うつむき加減に咲く姿とシックな花色、その花形や模様のバリエーションの多さ、花持ちの良さに加えて比較的丈夫で簡単に育てられ、さらには冬の寂しい時期から早春にかけて庭を彩ってくれる花、クリスマスローズ。 日本では12〜1月頃咲くニゲルとの異種間交配種、2月〜4月頃咲く「ヘレボルス オリエンタリス」の交配種などヘレボルス属を総称してクリスマスローズという名で流通しています。
クリスマスローズの育て方
Garden&Garden監修
うつむき加減に咲く姿とシックな花色、その花形や模様のバリエーションの多さ、花持ちの良さに加えて比較的丈夫で簡単に育てられ、さらには冬の寂しい時期から早春にかけて庭を彩ってくれる花、クリスマスローズ。 日本では12〜1月頃咲くニゲルとの異種間交配種、2月〜4月頃咲く「ヘレボルス オリエンタリス」の交配種などヘレボルス属を総称してクリスマスローズという名で流通しています。
INDEX
クリスマスローズ(ヘレボルス)の
基本情報
キンポウゲ科ヘレボルス属
難易度★ガーデンハイブリッド(原種の品種によっては★★★)
植え替え期2〜4月(関東以北は4〜5月) 開花時12〜4月
クリスマスローズ(ヘレボルス)は無茎種、有茎種、中間種があります。多く出回るガーデンハイブリッドは無茎種、ヘレボルス ニゲルは中間種と言われています。有茎種はアーグチフォリウスなどです。
品種によって、咲く時期が違います。クリスマスローズと言われるヘレボルス ニゲルは12月頃から、異種間交配種が1月頃から、春も近くなる2月末頃からオリエンタリスの交配種が咲き始め、どれも3〜4月ごろまで楽しむことができます。寂しい冬の庭には欠かせない、人気の花です。
クリスマスローズは長い期間花が楽しめるのも、魅力の一つですが、この花に見えるのは実はガク。中央の蜜腺が一部花びらになったものがセミダブルとなり、完全に花びらになるとダブル咲きとなります。そのため花は通常通り咲き終わって散ってもメインに見えるガクが残るため、長く楽しめるというわけです。
原種によって自生地が少しずつ異なりますが、春に咲くガーデンハイブリットの元になった原種はヨーロッパ中西部に始まり、トルコのコーカサス地方から黒海周辺など夏雨が少なく冷涼な地域を自生地としています。
クリスマスローズ(ヘレボルス)の植え方のポイント
生育サイクル
庭が寂しくなる12月から4月ごろまで、長く花を楽しむことができます。その後葉のみとなり、また夏と秋を超えて冬から春にかけて花が咲きます。
花が咲き始めると次々に新しい葉も伸びてきて、根も活発に伸び始めます。 ちょうどその頃2月後半から4月にかけてが、地植えのベストシーズンです。(関東以北は4〜5月がベストシーズンです。) 鉢から抜き取った株の根を少しだけほぐして植え付けます。
植え付け時期
花の咲いた鉢を購入した場合、冬の寒さを少し脱した2月の中旬以降に一回り大きな鉢に植えるか、もしくは地植えにします。
・鉢植えの場合
購入した鉢の一回り大きな鉢を用意し、鉢底石を底に敷きます。植物用培養土に2割ほど腐葉土混ぜ植え付けます。根鉢はあまり崩さずに、少しだけほぐす程度で植え付けます。
・庭植えの場合
1〜2回り大きめの穴を掘り、土に腐葉土をすき込み植えます。成長を見込んで50センチほどの間隔をとって植えることが大切です。
管理方法(置き場所)
・地植えの場合
高温多湿な日本の夏をいかに越すかがとても重要です。花が咲くときに暖かい日差しを受け、真夏に涼しい木陰を提供してくれる落葉樹の足元がベスト。強い西日を遮ってくれる環境で育てます。水はけの良いロックガーデンや斜面上になった場所はとても適しています。
・鉢植えの場合
よしずや寒冷紗、もしくは植物の組み合わせで真夏の日差しをほどよくさえぎる環境を選ぶなどの工夫が必要です。
クリスマスローズ(ヘレボルス)の肥料・水やり
肥料について
庭に植える場合、特に多くの肥料を必要としません。鉢植えで育てる場合は、成育期に肥料が必要です。
・鉢植えの場合
生育期の9月から5月にかけては肥料が必要です。液肥の場合は10日に1回のペースで、置き肥の場合は有効期間を目安にします。肥料は鉢の縁にまきましょう。夏は暑さに耐えている状況なので、肥料は控えます。
・庭植えの場合
特に多くの肥料は必要としませんが、花芽が伸びてくる11月ごろに有機肥料をあげます。場所はすぐ根元ではなく、葉の先端下くらいの離れた場所にすき込みます。
水やりについて
水は乾いたらたっぷりが基本です。ただし、真夏は早朝の涼しい時間帯に、真冬は暖かい午前中に水をやるよう心がけます。
株分けについて
花付きが悪くなったり、株の中央部分からの新芽が出なくなってきたなと感じたら、株分けの時期です。株分けは涼しくなった秋に行います。(東北、北海道地域は春に行います。)土は、水はけが良くなるよう腐葉土、赤玉土、鹿沼土、軽石などを混ぜて作るのをおすすめします。
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クリスマスローズ(ヘレボルス)の手入れ
イギリスの冬のガーデンでは古い葉が切られ、花だけとなっている姿を多く見かけます。そのように古い葉を切る管理を「古葉切り」と言います。ただし、これをするのはハイブリッドなどの無茎種のみで、ニゲルなどの中間種、有茎種は茶色くなった葉を春先に取る程度にします。
古葉切りについて
花芽が上がってくる11月頃から徐々に古い葉が倒れてきます。より中央部分に日が行き渡り、風通しを良くし、病気にかからないようするために、古い葉を地際5センチほどで切り取ります。古い葉がまだ綺麗な状態の場合は、新芽が出てきて邪魔になってきたタイミングで切りましょう。古葉切りの後は、バークや藁、腐葉土や落ち葉でマルチング(土に覆いをする)をして、寒さよけをしてあげましょう。
クリスマスローズ(ヘレボルス)の病気予防
まずはクリスマスローズが健全に育つような環境に置くことが大切です。また真夏の暑さに耐えている時に肥料をやらないようにします。
病害虫予防
まず、病気にかかっていないか、虫がついていないかをチェックして健全な株を買いましょう。そして、花を楽しみつつも葉や茎など気にかけることも大切です。手のつけられない状況になる前に対処できるよう、早期発見がとても重要です。
葉が食べられている場合
ヨトウムシやその他のイモムシ類、葉がくるりと巻かれてぶら下がるハマキムシの被害の可能性も。ヨトウムシは土の中に隠れているので、探し出して潰す、ハマキムシも葉の中に卵があるので潰すなどして被害が大きくならないようにします。
アブラムシ・ダニ
見つけ次第取り除く、もしくはそれ専用の殺虫剤をかけるのも方法の一つです。初期であれば、ホースの水などで洗うと落とす方法もあります。
病気の対処と予防
葉にスポット状の黒い点が現れる黒点病や、葉の一部が茶色く変色するべと病など見つけ次第、葉を取り除き殺菌剤で消毒します。葉や花を切るハサミから病気にかかることのないよう、普段から清潔なハサミやカッターを使用するのも大切です。
クリスマスローズ(ヘレボルス)の由来・歴史・品種
花の名前は歴史や文化と深く関わっていることが多くあります。
春に咲くガーデンハイブリットは、キリスト教カトリックの四旬節(レンテン節)の期間頃に開花する事からレンテンローズとも呼ばれます。また学名のヘレボルス(Helleborus)は、諸説ありますが、ギリシャ語で傷つける(helein)、食べ物(borá)という、少し怖いイメージの言葉からなっています。過去には薬草として使われていた事、そしてこの植物に毒性がある事を記した大事な歴史がそこに刻まれているのですね。
さて、咲き方や模様のバリエーションが豊富なガーデンハイブリット、見ているだけであれもこれも欲しくなります。
シングルは一重咲き、セミダブルは半八重、ダブルは八重咲きのものを言います。模様も多彩で、中央部に大きめのスポットが重なってはいるブロッチを始め、脈のような筋がはいるベイン、覆輪タイプのピコティー、花弁全体に点模様のはいるスポットなどがあります。
非常に強い耐寒性
東北や北海道でも育てられているクリスマスローズ(ヘレボルス)。耐寒性は非常に強い植物です。ただし、積雪の多い地域では雪よけが必要です。寒さよけにマルチングはしっかりと施し、古葉も防寒に役立つので、古葉は取らずに、ある程度残して雪解けを待ちます。
花色を鮮やかにする秘訣
紫系やピンク系は、寒さに当たった方がより綺麗な濃い色を発色します。ですので、夜間土が凍らないエリアにお住いの場合は、基本的に鉢植えは屋外で管理するのがオススメです。
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