【家具に使われる木の材質13種類を解説】
特徴とこだわり別おすすめの
木材も紹介
家具はさまざまな種類の木を使用して作られています。家具に使われる木の材質には、耐久性や重さ、見映え、希少性などそれぞれの特徴があるため、特徴を知っておくと家具選びに役立つでしょう。 この記事では、家具に使用される主な木材の特徴を解説し、こだわり別におすすめの木材を紹介します。ぜひ、家具を選ぶ際の参考にしてください。
覚えておきたい「世界三大銘木」
家具によく使用される木材で「世界三大銘木」とも呼ばれる、「マホガニー」「ウォールナット」「チーク」について解説します。
マホガニー
マホガニーは、美しい艶と縦縞模様の木目が特徴です。軽量で加工しやすい一方、とても頑丈なため、繊細な家具作りに重宝され、古くは宮殿の装飾などにも使われました。経年で色が変化し、アンティークの落ち着いた風合いが生まれる点も人気の理由です。現在はワシントン条約で天然木の伐採や取引が制限されているため、希少で高級な木材となっています。
ウォールナット
ウォールナットは、くるみの木のことで、チョコレートのような色が印象的な木材です。古くは欧米で富を象徴する木材といわれていました。現在は中国などからの需要が高く、さらに価格が上昇しています。美しい木目や重厚感のある色味も、高級感を感じさせる理由の一つです。硬くて耐久性が高いため、衝撃にも強く、楽器作りにも使われています。
チーク
チークは、耐久性が高く、湿気や水にも強いため、家具だけでなく豪華客船の内装などにも使われてきました。天然の油分を多く含んでおり、独特の光沢があります。経年でゴールデンチークカラーと呼ばれる黄褐色に変化し、艶が増していく点も特徴です。しっとりした手触りと木目の美しさが人気で、高級木材として、年々希少性が増しています。
人気の木材10種の特徴
家具作りに使われる世界三大銘木以外の木材を10種類紹介します。それぞれの特徴も確認してみましょう。
タモ・アッシュ
タモは、アッシュと呼ばれることもありますが、厳密にはタモとアッシュは異なる木です。木目は似ていますが、タモの方が細かい木目で、アッシュの方が白みを帯びた色合いです。どちらも流れるような美しい木目が特徴なので、一枚板を天板にしたテーブルなど、木目を活かした家具の人気が高いです。
アルダー
アルダーは、軽くて比較的柔らかい木材なので、加工性の高さが特徴です。ギターやベースなどの楽器や彫刻材としても広く用いられています。オイルがよく馴染む材質のため、「自然塗装(オイル塗装)」と呼ばれる仕上げ加工を施すことが多いです。この仕上げ加工により、木肌の美しさが引き立ったナチュラルで温かみのある雰囲気が生まれます。
ラバーウッド
ラバーウッドはその名の通り、ゴムの木のことです。天然ゴムの原料となる樹液を採取したあと、家具の素材などに使われます。穏やかな木目とさらさらの触り心地が特徴で、子ども部屋用の家具などによく用いられています。南米や東南アジアなど熱い国に多く生息し、生長が早いため比較的安価で、コストパフォーマンスの高い木材です。
スギ
スギは非常に軽い木材なので、折り畳み式のテーブルなど移動させる頻度が高い家具は、スギを使ったものを選ぶとよいでしょう。スギの語源は「まっすぐな木」であるといわれていますが、その名の通り、反りやゆがみの原因となる湿気を逃しやすく、変形に強いことが特徴です。そのため、床材などにもよく用いられます。
パイン
パインは松の木のことで、アカマツやイエローパインなど50以上も種類があります。柔らかくて加工しやすいため、DIY用の木材としても人気が高く、比較的安価な木材です。油分を多く含んでおり、使用しているうちに徐々に艶のある色合いに変わっていきます。柔らかさゆえに傷がつきやすい一面もあるため、丁寧に扱う必要があります。
ヒノキ
ヒノキは、耐久性に優れていて腐食しにくいだけでなく、伐採してからも約200年は強くなり続けるといわれています。そのため、古くから神社仏閣を建てる木材として用いられており、建立から1300年以上も経過している法隆寺も、ヒノキで作られています。気分を落ち着かせるといわれる「ヒノキチオール」という香りの成分が含まれていることも特徴です。
ケヤキ
ケヤキは、オレンジがかった色味に、くっきりとした大きな木目が特徴です。硬く重たい木材なので、家の大黒柱や梁などによく用いられています。重厚感と艶やかな光沢があり、和太鼓やお椀などの漆器にも使われます。伐採してから乾燥させる間に大きくゆがむため、使えるようになるまでに時間がかかり、希少価値が高い木材です。
ブナ・ビーチ
ブナは、英語ではビーチと呼ばれています。ピンクがかった明るい色味と弾力性が特徴で、椅子の背もたれやテーブルの脚など、曲げ加工を施す家具によく用いられています。また、きめ細かな木目とやさしい風合いがかわいらしく、幼児用の玩具に使われることも多いです。経年で黄色っぽく変化します。
ナラ・オーク
日本や中国、ロシアで採れるものをナラ、北米で採れるものをオークと呼びますが、厳密には異なる木です。どちらも耐久性に優れ、硬くて重く、家具作りに向いています。乾燥に弱いため、エアコンの風が常に当たるような場所に置く場合は注意が必要です。色は、空間に馴染みやすいブラウンなので、他の家具とも合わせやすいでしょう。
メープル
メープルはカナダの厳しい冬に耐えて育つ木なので、衝撃や摩擦に強く、硬くて頑丈です。ダイニングテーブルやテレビボードなど、さまざまな家具に用いられます。他の木材と比べると、白っぽく明るい色味が際立ち、上品で清潔感があります。シルクのような光沢を放ち、つるつるの触り心地も人気のポイントです。経年で、あめ色に変化していきます。
加工の種類
木材は、木の種類だけでなく、どう加工してあるかで強度や価格、見た目などが異なります。ここでは、3つの加工の種類を解説します。
無垢材
無垢材とは、加工を施さず、原木から切り出したままの板や角材のことです。大きな木材を取るためには大きな原木が必要になるため、木の種類によっては高価なものもあります。天然の木材ならではの、美しい木目や自然な風合いを楽しめるでしょう。乾燥によって収縮したり、湿気によって膨張したりするため、反りやゆがみが生じやすいという短所もあります。
集成材
集成材とは、複数の木材を組み合わせて接着した人工的な木材のことです。表面は無垢材のようですが、断面を見ると接着して作られていることがわかります。無垢材よりも反りやゆがみが出ないため、扱いやすいです。一方、無垢材よりも耐久年数が短いという短所があります。
合板
合板とは、薄く切った木材を貼り合わせて接着したもので、一般的にはベニヤ板と呼ばれます。強度が高く、厚さの種類が豊富で、他の木材よりも安価という特徴があります。合板に、薄い天然木や木目印刷のプラスチックを貼り付けたり、塗装したりしたものを「化粧合板」といいます。化粧合板は、家具の外側に使用されることが多いです。
【こだわり別】おすすめ木材
高級感を演出したい場合や手触りを重視したい場合など、こだわり別におすすめの木材を紹介します。
高級感にこだわりたい!
高級感にこだわりたい場合は、木目の美しさや色合いにくわえて、家具としての存在感や強度も大切です。そのため、それら全ての特徴も持ち合わせている、世界三大銘木のマホガニーとウォールナット、チークの3つがおすすめです。
手触りにこだわりたい!
ダイニングテーブルや椅子などは毎日触れるので、手触りにこだわりたい人もいるでしょう。メープルやパインはつるつる、ウォールナットはすべすべ、チークはしっとりとした触り心地です。ホームセンターや家具店などで実際に触ってみて、好みの手触りをみつけましょう。
色にこだわりたい!
家具の色は、部屋の印象を左右する大きな要素です。カーテンや壁紙、他の家具との組み合わせも考慮して、家具の色を選びましょう。
チークやウォールナットを使った濃い色の家具は、明るい壁紙の部屋に置くとコントラストがはっきりして、部屋がすっきりとした印象になります。また、メープルやパインを使った明るい色の家具は、濃い色のファブリックを使った部屋に置くと、メリハリが利いておしゃれです。
テイストにこだわりたい!
木材は、それぞれ異なるテイストを持っています。似た雰囲気の木材を使った家具を揃えると、部屋全体に統一感が生まれるでしょう。爽やかな木目と明るい色味が特徴のアッシュやアルダーは、ナチュラル系のテイストで、北欧系の雑貨ともあわせやすいです。若干赤みがあり、ソフトな印象を与えるパインは、カントリー調の部屋に似合います。また、味のある木目と独特の風合いを持つチークは、アジアンな雰囲気を作ります。
軽さにこだわりたい!
掃除の際に移動させたい、引っ越しが多いなど、家具を動かすシーンが想定されるなら、軽さにこだわると楽でしょう。軽い木材といえば、パインです。柔らかく、傷がつきやすい性質もありますが、経年による味わいとして楽しみましょう。
まとめ
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