ナデシコの育て方
Garden&Garden監修
奥ゆかしく、うちに秘めた強さを持つ日本女性の美しさを花に例えた「大和撫子」という言葉があるように、ナデシコは大変馴染みのある花の1つ。秋の七草の1つで日本各地に自生するカワラナデシコ、ヨーロッパ原産のタツタナデシコ、北米原産のヒゲナデシコ、中国原産のセキチクなど、カーネーションを除いたダイアンサス属を総称したものを言います。四季咲き性のものが多く、切り戻すことで繰り返し花を楽しむことが出来ます。
INDEX
ナデシコの基本情報
ナデシコ 科ダイアンサス属


難易度★★
開花期:4〜8月(四季咲き品種は11月まで)植え替え期3〜5月、9〜10月 肥料:3〜5月、9〜10月
ナデシコは品種も多く、また多くの園芸品種が作られている人気の多年草です。鉢植えから庭、切り花としても楽しめます。日当たりが良く、水はけの良い環境を好みます。品種によって一季咲きや四季咲きがあります。品種改良された多くの品種は四季咲きになっています。品種によって1年草や2年草、多年草の扱いになります。
四季咲きナデシコの代表品種
ナデシコと呼ばれるダイアンサス属は、多くの品種があり、さらに品種改良によって多くの園芸品種もあります。ビジョナデシコやセキチクを親にもつ交配種である「テルスター」や、四季咲き性のセキチクの「トコナツ 」などの矮性の四季咲き品種が、多く一般に出回ります。
基本情報
一般には小さな苗ポットで出回ります。また種からも簡単に育てる事が出来ます。春から初夏にかけて、たくさんの花を次々に咲かせます。四季咲き性の品種は夏前に切り詰める事で、秋にも花を楽しめます。何年か育て古株になると弱って枯れる事も多くなるので、種をまいたり挿し芽をして増やします。
ナデシコの管理のポイント


蒸れに注意
ナデシコは加湿に弱いので、水はけ良く、また蒸れずに管理する事が長く楽しむコツです。鉢植えの場合は培養土に少しの砂、もしくはパーライトなどを混ぜて排水性を良くした方がより適した環境となります。そして大きく茂る事を見越して、近くに寄せて植えすぎないのも重要です。
増やし方
3〜4月の春、もしくは9〜10月の秋に種を撒きます。東北以北の寒い地域は、春蒔きをオススメします。自分で育てたナデシコから取った種は、必ずしも同じ花を咲かせるとは限らないので(F1品種の場合)、購入した種を蒔くと確実です。挿し芽をする場合は春は5月、秋は9月に行います。
挿し芽の方法
新しい綺麗な芽を3節ほどの長さに切って、ポットに入れた育苗用土もしくは赤玉土にさします。しばらくして新芽が育ち始めたら、培養土を入れた鉢に移し、肥料をあげ大きく育てます。とても簡単に挿し芽が作れるので、植えている鉢の横に挿しても、うまく発根して育ったりもします。
ナデシコの植え替え・切り戻しのポイント
ナデシコの肥料、水やり
ナデシコの楽しみ方のポイント


花壇の華やかな縁取りに
多く出回るテルスター系、花がボール状にまとまって咲くビジョナデシコは花壇の手前にいくつかまとめて植えると華やかです。
トコナツは蒸れに弱いので、地植えよりは鉢植え管理がオススメです。また、タツタナデシコ、ヒメナデシコはロックガーデンのような石垣や斜面など乾燥し水はけの良い場所で育てます。
草丈を生かして
日本原産のカワラナデシコは花の切れ込みが深く、背丈もすらっと高い印象です。幾つかの株をまとめて植えて華やかさを演出するというよりは、和風のお庭に少し点在させるような植え方が合います。
ヒゲナデシコとカワラナデシコの種間雑種のフォトンシリーズは草丈が高く四季咲き性で丈夫なのが特徴です。これは花壇の中段にまとめて植えると華やかです。切り花にも向きます。
ナデシコの病気・害虫・予防・対処
病気
灰色かび病、うどん粉病、立枯病など、カビやウイルスを原因とする病気にかかりやすいので、風通しの良く、密集させすぎず、水はけの良い環境においてあげることが大切です。葉や茎、花に白や茶褐色の斑点模様が出る、下葉から黄色く枯れてくるなどの症状が出ます。症状が出始めの時はまずは幹部を取り除き、広がるようだったら、薬剤散布や、その他の株にうつらないよう根ごと処分という方法を取ります。
害虫
葉裏を中心に蕾などにもつくハダニ。葉がかすれたような色になります。温度が高く乾燥が続くとかかりやすいので、風通しの良い環境で管理します。殺ダニ剤などの薬剤で対処する方法もあります。
アブラムシやヨトウムシがつくこともあります。見つけ次第取り除くか、薬剤散布するなどして対応します。アブラムシやハダニを放っておくと、株が弱り、それらの虫たちがウイルスを媒介して病気にかかり枯れてしまうので、早期発見、早期対処がとても大切です。
ナデシコの由来・歴史
ナデシコ、日本の歴史
日本各地に自生するカワラナデシコは、古くは万葉集の中の歌にも詠まれました。平安時代に入り中国からセキチクが導入されると、一季咲きだったカワラナデシコに対して、四季咲きのセキチクは秋にも咲くことから「常夏(とこなつ)」と呼ばれ、紫式部の書いた源氏物語にも登場しています。
セキチクが中国、つまり唐から入ってきた「カラナデシコ」に対して、自生のナデシコを「ヤマトナデシコ」という言葉で呼ぶようになったと言われています。
平安時代中期、清少納言が書いた「枕草子」には、『草の花は撫子(なでしこ)、唐(から)のはさらなり、大和のも、いとめでたし。』と記されており、『草の花は撫子(なでしこ)、唐のものは言うまでもないが、大和(日本)のものもとても立派である。』とした文章が残っています。
ナデシコの育て方・まとめ
江戸時代、日本の園芸ブームの中で珍重された1つの植物に「伊勢ナデシコ」があります。カワラナデシコとセキチクが交雑し、さらにその中から選抜を繰り返して作られた品種です。花弁の先が細く裂け長く垂れる様子を幽玄と表現する人もいます。今も山野草専門店などで購入する事ができます。


ナデシコと一言で言い尽くせない程、実は品種ごとに花の姿や草丈、一季咲き、四季咲きなど違いがある植物。お気に入りの品種を見つけて、まずは育ててみるのをオススメします。そして花を愛でるだけも十分楽しめますが、自分で種から育てると、花びらをサラダやゼリーの飾りつけなどエディブルフラワーとしても楽しむ事ができるのも嬉しいところ。ただし、購入した花苗は食品用として栽培されておらず農薬の心配があるので、食用にはしないようにして下さいね。
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