初夏に庭を彩るユリ。エレガントな佇まい、優雅な立ち姿は目を引くものがあります。西洋では純粋、無垢な聖母マリアの象徴とされています。日本には多くの原種が自生し、江戸時代末期にそのいくつかが海外に渡りました。カサブランカを始めそこから多くの園芸品種が作られました。ユリはいくつかの系統に分類され、それぞれ好む環境が違います。比較的簡単に育つ上にとても豪華な花を咲かせるので、人気の秋植え球根の1つです。
ユリの育て方
Garden&Garden監修
初夏に庭を彩るユリ。エレガントな佇まい、優雅な立ち姿は目を引くものがあります。西洋では純粋、無垢な聖母マリアの象徴とされています。日本には多くの原種が自生し、江戸時代末期にそのいくつかが海外に渡りました。カサブランカを始めそこから多くの園芸品種が作られました。ユリはいくつかの系統に分類され、それぞれ好む環境が違います。比較的簡単に育つ上にとても豪華な花を咲かせるので、人気の秋植え球根の1つです。
INDEX
ユリの基本情報
ユリ科ユリ属
難易度★★
開花期:5〜7月 植え時:10〜11月 肥料:3〜4月、6〜7月
基本情報
日本では昔からユリ根が食用にも利用されるなど、とても身近な植物です。スカシユリ系が5月下旬から咲き始め、6月にはテッポウユリ、7月に入るとオリエンタル系が咲きます。
ユリの原産地
明るい半日陰から日当りの良い斜面などある程度の日照を確保できつつも斜面などの排水の良い場所に多く自生しています。また草の茂った中から飛び出して咲いている状況から、土があらわになるような地温の上がりやすい環境はあまり好みません。
庭で育てる場合
庭植えする場合は、グラス類や背の高すぎない宿根草などと組み合せて植え、日照を確保しつつ地温の上がらない、そして加湿にならないよう通風の良い環境を作ります。
鉢で育てる場合
その他の球根と違い球根の上に上根を伸ばすのが特徴です。 そのため後から一年草などを寄せ植えするとこの上根を傷める事もあるので、出来れば単独で大きめの鉢に深めに植えます。10cm級の大きな球根であれば、8号(φ24cm)程の大きな鉢に深く植えるのがコツです。培養土にココヤシファイバーを2割程度混ぜるとさらに水はけと水持ちが良くなりオススメです。土の乾燥を防ぐためにウッドチップなどでマルチングをすると良いでしょう。
ユリの系統と育てる環境
原種
日本やアジア近郊に自生するものから北アメリカまで多くは北半球の温暖地域で自生しています。これらの原種から様々な園芸品種が生み出されました。日本各地の山野に見られるオレンジ色のオニユリ、屋久島から琉球地方に自生するテッポウユリ、中国原産のリーガルリリー、台湾原産のタカサゴユリ、中国、台湾、日本の九州、四国に自生するカノコユリなどは育てやすいユリの代表格です。
原種の育てる環境
オニユリ、テッポウユリは日向を好みます。オニユリは日向を好みますが、日陰にも耐えます。逆にヤマユリ、ササユリ、ヒメサユリ、カノコユリは明るい日陰〜半日陰を好みます。育てる時は、実際自生している環境を参考にすると良いでしょう。
園芸種 アジアティック・ハイブリッド(スカシユリ系)
上向きに花が咲き、花弁の間に隙間があるのが特徴で、芳香はありません。花色のバリエーションが豊富で、白、ピンク、黄色、赤、オレンジなど様々な花色が魅力です。日当りと水はけの良い場所を好みます。比較的丈夫で育てやすいユリなので、ユリ栽培初心者にお勧めです。
園芸種 オリエンタル・ハイブリッド(オリエンタル系)
ヤマユリなど日本原産のユリを交配親に持ち、草丈が高く花も大輪で芳香があります。花色は白、ピンク、赤が主流です。 西日を避けた明るい半日陰環境を好みます。中には育成の難しい品種もありますが、有名なカサブランカは鉢植え、庭植え共この系統の中では育てやすい品種です。
ユリの植え付け・植え替えのポイント
球根の選び方
ずっしり重く綺麗なものを選びます。根っこが多く生えているものの方がより良いです。カビが生えていたり、乾燥してしなびている部分があったりするものは避けます。購入してから球根を乾燥させないよう、すぐに植えます。植える場所や鉢などを用意してから球根を購入すると良いでしょう。
植え付け方法
ユリは他の球根と違って、下に伸びる根っこと球根の上に出る上根と言われる根っこも生えます。そのためにしっかり深く掘ってから植えつけます。球根の大きさ2〜3倍の深さを目安に植え付けます。庭の場合はあらかじめしっかり耕しておき、堆肥と腐葉土を混ぜ混んでおきます。
花がら取り
花後は来年の開花のために球根に養分を蓄える大切な時期。基本は花首を切る程度にします。花を切り花として鑑賞し翌年も楽しみたい場合は、葉をなるべく残す事が重要です。最低でも丈の2分の1以上は残しましょう。また花粉が衣服につかないよう雄しべの葯(やく)を取り除けば、受粉も防げ花持ちも良くなります。
植え替え
鉢に植えていた球根は秋、地上部分が枯れたら地面や、再度鉢に植え直します。地植えは4〜5年は植えっぱなしでも問題ありません。花付きが悪くなったと感じたら、その年の秋に掘り上げて別の場所に再度植え付けます。
ユリの肥料、水やり
ユリの病気・害虫・予防・対処
病気・害虫
最も多いのが、モザイク病や葉枯病、立ち枯れ鋲などウイルスが影響する病気です。葉が茶褐色に変色したり、緑の濃淡の筋模様が出るなどの症状が出ます。
病気が発生した株を切ったハサミや土、アブラムシを感染源として感染る事もあります。まずは風通しよく、水はけの良い場所で育てる事、新しい綺麗な土で育てる事が病気にかからないようにする最善の方法です。同じ場所に連作しても病気にかかりやすくなります。
病気にかかったユリは取り除き、周りのユリに感染しないように薬剤散布を行います。またアブラムシが媒介する事も多いので、アブラムシは見つけ次第テープなどで取ったり、薬剤散布を行います。
梅雨時期は特に病気や害虫の被害が増えるので、注意して観察します。
ユリの由来・歴史
歴史に息づくユリ
神武天皇がユリの咲く川の麓で後の皇后と出会い、恋に落ちたという話が「古事記」にあり、それが日本最古のユリの記述と言われています。奈良の率川神社で行われる「三枝祭り」は、その物語を今に伝える儀式として別名ゆり祭と呼ばれます。毎年たくさんのササユリが奉納されます。
その後の歴史
古い時代にはどちらかと言えば食用や薬用として多く利用され、ヤマユリやオニユリの球根はユリ根として、祭りのご馳走として食されました。室町時代に茶の湯が流行し、茶花の1つとしてスカシユリやひめゆりが好まれました。江戸時代に入るとユリの鑑賞価値がさらに高まりスカシユリの品種改良が進みます。江戸末期にはシーボルトらによってカノコユリやスカシユリ、オニユリなどがヨーロッパに紹介され、その後の品種改良に大きく影響しました。
百合、その名の由来
球根を見ると幾重もの鱗片が重なって1つの大きな球根を形作っています。たくさんの鱗片を「百」としてそれが合わさる姿から、「百合」の文字が使われたと言われています。
ユリの育て方・Q&A
雑草のように生えてくる葉の細い白いユリがあります。球根を植えた記憶はないのですが、なんのユリでしょうか?
恐らくタカサゴユリかと思います。台湾原産の帰化植物です。葉が細いのが特徴で白花が美しい品種です。ただし、タネをたくさんつけてあっという間に繁殖し、翌年あちこちから出てくるなんて事も。ただ一定期間繁殖するとぱったりいなくなり、また別の場所で増殖しているのを見かけます。
ユリを育てていますが、急に茎が太くなって花が60輪くらい咲き驚きました。肥料が効きすぎたのでしょうか?
恐らく石化現象かと思われます。帯化とも言います。帯状に太く奇形した茎と異常なくらいにつく花が特徴です。この石化は多肉植物など他の植物などでも良く見られます。一時的な現象で感染る事はありません。原因は昆虫や細菌によって成長点を傷つけられた、遺伝子が変異を起こした、養分過多など様々な理由があるそうですが、原因の特定は難しいようです。
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