鮮やかな花色のシクラメンがガーデンセンターや花屋に並び始めると、今年も冬がやってきたなと感じます。豪華な雰囲気の大鉢シクラメンから、屋外の寄せ植えや地植えでも楽しめる小さなガーデンシクラメンを含め、様々な品種が出回ります。品種改良も進められ、毎年のように新しい品種が紹介され、新たな花色や花型に出会えるのも、シクラメン栽培の楽しいところ。冬の定番花シクラメンを長く楽しむコツを紹介します。
シクラメンの育て方
Garden&Garden監修
鮮やかな花色のシクラメンがガーデンセンターや花屋に並び始めると、今年も冬がやってきたなと感じます。豪華な雰囲気の大鉢シクラメンから、屋外の寄せ植えや地植えでも楽しめる小さなガーデンシクラメンを含め、様々な品種が出回ります。品種改良も進められ、毎年のように新しい品種が紹介され、新たな花色や花型に出会えるのも、シクラメン栽培の楽しいところ。冬の定番花シクラメンを長く楽しむコツを紹介します。
INDEX
シクラメンの基本情報
サクラソウ科シクラメン属
難易度★★★(園芸品種)
開花期:10〜3月 植え替え期9〜10月 肥料:9〜5月
冬を代表する植物シクラメン。年末の贈答用としても、大変人気のある球根植物の一つです。豪華な印象の室内園芸用、ガーデンシクラメンと呼ばれる耐寒性のある品種(関東以南)、それから原種があります。
冬に多く出回る園芸品種のシクラメンやガーデンシクラメンは、10月後半から3月頃まで花を楽しみます。その後徐々に水やりを控えます。夏は最小限の水やり、もしくは完全に水を絶って夏越しさせます。秋に植え替え、水やりと肥料を再開し、再度冬から春までの開花を楽しみます。
室内用シクラメン
豪華さが魅力の大鉢からミニシクラメンと呼ばれる小型の品種まで、バリエーションも豊富。花色や咲き方もたくさんあり、毎年のように新たな品種が作られています。
ガーデンシクラメン
耐寒性があるので、地植えや寄せ植えに使うことができます。(関東以南のみ)ただし植え付けは晩秋に行い、少しでも寒さに慣らしてから冬を迎えるのがベストです。
原種シクラメン
原種は品種改良されていない野生種をいいます。花や葉が小ぶりで、花後実をつけると茎がクルクルとサイクル状に巻く姿が、この花の名の由来とも言われています。品種によって咲く時期が違い、春咲き、秋咲き、冬咲きがあります。葉の雰囲気にも個性があり、コレクターも多くいます。鉢や地植えで育てます。
シクラメンの管理のポイント
基本的に暖かく日当たりの良い場所が大好きです。開花中、室内栽培品種は最低気温が10度以上の環境に置き、屋外栽培品種は、夜間凍らないような場所で管理します。
花がらや黄色くなった葉はこまめに取り除く事がとても大切です。日頃の小さな管理をするだけで、美しい状態で長く楽しむ事ができます。
室内栽培品種の場合
陽のあたる暖かい窓辺がオススメです。ですが、夜の室温が10度以下にならないよう、夜間だけ温度の下がる窓辺から避難させ室内中央に置いたり、夜間覆いをかけるなど工夫します。日中も20度程度の環境に置くことで花持ちが良くなります。常に25度を越える暖かすぎる環境は、茎が徒長し花の寿命を短くするので注意します。
屋外栽培品種の場合
日中よく陽のあたる場所に植える、もしくは鉢植えを設置しましょう。真冬は他の植物同様、乾燥したら水をあげるようにします。開花する冬に暖かい日が当たり、夏の強い直射日光を遮る落葉樹の足元など、そういった環境に植え込むのがオススメです。
植え替えについて
植え替えについて
シクラメンの植え替え 夏を越した鉢を一回り大きな鉢に植え替えます。少し涼しくなった9月後半から10月頃がベストシーズンです。
鉢植えの植え替え方法
一回り大きな鉢を用意し、鉢底石を底に敷き詰めます。シクラメンは水はけの良い環境を好むので、培養土に1割程度赤玉土を混ぜ込み、根腐れ防止用に軽酸白土を少々混ぜ込んだ土を使います。抜き取ったシクラメンは、葉が残っている場合は少しだけ、完全に乾いて葉がないようなら少し大胆に古い土を崩して、新たな土に植え込みます。 必ず球根の肩が隠れないよう浅植えにします。
原種球根の植え付け
夏の終わり頃に春咲きの原種シクラメンの球根が出回ります。原種の球根は園芸品種と少しだけ植え方が違います。原種の球根は園芸品種のように肩を出して植えません。少しだけ球根の上部に土がかかる程度の深さに植え付けます。球根の上の方からも根が出るためで、土をかける事で根の乾燥を防ぎます。
シクラメンの肥料、水やり
肥料について
開花中の肥料はとても重要です。特に室内で管理する場合は、肥料をやることで、より葉や花が増え長く楽しむことができます。
室内シクラメンの場合
鉢穴のある普通鉢と、底に水がたまるよう作られた底面灌水鉢で流通しています。普通鉢は鉢上から、底面潅水鉢は鉢下部の穴から給水します。開花期は10日に1回程度液肥をやる事で、3月ごろまで長く花を楽しむ事ができます。
ガーデンシクラメンの場合
年末年始は温度も低く、室内ほどは成長しないので、植えこむ時に施した緩効性肥料のみで問題ありません。追肥は2月ごろに与え、暖かくなり活動し始める頃効くようにします。
ガーデンシクラメン(東北)の場合
関東以北にお住いの方は、耐寒性のあるガーデンシクラメンでも凍結してしまうので、室内で育てます。肥料は室内用シクラメンと同様に行います。
水やりについて
水やりをする時は、球根や葉、花に水がかかると腐る原因になるので、必ず地際からあげるよう気をつけます。
シクラメン楽しみ方のポイント
購入したシクラメンは、飾り方を工夫するだけで、とてもお洒落になります。お部屋に合わせた季節感あるコーディネートを楽しみましょう。
大鉢シクラメンの場合
翌年秋の植え替えまでは植え替える必要はありません。ただ、プラスチックのままだと味気ないので、お部屋にマッチした鉢カバーに入れて飾るとお洒落になりオススメです。
ガーデンシクラメンの場合(屋外編)
寄せ植えやリース状のコンテナに植えても素敵です。花色の合わせ方によって、和にも洋にも演出できるので、クリスマスや正月など季節感ある寄せ植えにぴったりです。 地植えの場合は、開花中の冬にたっぷり日が降り注ぎ、夏の直射日光をほどよく遮ってくれる、落葉する灌木や樹木の足元がオススメです。一面に植えてもいいし、野草のような雰囲気で数株をランダムに植えても趣があります。
シクラメンの病気・害虫予防
シクラメンを長く育てる上で、一番難しいのが夏の管理です。暑い環境が苦手なシクラメンは、夏をどのように越せるかが最大のポイントです。水やりの回数を減らし、少しの葉で夏を越す方法を「ウェット法」と言い、完全に水を切って乾燥させ夏を越す方法を「ドライ法」と言います。
花後の管理
3月ごろ花が終わったら、葉のみになります。徐々に水やりと肥料の回数を減らしていきます。葉が完全になくなれば、水やりを止め、少し残っているようだったら、時折水をやる程度の管理をします。できれば屋外の直射日光が当たららず木漏れ日程度の環境がベストです。ベランダに出す場合は、強い西日が直接当たらないよう、午後が日陰になるような場所を選び真夏はよしずや寒冷紗を使って日除けします。
休眠のチェック
葉がなくなってくると、生きているか心配になる方もいるかもしれません。その時は必ず球根を触ってチェックします。固ければ問題ありません。逆に柔らかいようだと腐ってしまっているので、今後の生育は諦めます。
病気について
梅雨に入り、徐々に気温が高くなると、シクラメンは病気にかかりやすくなります。まずは健全な株でいるために風通しの良い場所に置く事が大切です。
予防対策
高温多湿が一番の大敵です。水のやりすぎや肥料のやりすぎに注意し、徐々に水と肥料を切ります。もし葉の根元にカビのようなものが生えたり、ダニが発生した場合は、それらに対応した消毒剤をかけます。ですが、まずは風通しを確保し、そして水、肥料のやりすぎに注意し、未然に病気や害虫を防ぐ事が大切です。
花がら取りについて
必ず手で行います。花の茎をねじるようにして根元から抜き取ります。葉も同じように行います。ハサミで切るとそこからバイ菌が入り、腐る原因になるので、必ず手で根元から抜き取りましょう。
シクラメンの由来・歴史・品種
シクラメンと言えば、昭和の名曲「シクラメンのかほり」を思い起こす方いらっしゃるかもしれません。 この「かほり」という言葉、単純に香りではないという説もあります。ただ明らかなのは、この花の多くには香りがないと言う事。(原種の一部には香りのある品種もあります)そのせいか、この言葉は女性の名からきていると推測する方もいるようですが、真意は作詞家のみぞ知ると言った所でしょうか?何はともあれ、この花の名をメジャーにしたのはいうまでもありません。
シクラメンの歴史
元は18世紀に原種の「シクラメン ペルシカム」がイギリスに導入されたのを始めに、1870年代ヨーロッパで多く品種改良が進んだと言われています。1900年初頭に発表された品種が、その後のシクラメンの基礎を築きました。そのあとはヨーロッパ各地で次々に栽培され広まり、日本に入ってきたのは明治の頃でした。
シクラメンの由来
シクラメンの自生地、地中海沿岸では豚(猪)がこの球根を食べることから「Sowbread(豚のパン)」と呼ばれていたそうです。それを日本人にも分かるよう翻訳した事で導入当初は「豚の饅頭」の和名がつけられたと言われています。その後植物学者の牧野富太郎氏により花の姿が篝火 (かがりび)のようだと「篝火花」と命名されました。現在は学名から来る「Cyclamen」の呼び名が主流です。
シクラメンの品種
シクラメンの最大の魅力は何と言ってもそのバリエーションの多さです。花色、花の形や大きさ、そして葉の色や形にもこだわった品種が毎年続々と出ています。最近では今までにないブルー系のシクラメンも登場し、ますます進化を続けています。
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