難易度★★

熱帯アメリカ原産のフルーツ、パイナップル。日本では沖縄などかなり温暖な地域で栽培されています。基本的に日当たりが良く、暖かい場所を好みます。ですが、真夏の強すぎる日差しに終日当たり続けると葉焼けを起こすので、場所によっては寒冷紗などで少しだけ遮光する必要もあります。特に果実が大きくなる頃に強すぎる日差しが終日当たりすぎないよう気を付けます。栽培は、春から秋まで屋外で栽培し、冬は暖かく日当たりの良い室内で管理をすると良いでしょう。また、風通しがよく水はけの良い土環境を好みます。気温が上がった春以降に植え付けをし、その後2年程育てると、株の先端に花をつけます。花が終わると果実となり、それが徐々に大きなパイナップルに育ちます。株のサイズが大きくなるにつれて、大きな鉢に植え替えをし、最終的には8〜10号サイズの鉢までになるとようやく果実を収穫できるようになります。完全に熟したら、果実を切り離して収穫します。

果実を食べた後に残る葉っぱの部分をクラウンと言い、それを土に挿すことで新たにパイナップルを収穫する事ができます。温暖な環境を好む植物なので、栽培スタートはできれば温度が安定していくる5〜6月頃からスターするのがオススメです。パイナップルを購入するときは、よりイキイキと元気な葉っぱを選ぶのがとても大切です。まずは、果実からクラウンを引き抜き、下の方についている葉を10枚ほど取り除きます。果実がしっかり熟していれば、クラウンを手で掴んでひねるようにすると、手で引き抜く事ができます。もしそれが難しいようだったら、包丁でカットしても構いません。取り外したクラウンは明るい日陰で切り口をしっかりと数日かけて乾かします。準備が整ったら鉢に土を入れて、用意したクラウンを挿します。鉢のサイズは4〜5号（12〜15センチ）から栽培をスタートします。葉っぱを取り除いた箇所をしっかり土に埋めます。ぐらつくようであれば支柱や紐を利用して、ぐらつかないよう固定します。その後たっぷりと水をやります。

パイナップルを栽培中、もしくは収穫後に脇芽が出てくる事があります。それを親株から切り離して土に植えると、やはりこれも2〜3年後には美味しいパイナップルの果実が収穫できます。ただし、いきなり大きな鉢に植えてしまうと、常に鉢の中が湿っていたり、鉢内の土がなかなか乾かなかったりして、根腐れの原因になったりします。サイズにあった小さな鉢から初めて、根が回ってきたら徐々に大きな鉢に植えましょう。収穫が終わった株は、その後の収穫は見込めません。新たなクラウンを手に入れるか、もしくは出てきた子株を大きく育てるようにします。

水は乾いたらたっぷり、鉢底からしっかり流れ出るのを目安にあげましょう。5〜9月の成長期は肥料が効くように適期的に液肥を施すか、その期間肥料が効くように緩効性肥料を施します。気温が15度以下になると成長を止めるので、冬は乾燥気味に育てます。5度を下回ると枯れる可能性があるので、それ以下にならない環境で管理をします。普段は水のやり過ぎに注意しますが、花が上がり実が大きくなる時期は水切れしないように注意しましょう。

病害虫には強い植物ですが、風通しの悪い場所に置くと、ハダニやカイガラムシがつく事があります。カイガラムシは見つけ次第捕殺します。ハダニも見つけ次第、拭き取るなど取り除きます。特に屋外に出していたパイナップルを冬室内に取り込んだ後、病害虫の発生に気を付けましょう。

パイナップルは水はけの良い土を好みます。また弱酸性の土を好む性質があります。同じく酸性を好むブルーベリー用に作られた培養土を利用するか、もしくは、通常の培養土もしくは観葉植物用の土に鹿沼土を2割ほど混ぜて排水を良くすると同時に、弱酸性にする方法があります。成長と共に植え替えを行います。5〜8月は植え替えのベストシーズンです。冬を超え前年より葉も徐々に大きく成長してくるので、それに合わせて鉢のサイズも大きくしていきます。植え替えする際は、根をあまり崩さずに1〜2まわり大きな鉢に植えます。最終的には8〜10号（24〜30センチ）サイズになると、株も成熟し花を咲かせて実がなります。

果実が徐々に大きく成長すると、だんだん黄色く熟れてきます。実際、パイナップルの良い香りが漂うようになれば、収穫適期です。果実はしっかりとお日様の光を浴びているほど甘く美味しい果実が収穫できますが、果実が強すぎる日差しに終日当たり続けるような環境では、実が痛み、味も落ちてしまいます。対策として、ある程度果実が大きくなってきたら寒冷紗などで少し遮光をしてあげたほうが良いです。そして、しっかりと実が熟してから収穫する事で、甘い果実を楽しむ事が出来ます。果実のついた立ち上がった茎を包丁やナイフなどでカットして収穫します。果物によっては収穫後、追熟と言ってしばらく置く事で甘みを増すものもありますが、パイナップルは追熟しない果物。しっかり熟すのを待って、収穫します。

確かに、クラウンを取り外して、下葉を取った後、水につけて発根させる方法もあります。その際、どっぷり水に漬けるのではなく、下部が少し水に浸かるかつからないかくらいで管理すると腐りにくいです。また、カビや腐り防止のために水は毎日変えるのも大切です。ある程度根が出てきたら、鉢に土を入れて育てます。果実の収穫をしたければ土に植えて大きくしましょう。できれば暖かい時期、遅くとも夏前までに栽培スタートするのがベストです。

パイナップルは身近な果物でありながら、どのように実がなるのかを知っている人は少ないかもしれません。実際、果実のなる様子を見ると、葉っぱの中心からニョキッと唐突に果実が出る姿に驚く事でしょう。

鉢植え栽培が基本なので場所も取らず、気軽に挑戦したい熱帯果樹の1つです。栽培中は観葉植物として楽しめ、実の前に咲く花もとてもキレイなので、収穫だけでなく植物としても十分楽しめます。より温暖な環境下で育てた方が株の成熟も早く、収穫も早くできるので、冬の温度管理を20度以上に保つと、収穫が早まる可能性も。簡単に始められるパイナップル栽培、葉付きパイナップルが手に入ったら、試してみる価値ありです。