぜて中和させるのが石灰をまく理由です。ですが、ジャガイモはアルカリ土状に傾きすぎると、病気にかかりやすいので、やりすぎは禁物です。できれば土壌のPHを確認し、5.0〜6.0であれば石灰は入りません。それより低い場合に通常よりも少なめに石灰を施します。
ジャガイモの育て方・まとめ
Garden&Garden
メルマガ会員登録ボタン
育て方コラム一覧
ガーデニング関連 おすすめ特集
吉谷桂子さんおすすめガーデンアイテム
バラのある素敵な庭
ガーデンオーナメント特集
寄せ植え特集
水やりアイテム
オーニング&サンシェード特集
雑草対策
有機肥料栽培におすすめ!バイオゴールドの土・有機肥料
家庭菜園プランター ベジトラグ
フェイク・インテリアグリーン特集
ガーデンパーティー
ハンギングバスケット特集
雨や風から植物を守る!プランツサポート
アウトドアファニチャー ビストロ
万田アミノアルファ
イギリスのガーデニング雑貨特集
宅配ボックス特集
【植物図鑑】初心者さんでも失敗しない植物の育て方・栽培方法
ガーデンファニチャーブランド
ベランダを綺麗に保つ掃除用品&お手入れ簡単なエクステリア
バーベキュー・アウトドア特集
狭い庭でもおしゃれにガーデニングを楽しもう
ガーデンデッキで簡単お庭リフォーム
はじめてのベランダガーデニング
おしゃれな庭づくりのコツ(フォーカルポイントレッスン)
シックな寄せ植え術
センスのいい寄せ植え術
おしゃれな庭づくりのコツ(ガーデンオーナメント)
ワンダフルガーデン
ムーミンで楽しむ、お庭や外装のデザイン
おしゃれな玄関ガーデニング・エクステリア
ガーデナーがやるべき秋のTO DO LIST
メルマガ会員登録ボタン