その花色や香りの良さから多くのファンを持つラベンダー。青みがかった葉色も魅力の1つです。ガーデニングの草花としての知名度はもちろん、エッシェンシャルオイル、ジュースやお酒などのドリンク類、アイスやクッキーなどのお菓子などで利用されているのを見かけることも多いのではないでしょうか。その香りは、鎮静作用や高揚作用、睡眠誘発作用など様々な効果があると言われ、石けん、入浴剤や芳香剤、化粧品などに利用され、とても馴染のあるハーブの1つになっています。
ラベンダーの育て方
Garden&Garden監修
その花色や香りの良さから多くのファンを持つラベンダー。青みがかった葉色も魅力の1つです。ガーデニングの草花としての知名度はもちろん、エッシェンシャルオイル、ジュースやお酒などのドリンク類、アイスやクッキーなどのお菓子などで利用されているのを見かけることも多いのではないでしょうか。その香りは、鎮静作用や高揚作用、睡眠誘発作用など様々な効果があると言われ、石けん、入浴剤や芳香剤、化粧品などに利用され、とても馴染のあるハーブの1つになっています。
INDEX
ラベンダーの基本情報
シソ科ラヴァンドラ属(ラベンダー属)
難易度★★(耐寒性のないレースラベンダーは★★★)
植え替え期:春もしくは秋
開花期:4〜7月(四季咲き性のものもある)
肥料:春(3〜4月)と秋(9月)
初夏を代表する常緑低木。いくつかの系統があり、開花期はその系統によって少しずつ違いますが、基本的には4〜7月の時期に花を咲かせます。品種によって剪定後の秋や冬に開花するものもあります。
ラベンダーの系統
・アングスティフォリア系
香りで優れているイングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)もこの系統の1つ。富良野など北海道などで多く育てられていることから分かるように、耐寒性(ー15度)はある反面、高温多湿には弱いのが特徴。東北や北海道地方で栽培に適した品種です。
・ラバンディン系
香りの良いコモンラベンダーと暑さに強いスパイクラベンダーの交雑種で、比較的長い花穂と、何よりも暑さに強いのが特徴。育てやすいので初心者や関東以南の暖地での栽培がオススメです。
・ストエカス系
ウサギのような可愛らしい苞葉があり、別名フレンチラベンダーなどと呼ばれる品種もこの系統です。花期が長いのが魅力。
・デンタータ系
歯の意味のあるデンタータという名からも分かる通り、葉にギザギザの切れ込みのあるのが特徴。四季咲き性なので暖地では上手くいくと冬に開花することも。
・プテロストエカス系
レースラベンダーの別名のある、四季咲き性のラベンダーです。耐寒性が弱いので、冬は霜の当たらない軒下か、室内に入れるようにします。
品種によって暑さ、寒さに強い品種があります。 気に入った品種を見つけたら、必ず植物タグを確認するか店員さんにオススメを聞きましょう。
基準地域
寒さに強く、夏の暑さには比較的弱いイングリッシュラベンダーは北海道など寒い地域での栽培がオススメです。夏の暑い関東以南の地域では、暑さに強く初心者にもオススメのラバンディン系、フレンチラベンダーに代表されるストエカス系の品種がオススメです。 見た目が繊細で人気のレースラベンダー(プテロストエカス系)は、特に寒い地方では冬の管理が難しいので、上級者向きかもしれません。
ラベンダーの植え方のポイント
基本的に暖かく日当たりの良い場所が大好きです。開花中、室内栽培品種は最低気温が10度以上の環境に置き、屋外栽培品種は、夜間凍らないような場所で管理します。
花がらや黄色くなった葉はこまめに取り除く事がとても大切です。日頃の小さな管理をするだけで、美しい状態で長く楽しむ事ができます。
室内栽培品種の場合
陽のあたる暖かい窓辺がオススメです。ですが、夜の室温が10度以下にならないよう、夜間だけ温度の下がる窓辺から避難させ室内中央に置いたり、夜間覆いをかけるなど工夫します。日中も20度程度の環境に置くことで花持ちが良くなります。常に25度を越える暖かすぎる環境は、茎が徒長し花の寿命を短くするので注意します。
屋外栽培品種の場合
日中よく陽のあたる場所に植える、もしくは鉢植えを設置しましょう。真冬は他の植物同様、乾燥したら水をあげるようにします。開花する冬に暖かい日が当たり、夏の強い直射日光を遮る落葉樹の足元など、そういった環境に植え込むのがオススメです。
植え替えについて
植え付け期
初春から初夏にかけて出回ります。 購入したらすぐに植え替えするのがおすすめです。
植え付けは基本的には3〜4月の春がベストです。ですが、秋の早いうちであれば植え付けや植え替えが可能です。関東以南などの暑い地域で育てる場合、暑さが落ち着いた初秋に植え付け、しっかりと根を張らせてから春を迎えるとより良いでしょう。
ラベンダーの植え替え(鉢植えの場合)
一回り大きな鉢を用意し、鉢底石を底に敷き詰めます。ラベンダーは水はけが良い土を好むので、 培養土やハーブの土をそのまま利用してもいいですが、培養土に赤玉土を3割程度、パーライトもしくはバーミキュライトを1割程度混ぜて、苦土石灰もしくは有機石灰を少量混ぜ込んで水はけ良くした土に植えこむと、より良いでしょう。この時緩効性肥料も混ぜ込んでおきます。ラベンダーの株はポットを外して、鉢の下の根を少しだけほぐしてから、植え込みます。
ラベンダーの植え替え(庭植えの場合)
1〜2回り大きな穴を掘り、堆肥と腐葉土合わせて2割程度、パーライトもしくはバーミキュライトを1割程度、苦土石灰もしくは有機石灰少量を掘り上げた土に混ぜ、植え付けます。もともと水はけの悪い土に植える場合は、少し小山のように盛り上げたところに植え付ける、または斜面に植えるなど工夫します。
日当たりについて
ラベンダーはよく日の当たる場所が大好き。逆に湿気や、蒸し暑さを嫌います。植えるときには日当たりよく風通しの良い場所、そして水はけの良い土に植え込むのも大切です。
・地植えの場合
日当たりの良い環境に植えます。1株でかなり大きく成長するので、株の間は50〜60センチほど開けて植え付けます。日光の当たる軒下などでも上手く育ちます。ただし、寒冷地の場合寒さに弱いデンタータ系は冬に防寒対策できるように鉢植えで育てるのがオススメです。レースラベンダーなどのプテロストエカス系の品種は、関東以南でも鉢植えで育てるのがオススメです。
・鉢植えの場合
日当たりの良い場所に置きますが、西日がガンガン照りつけるような環境の場合は、その時間帯だけ木陰になるような環境に移動するか、寒冷紗を張るなどの工夫が必要です。また、照り返しを避けるためにフラワースタンドなどで地上から離すのも、暑さ対策になりオススメです。
ラベンダーの肥料・水やり
編集部からのおすすめ
ラベンダーの手入れ
初夏に見頃を迎えるラベンダー。北海道の富良野など、日本では夏が涼しい地域で多く育てられています。というのも湿気と夏の暑さが大の苦手。完全に咲ききってから刈り込むのではなく、花が咲ききらないうちにバッサリ丈の半分ほどに剪定(収穫)しましょう。収穫した花の香りを生かすためにも早めがベストです。この作業は、株を疲れさせず、夏のムレ対策にもなり、その後の成長に大きく影響します。また品種によっては切り戻す事により、二番花が楽しめます。
剪定について
花を刈り取った後、また花穂が伸びて、秋頃また花を咲かせることもあります。秋以降、初冬に来年また美しく咲かせるための準備として再度剪定をします。
・秋以降の剪定
秋から初冬にかけて再度バッサリと刈り込みます。こんなに切っても良いのと心配になるかもしれませんが、現状の大きさの1/2から1/3ほどに小さく刈り込みます。真冬(1〜2月)に強く切り戻すと枯れこむことがあるので、秋に剪定をしなかった場合は、少し暖かくなった2月後半〜3月ごろにバッサリ刈り込みます。
冬越しについて
地域や育てる品種によって違います。北海道や東北などの積雪のある地域、土が凍るような地域、関東以南の比較的暖かい地域別に紹介します。
・積雪のある地域
冬に雪が積もるような地域は、積雪前に枝が折れないように、他の樹木同様株を縄で縛っておきます。また鉢植えの場合は土が凍らないよう、そのまま地面に植えると良いでしょう。
・土が凍る地域
冬に積雪が少なく土が凍るような地域では、地面に藁やウッドチップ、腐葉土などのマルチングを施して根が凍るのを防ぎます。 霜で根が持ち上がってしまった場合は、すぐに踏むなどして埋め戻します。鉢植えの土はより凍りやすいので、室内に取り込むか、地面に植えて凍るのを防ぎましょう。
・関東以南の暖かい地域
基本的にはそのままで大丈夫ですが、レースラベンダーなど寒さに弱い品種は鉢で育てて霜に当たらないように室内や軒下で管理します。鉢植えは凍らないよう、鉢ごと土に埋めるか室内にもしくは軒下に取り込みます。
ラベンダーの病気予防
ラベンダーは何よりも湿気と蒸れが大の苦手。風通し良く日当たりの良い環境で育てる事と、住む地域にあった品種選びが大切です。
害虫の予防対策
害虫がつきやすい植物ではありませんが、アブラムシやハダニがつくことがあります。特に軒下で育てている場合は雨露が当たらないので、ハダニがついて葉が黄色くなったり、小さな蜘蛛の巣のようなものが絡まっているように見えることがあります。時々シャワー状の葉水を与えて予防するのも1つの方法です。少量だけついた場合はそこだけ取り除き、もし大量についてしまったら、それ専用の殺虫剤で退治します。
病気の予防対策
蒸れると葉が灰褐色になりしおれて、最後には落ちてしまいます。蒸れないように初夏に花後の切り戻し、秋もしくは春先の切り戻し作業を行います。また枝が混んできたら間引いて風通しを良くする工夫をしてあげましょう。
ラベンダーの由来・歴史・品種
ラベンダーの由来
ツタンカーメンのお墓発見時に、ラベンダーの痕跡があったという話からも分かるように、太古の昔から存在、利用されていたようです。また、クレオパトラがこのラベンダーを使ってローマの将軍ジュリアスシーザーや愛人マークアンソニーを誘惑したという逸話も残っています。
ラベンダーの歴史
ヨーロッパでは、ベッドやリネンに香りをつけるだけでなく、家のドアの上に吊るしたり、教会の床にまくことで、悪魔を祓う習慣もありました。16世紀には手袋職人がこのラベンダーを手袋に香りづけすることでコレラがうつるのを防いだなどとも言われています。日本に渡ったのは1937年。初めは化粧品の原料として輸入したのが始まりとされています。
ラベンダーの楽しみ方
地中海沿岸を原産とするハーブの1つで、そこから取れる精油は、リラックスや鎮静効果があり、不眠症や頭痛、腰痛や心血管疾患や消化不良にも良いとされています。
リラクゼーションの方法としてエッシェンシャルオイルが多く使われますが、ドライハーブをお茶やお肉のローストに、ラベンダーシロップをカクテルやスムージーに利用できます。また、ドライフラワーやポプリ、リボンを織り込んだラベンダースティックなどは、ハーブ愛好家には定番の楽しみ方になっています。あまり長持ちはしませんが切り花にしてフラワーアレンジも可能です。
ラベンダーの品種について
系統ごとに代表的な品種を紹介します。
・アングスティフォリア系
別名イングリッシュラベンダー。ラベンダーといって思い浮かべる花はこの系統の品種が多いのではないでしょうか。代表的な品種は”ヒドコート”や”オカムラサキ”。花がまとまってコンパクトについているので、ラベンダースティック作りにも向いています。
・ラバンディン系
非常に強建で育てやすく、大きく育ちます。代表的な品種の”グロッソ”が有名です。”スーパーセルリアンブルー”は日本の気候でも育てやすく、病気にも強く改良された品種です。
・ストエカス系
別名フレンチラベンダー。他のラベンダーに比べると少し香りが弱いのですが、成長も早くその可愛らしい見た目が魅力です。赤紫の苞葉が美しい”アボンビュー”、苞葉が白いアクセントになっている”わたぼうし”も代表品種です。
・デンタータ系
別名フリンジドラベンダーとも言われ、そのギザギザの葉が特徴。香りはやや弱いのですが、四季咲き性で、その代表格は”デンタータ”。白花の”デンタータアルバ”も見応えがあります。
・プテロストエカス系
別名レースラベンダーと言われ、そのレースのような深い切れ込みのある葉が特徴。四季咲き性で代表的な品種に“ピナータ”があります。
花は品種によって色や姿、そして香りも少しずつ違います。使用目的合わせて選んでも楽しいですね。
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