看板
小さな葉っぱに、可愛らしい丸いコロンとした赤い実をつけるクランベリー。実はとても酸っぱいので、完熟した実をそのまま食べず、ジャムやソース、果実酒などに加工して利用します。
ほふく性の常緑低木で、春に薄ピンクの花、秋に赤い実、冬には紅葉が楽しめます。北アジア、北アメリカ、北ヨーロッパなど緯度の高い夏に涼しい地域に自生します。とても可愛らしい見た目が人気で、寄せ植えなどで多く利用されています。
INDEX
クランベリーの基本情報
ツツジ科スノキ属
難易度★★★
クランベリーの原産地は酸性泥炭土の湿地で、さらに緯度の高いエリアなので、夏は涼しい環境を好みます。そのため、夏の蒸し暑さは苦手ですが、冬の寒さにはとても強いです。
本州など気温も高く、夏が蒸し暑いエリアで栽培する場合には、鉢植えなどコンテナ栽培がおすすめです。ですが、北海道や信州の高地などの冷涼地では、地植えも可能です。細いつるのような枝を伸ばしますが、何かに絡みついて生長するつる植物とは違います。草丈30センチ程度の常緑低木で、晩秋から冬にかけて寒さを感じると葉が赤く紅葉します。春先には薄ピンクの花を咲かせ、秋には赤く丸い実をつけます。
クランベリーの置き場所
クランベリーは冷涼な気候を好みます。日本の温暖地域で栽培する場合は、どうしても気候が合わず病害虫の被害にも遭ったり、弱ったりする可能が高くなります。ですが、気候のあっている冷涼地では、たくさん植えてたくさんの実の収穫を目指す事も可能でしょう。
蒸し暑さからクランベリーを守るためには、真夏の期間は涼しい木陰に移動してあげるのがおすすめです。もしくは寒冷紗を利用するのも効果的です。鉢植えを置く場所も、コンクリートの床に直置きすると、照り返しでダメージを受けやすくなります。レンガやブロックで鉢を嵩上げし、少しでも涼しい環境を作るのが、暑さから守るコツです。
クランベリーの植え方
クランベリーは酸性土を好みます。植え付けする際は、同じく酸性土を好むブルーベリー専用の土を利用すると良いでしょう。地面に植える時には、ピートモスを2割ほど混ぜ込んで、酸性土環境を作ってあげるようにします。鉢植え栽培する際、成長と共に長い茎を伸ばすので、ハンギングや、大きな鉢の縁、花壇の縁に植えるなど、枝葉が垂れ下がって美しく見えるように植えると、よりその魅力が際立ちます。ただしハンギングにした場合は、大変乾きやすくなるので、夏場の水やりは1日2回あげるなど、水切れしないように注意します。
クランベリーの植え替え作業は、2〜3月が適期です。鉢植え栽培する場合、少なくとも2年に1回は植え替えをします。
クランベリーの肥料・水やり
もともと湿地に自生するクランベリーは、湿った環境を好み水切れに弱い性質があります。特に真夏の期間は、一旦水切れしてしまうと葉っぱが茶色に変色して枝枯れしてしまうので、水が切れないように管理しましょう。鉢の大きさによっては1日2回の水やりが必要です。
肥料は春先の2〜3月に1度有機質肥料を与えます。その後9月に再度追肥します。鉢植えは肥料分が流れやすいので、2〜3月に一度、花が終わった7月に再度、そして9月にもう1度追肥を与えます。
編集部からのおすすめ
クランベリーの病気・害虫・予防・対処
クランベリーはハダニやカイガラムシが発生する事があります。蒸れると病害虫が発生しやすくなるので、風通しよく、枝が混み合うようであれば間引いて涼しい環境を作りながら育てます。
害虫の被害は、見つけ次第取り除くのが鉄則です。もし被害が広がってしまった場合は、薬剤をスプレーして対処する方法もあります。
クランベリーの剪定
クランベリーは昨年伸びた新しい枝に花芽をつけます。剪定は伸びすぎた枝先をカットする程度に留めましょう。
剪定の時期は、いつ行っても大丈夫ですが、もし大きく切り戻す場合は、その後の実つきを一度諦める事になります。切った枝は、挿し木として比較的簡単に増やすことができます。
クランベリーの歴史
クランベリーはツツジ科スノキ属ツルコケモモ亜属に属する低木の総称です。実は日本にも、北海道ではクランベリーが自生しており、ツルコケモモと言う和名があります。日本では自生種がありながらも、食用としてはあまり普及してきませんでしたが、北米ではアメリカ先住民が入植者が来る以前から、食用や染料、伝統的な治療儀式として利用してきた古い歴史があります。
クランベリーといえば、アメリカの感謝祭の七面鳥(ターキー)に添えられるソースとして定番です。アメリカに入植したイギリス人たちは、たくさん自生していたこのクランベリーを、入植当時から食用として利用したそうで、19世紀初頭にはこのクランベリーから作るソースが、感謝祭にはなくてはならないソースとなっていたそうです。日本ではまだあまり馴染みがありませんが、元々自生していた北海道では、過去にはアイヌの人たちや入植者の食糧利用がされていました。
クランベリーの育て方Q&A
クランベリーをたくさん収穫したいのですが、おすすめの品種はありますか?
お住まいのエリアが冷涼な環境、例えば北海道や信州などの高地であれば、果樹栽培の可能性はあります。残念ながら、関東以南など夏高温で蒸し暑いエリアでは、どうしても生育が悪くなる傾向があります。そして北米では多くの品種改良が進んでいますが、日本でそのような細かい品種別の購入は難しく、果樹用に向く食味の良い品種は、一般的な店では手に入りにくいのが現状です。
インターネット販売で、数は少ないですが、そのような食味を売りにしたクランベリー苗はちらほら見かけます。冷涼地域にお住まいで、食味を売りにした品種が手に入れば、是非チャレンジしてみてください。もし暖かい地域にお住まいであれば、鑑賞用として育てつつ、少しの収穫を楽しむのも1つの方法かもしれません。ただし味の確証はできませんが、、、。
クランベリーの育て方・まとめ
北米のクランベリー栽培農家の収穫方法には「ウエットハーベスティング」と「ドライハーベスティング」があります。
前者のウエットハーベスティングは他の作物にはない、とても変わった収穫方法で有名です。1日目にクランベリー畑に水を張り、2日目は機械でその水を混ぜる事で水中にあるクランベリーが枝から離れて浮いてきます。3日目にその実を機械ですくい上げ収穫するという、独特な収穫方法です。あたり一面がクランベリーの紅色に染まる光景は、なかなかの景色です。
日本では一般的に果樹として育てるよりも、観賞用植物として扱われているクランベリー。その可愛らしい花、フワッと伸びる茎、そして真っ赤に紅葉する様子や、丸い宝石のような可愛らしい実は、お気に入りのコンテナに植えたり、他の植物と組み合わせて寄せ植えにしても、それだけでとても魅力的です。
Garden&Garden
監修:Garden&Garden
「大好きな草花に囲まれて暮らしたい」「もっと自分らしい庭をつくりたい」そんな思いを持ったガーデナーに向けて、等身大のガーデンライフをガーデニング季刊誌 Garden&Gardenにて提案。「いかに使うか」や「どう過ごすか」で、庭やベランダがもう一つのリビングに大変身。インテリアを楽しむように、自分にあった素敵な空間をつくるヒントを発信しています。
【オフィシャルサイト】Garden&Garden 庭のある豊かな暮らし ※外部サイトへ遷移します
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