数あるランの中では比較的寒さに強く、育てやすい品種として昔から親しまれているシンビジューム。香りも良く贈り物としても定番です。洋ランの中でも特に花持ちがよく、切り花でも流通しています。花が10cm以上で丈が1mにもなる大型品種から、中型、テーブルシンビと呼ばれる花が5〜6cm程度の小型のものまで色々なサイズが出回ります。直立タイプや枝垂れるカスケードタイプまでありバラエティー豊かなのも魅力です。
シンビジウムの育て方
Garden&Garden監修
数あるランの中では比較的寒さに強く、育てやすい品種として昔から親しまれているシンビジューム。香りも良く贈り物としても定番です。洋ランの中でも特に花持ちがよく、切り花でも流通しています。花が10cm以上で丈が1mにもなる大型品種から、中型、テーブルシンビと呼ばれる花が5〜6cm程度の小型のものまで色々なサイズが出回ります。直立タイプや枝垂れるカスケードタイプまでありバラエティー豊かなのも魅力です。
INDEX
シンビジウムの基本情報
ラン科シュンラン属
難易度★★
植え替え4月〜5月
肥料4月〜9月
開花期12月〜4月
東南アジアや熱帯アジア、オーストラリアまで広い地域に原産地を持つ洋ランの1つ。日当たりの良い場所を好みますが、直射は苦手です。初夏から7月頃まで新芽を出し成長し、夏は一旦休みますが、秋になると株元にあるバルブが成長します。秋以降冬は室内に取り込み、12〜4月に花を咲かせます。
日当たりを好みます
基本的に日当たりの良い場所を好みますが、直射日光の当たるような場所は葉焼けします。寒冷紗(遮光率の低いもの)を張って、直射日光が当たらない明るい環境を作るなどの工夫が必要です。ただし日陰に移動して日光不足にならないようにします。最低でも4〜5時間の日当たりは確保しましょう。冬は暖かく日当たりの良い窓辺のような環境が良いでしょう。
暑さには少し弱いです
多くの原種が標高の高い山岳地帯で、気温の高低差のある環境に自生していた品種です。そのため比較的低温には強いのですが、日本の蒸し暑い夏が少し苦手です。夏バテを起こすと花芽の数にも影響します。夏をいかに涼しく過ごすかが鍵になります。
シンビジウム管理のポイント
春〜夏の管理
5月になり暖かくなったら屋外で管理します。遮光率の低い寒冷紗をかけて、お日様をたっぷり浴びつつ、直射日光を当てないよう気をつけます。風通しの良い環境でたくさんのシンビジウムを育てる場合は、鉢同士が窮屈にならないように余裕を持って置きましょう。
秋〜冬の管理
冬は暖かな日の当たる窓辺がベストです。ただし、ここも強すぎる直射日光が葉焼けの原因になるので、日差しの強い時にはレースのカーテン越しになるよう調節します。寒さには強いですが、5度は下回らないよう注意します。逆に室内の気温が25度を超えて暖かすぎると花持ちが悪くなるので注意します。
屋外に出す、室内に取り込む時期(東北以北も)
通常八重桜が咲いたらを目安に屋外に出します。関東やそれ以南であれば4月後半から5月が適期です。東北や北海道では、しっかりと寒さの落ち着いた6月以降に屋外に出すのをオススメします。そして室内に取り込む時期は、関東やそれ以南は11月頃、紅葉が始まるのを目安に行います。東北や北海道は9月後半から10下旬、7〜8度の最低気温を下回るようになったら取り込み時です。
シンビジウムの植え替え切り戻しポイント
春の芽かき
花後新芽がたくさん出てきます。大型品種であれば3つ、中型や小型であれば2つ良い芽を残してあとは取り除きます。芽を摘んで倒すようにするとうまくぽきっと取れます。せっかく出た新芽を取ってしまうのは気が引けますが、そのままにしておくとい葉ばかり茂り花があまりつかないなんて事にも。ここは心を鬼にして作業しましょう。
秋の芽かき
秋になると、バルブから花芽が上がってきます。それと一緒に新芽も上がってきます。この葉になる新芽は全て取ってしまいましょう。花芽の方がふっくらして、葉芽はすっとしています。もし自信がなければ少し成長を見て確実になってからでもOK。
植え替え
根がいっぱいになると溢れてくるので、だいたい2年に1回は植え替えをしてあげましょう。植えこむ材は、シンビジウムや洋蘭専用のバークを使います。鉢を外したら、あまり崩さず腐ってぶかぶかになった根や汚い葉を取ります。現状より1回り大きな蘭用の鉢を選んで植え付けます。大きすぎる鉢に植えると、翌年葉ばかり茂る原因になるのでやめましょう。肥料や水やりは1週間〜10日置いてからあげましょう。また直後じゃ木陰で管理して徐々に日にならします。
株分け
バルブを見て、古いけどしっかりしているバルブ、そして花を咲かせていたバルブ、新しい葉の3バルブを1セットとして株分けするのが理想です。よくわからなかったら、3バルブを1セットとしてそれより少なくならないようにします。根っこのカットは包丁を使うとやりやすいです。鉢は大きくしすぎないよう注意します(植え替え参照)。植え付け後は、根を大幅にカットしているので、植え替えの時より長く、2週間程明けてから水やりや肥料を再開します。
支柱立て
花が上がってきたら支柱を立てて花を固定してあげましょう。目立ちにくい緑色のものがいいでしょう。
シンビジウムの肥料・水やり
肥料について
固形の置き肥と液体肥料を両方使うと効果的です。5月〜7月の期間、油かす系の置き型の固形肥料を施します。化成肥料を使う場合は効く期間を確認して肥料が8月には切れるよう調節します。8月以降9月までは液肥を週1回あげて、それ以降は肥料はあげません。10月以降、花の後にも液肥をあげないようにします。
水やりについて
夏は特に乾きやすいので、鉢の表面が乾いたらたっぷり鉢底から流れるくらい水をあげます。置き場所にもよりますが、毎日水やりを心がけましょう。冬は1週間〜10日に1回を目安に、暖かい午前中にあげます。基本的には表面が乾いたらたっぷり、暖房の効いている暖かい部屋は乾きやすいので注意します。
葉水で夏バテ防止
気温が30度を超えると、シンビジウムにとっては少し辛い状況です。特に都心など夜に気温の下がらない環境ではなおさらです。特に暑い日は夕方日が落ちてから葉にジョーロの優しいお水をたっぷりかけて温度を下げてあげましょう。
編集部からのおすすめ
シンビジウムの楽しみ方のポイント
病気・害虫・予防・対処
病気・害虫対策は良い株選びから
花の上がった鉢をいただいたり、また花の咲いた鉢を気に入って購入する事が多いと思います。まずは健康な株を手に入れることが大切です。バルブがしっかり太いもの、そして1つのバルブから葉がたくさん出ているもの、葉っぱが綺麗でツヤのあるもの、蕾ばかりでなく花が咲いているものがその後長く楽しめます。
カイガラムシ
葉の付け根あたりや全般に白や茶色のつぶつぶがついていたらカイガラムシの可能性が高いです。これは全てこそぎ取りましょう。歯ブラシを使うとやりやすいです。その後防除も兼ねて薬剤散布しておきます。
ハダニ
葉裏が白っぽくなって、よく見ると茶色の小さな虫が見えるとハダニの可能性が。見つけ次第濡れ雑巾などでしっかり拭き取って取り除きましょう。その後ダニにきく薬剤をかけてあげます。
アブラムシ
蕾や花に付く時があります。これは見つけ次第取り除きます。薬剤散布や防除として秋頃に錠剤を鉢極に置くタイプもあります。
シンビジウムの由来・歴史
シンビジウムの育て方・Q&A
せっかくついた蕾が落ちてしまいました。なぜでしょうか?
いくつか原因が考えられます。まずはお部屋の温度が高すぎたという事。部屋の温度は日中20度前後、夜間12度前後がベストです。それ以上高い状況が続くと花が落ちることがあります。そして水が足りなりなかった事。冬もお部屋の温度によって乾燥しやすかったりします。鉢の表面が乾いたらたっぷりを心がけましょう。
我が家は西日しか当たりません。シンビジウムは育てるのが難しいですか?
遮光ネットをうまく利用しましょう。西日でも一日4〜5時間お日様に当てることができればいいでしょう。ただし、もし北海道や東北の寒い地方にお住いの場合、屋外の日光に当てる時期が、通常より少なくなるので、5〜6時間は欲しいです。
シンビジウムの育て方・まとめ
大型品種や花が溢れて枝垂れるように咲くカスケードタイプのように、ゴージャスでエレガントな印象のシンビジウム、可愛らしさと清楚さを兼ね備えたコンパクトに楽しめるテーブルシンビ、そして東洋ランとの掛け合わせで生まれ楚々とした野草の趣を持ち合わせた和蘭シリーズなど、好みによって色々選べるのもシンビジウムの楽しさの1つ。
育てる上で気をつけるのは、直射日光に当てない、葉芽の数を制限する。そして肥料は春から初秋まで。これを念頭にまずは好きな品種を育ててみましょう。美しい花を咲かせたら、きっとよし次も咲かせるぞ!というモチベーションにつながる事でしょう。
お日様大好きな植物ですが、花が完全に咲いたら日の当たらない場所への移動も可能です。お客様の来るのに合わせて数日玄関や床の間などに飾ったりしてもいいですね!
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