難易度★
植えつけ時期４月〜6月　開花期４〜５月　肥料２〜３月　

お日様のたっぷり当たる環境と水はけがとても大切です。地被で大変強い性質を持ちますが、踏みつけには弱いので、芝の代わりに使うことはできません。夏の加湿に弱いので、蒸れないよう育てるのが綺麗なマット状に育てるコツです。

比較的簡単に育てられる植物ですが、蒸れが１番の大敵です。マット状に広がってくると、時折部分的に枯れ込んだりする事がありますが、群れが原因になっている事が多いです。その場合、枯れた部分を取り除き、砂や芝の目土など水はけの良い土を入れる事で、また通気がよくなりマット状に広がってきます。

冬になると寒さから葉が茶色っぽくなったり赤っぽく色付いたりします。これは枯れた様に見えますが、問題ありません。春には綺麗な花をいっぱい咲かせてくれます。

芝桜にとって日当たりはとても大切です。日照の少ない場所で育てると、ヒョロヒョロと間延びした姿に育ってしまいます。植え込む場所は、水はけの良い場所が基本です。パーライトや腐葉土を混ぜ込んでから植えるとより水はけが良くなります。

花が終わったら、草丈をバッサリと刈り込むのがオススメです。そうする事で、新しい新芽の成長を促しつつ、蒸れを防ぎます。

地植えのイメージが強いですが、鉢植えでも楽しむ事ができます。鉢いっぱいに溢れる様に咲いてくれるでしょう。鉢いっぱいになったら、株分けや挿し穂で簡単に増やす事が可能です。放置すると蒸れの原因になるので、必ず株分けを行います。

苗の多くは春に出回ります。花の咲く頃から新芽の出る頃までが根がしっかりと伸びる時期なので、３〜６月が植え付け適期です。植え付け直後は乾かないようしっかり水やりを行いましょう。また秋も植え付け可能です。寒くなる前に根がしっかり張れるよう、１０月までには植え付けましょう。

３月ごろから苗が出回ります。９センチのポリポットや、すでにマット状になったものが売られています。とても広がるので、ポリポットを植える場合、最低でも３０センチは間隔をとってまばらに植えた方が良いでしょう。広い敷地にたくさん植える場合は、１m２あたり１６株を目安に植えましょう。

９センチポットを植え付けると、おおよそ３年程で４０〜５０センチほどに広がります。すぐに一面の花畑という訳にも行きませんが、ちょっとずつ花の絨毯が完成していく楽しみも、なかなか良いものです。

植え付ける際に緩効性肥料を混ぜ込んでから植えるといいでしょう。その後は地植えの場合、特に肥料を気にしなくても良いくらいです。鉢植えは植え付ける際に肥料を混ぜ込んで植え、その後は毎年春先花の咲く前に緩効性肥料を施すといいでしょう。真夏の肥料は避けます。

地面に植えた場合、根付いてしまえばほとんど水やりを気にしなくても大丈夫です。ただし植えつけてから根付くまでの間（２週間ほど）は、しっかりと水をやります。鉢植えの場合も乾いたらたっぷりが基本です。

他に比べて花の大きな「ダニエルクッション」、純白の「リトルドット」はとても性質が強く育てやすい品種です。少し変わった品種を育てたい人は、ブルー系の「オーキントンブルーアイ」や白い覆輪の美しい「多摩の流れ」がオススメ。色々品種を混ぜて配色の妙を楽しんでもいいですね。

グラウンドカバーとして植えるのはもちろんの事、石積みの花壇植栽の手前から溢れる様に咲かせたり、ロックガーデンにもとても良く合います。お庭がなくても鉢植えから溢れる様に咲かせても素敵です。

一面に広がる性質があるので、雑草防止対策にもなります。ただしマット状に広がるまでの期間はしっかりと雑草をとってあげる事が、綺麗な花の絨毯を作るコツです。

蒸れに弱いので、開花後は必ず刈り込んでスッキリ風通し育てるのが、健康に育てるコツです。また株が古くなると株元が木質化してきますが、毎年切り戻し、木質化した茎が目立つようであれば、砂や目土を足してあげましょう。

また、湿気に弱いからといって真夏に乾燥しすぎると枯れこむ事もあるので、状況を見ながら真夏にひどく乾燥しているようであれば、水やりをします。その場合は涼しい時間帯に水をやるようにしましょう。

＜ナミクキセンチュウ＞
突然枯れたり、翌春に部分的に花が咲かなかったりする場所があれば、センチュウの被害の可能性が高いです。怪しい箇所は根ごと取り除き消毒する事で被害を拡大させるのを防ぎます。

芝桜と聞くと、名前のイメージからなんとなく日本原産のイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は北米原産の多年草。その後ヨーロッパにに渡った後、日本の幕末から明治にかけて渡来したと言われています。

冬、特に霜が降りると葉が茶色っぽくなったり、寒さにより赤っぽく色付いたりします。心配なさらずそのまま冬を越せばまた春になり満開の花を楽しませてくれるはずです。心配な場合は、手で草を引っ張ってみましょう。枯れている場合はスポッと抜け、生きている場合は土にしっかり根が張って抜けません。

芝桜は花を咲かせ体力の弱っている状態です。そこへ即効性の肥料を与えると養分過多で逆に枯れてしまいます。花が終わったらまずは刈り込んでさっぱりさせる事。そして花付きをよくしたいのであれば、２〜３月にゆっくりと効く緩効性肥料をあげる程度で十分です。

芝桜の魅力は何と言っても、一面にマット状に広がる鮮やかな可愛らしい小花。「花の絨毯」という言葉は、この芝桜のためにあると言っても過言ではありません。

可愛らしくて育てやすくて、雑草も防げる植物。さらに手に入れやすく苗が安価なのも嬉しいところです。品種によって花期が微妙にずれるので、色々な種類を植える事で長い間花を楽しむ事ができます。自宅で育てる楽しみはもちろんですが、広大な丘陵地に見事に広がる芝桜を見に出かけるのもまた良いですね。