着物収納時や着用後のお手入れ方法!大切な着物を保管しましょう。
上手に着物収納する方法ご紹介!
デリケートな着物の正しい扱い方
着物収納時や着用後のお手入れ方法!大切な着物を保管しましょう。
日本独自の服である着物。これは和服や呉服とも呼ばれていますね。
日本独自の服である着物。これは和服や呉服とも呼ばれていますね。昔はそれぞれ違う意味を持っていたようですが、今となっては、ほとんど同じ意味として扱われています。
この着物も昔の日本では普段着として着用されていたものですが、時代の流れと共に少しずつ人々の普段着は和服から洋服へと変わっていき、今では着物を普段着として着る人は少なくなっています。
しかし、今でも着物を着る機会は、成人式での振袖・袴、結婚式での白無垢や親族の方なら留袖や訪問着といったように、大事な行事の際には着物を着用することが多いです。
着物は代々受け継ぐことも多く、お母さんから娘さんへ、お姑さんからお嫁さんへ贈ることもあります。
特にお子さんがいらっしゃるご家庭などは、お子さんの結婚式の時のために着物を置いているというご家庭もあるのではないでしょうか。
着物は寸法が合わない場合でも、仕立て直せばちゃんと着ることができます。
確かに着物を着る機会というのは少ないかもしれませんが、その分保管をしっかりとしておけば、何年、何十年と着続けることができるのが着物なのです。
そんな大切な着物ですので、保管方法にも注意しておきたいところですね。
着物を収納する前に
着物を着終わった後、すぐに収納するのではなく、着物を収納する前にも注意したい点があります。
ここでしっかりとチェックしておかないと、次にいざ着物を着るとなったときにシミや汚れが広がっていたり、着物に残った体温や湿気により、カビが生えていたりする場合があります。
1.着物を干す
着物を脱いだら、着物と長襦袢をしっかりとシワを伸ばすようにして、ハンガーにかけてください。
この時、着物と長襦袢は別々に掛けるようにしましょう。体温や湿気を取りやすくなります。
また、同様に帯もしっかりとシワを伸ばして干しましょう。
ハンガーにかけるとしみや汚れを見つけやすくなりますので、この段階で着物の汚れをチェックしておきましょう。もし、シミや汚れを見つけた場合は洗える素材であれば洗っていただいて構いませんが、専門店のクリーニングに出すことをおすすめします。
着物は素材によっては縮んでしまうことがありますし、素人判断で汚れを落とそうとすると、かえって汚れが広がってしまう可能性があります。
これらの干す場所と時間ですが、風通しが良く、直射日光の当たらない場所に半日ほど干しておいてください。
紫外線による色あせを無くすためですので、お部屋の中で干すのであれば、照明なども消しておいてくださいね。
2.ほこりを払う
着物専用のブラシをお持ちの場合は、ブラシを使用してほこりを払ってください。
専用のブラシが無い場合は、乾いている清潔なガーゼやタオルで構いません。
注意点としては、軽く叩くようにして、ほこりを落とすことです。もし、こすってしまうと気づかないうちに汚れが広がってしまう可能性がありますし、刺繍や箔の加工された部分を痛めてしまう恐れもあります。
3.畳む
シミや汚れが無いことを確認し、湿気とほこりを十分に取った後は、着物を畳んで収納します。
この時、不必要な折ジワができないように、綺麗に畳みましょう。
着物を折るときは汚れが付かないようにするため、たとう紙という着物を保護する専用の紙の上や綺麗な敷物の上で畳むようにしてください。
着物を畳むときに、着物についている紋や箔・刺繍のある部分には薄紙を当てておきましょう。薄紙を当てることで、他の部分に色や箔が写ることを防いでくれます。
着物を畳み終わった後は、たとう紙に包んで収納・保管してください。
着物を保管しているとき
着物を保管している時にも気を付けなければなりません。
着物はデリケートなので、タンスの中でただ保管しているだけでは逆に傷んでしまう可能性があります。
日本の風土は高温多湿ですので、夏場のタンスの中は湿度が高くなっています。
この状態で着物をタンスに入れたままにしていると、着物にカビが発生して、いざ着物を着ようという時になるまで気付かなかった……という可能性もあります。
こういったことを防ぐために、着物の保管中に行う「虫干し」というお手入れ方法があります。
虫干し
虫干しは着物を、湿気から守るために行うお手入れ方法です。
干しかたは、先ほどの【着物を収納する前に】のところに書いた、【1.着物を干す】の部分と同じように、着物を干すだけです。
直射日光や照明などの光を避け、風通しの良い場所に干しましょう。
その状態で虫食いやカビ・シミなどの汚れがないかどうかをチェックします。
着物専用のブラシや清潔なガーゼ・タオルでブラッシングもしてくださいね。
この時に着物だけでなく、たとう紙の状態もチェックしておきましょう。
もし、湿気によりたとう紙が茶色に変色していた場合は、たとう紙も交換してください。
そして、虫干しをするときに、気を付けなければならないことがあります。
それは時期と時間。そして天候です。
虫干しは湿気を取るために行うものですので、湿気の多い時期や時間に行うのは効果的ではありません。もちろん、雨の日に虫干しをするというのはもっての他です。
虫干しに最適な時期は、
・梅雨の時期に含んだ湿気をぬく【土用干し】:7月下旬〜8月上旬頃
・夏場についてしまった虫を取る【虫干し】:9月下旬〜10月中旬頃
・最も乾燥している冬場に行う【寒干し】:1月下旬〜2月上旬頃
になります。
時間帯は湿気の高くなる、朝や夕方以降は避けましょう。
大体、10時ごろ〜15時ごろまでに行うのが理想です。
そして、最も大切なのが天気です。
雨や曇りの日は湿気が高いので避けてください。
間違えやすいのですが、「昨日は雨だったけど今日は晴れているから虫干しをしよう」というのはいけません。
次の日が晴れていても、雨によって地面が濡れていたり、水たまりができていたりします。
そんな水分が日光により乾かされると、空気中に湿気となって漂います。
そのため、晴れている日でも前日が雨の場合は湿気が高いのです。
ですので、虫干しを行う場合は、2日以上晴れの日が続いている日に行いましょう。
最適な収納家具
着物は保管方法も大事ですが、保管場所も重要です。
着物を保管する場所として、最も適したタンスは総桐タンスになります。
着物を保管しているタンスが総桐タンスであれば、とても効率よく着物を保管できるでしょう。
総桐タンスに使われている木材の桐にはいくつか利点があります。
・虫がつきにくい。
あくまでもつきにくいという程度ですが、他の木材に比べると虫が寄り付きにくくなっています。
・湿気の調節をしてくれる。
桐は夏場の湿気が多い時期には湿気を吸収し、冬場の乾燥した時期になると、湿気を放出して、湿気の調節をしてくれます。これによりカビが発生しにくくなっています。
・着物が燃えにくい。
木材の為、決して燃えないわけではないのですが、桐は燃えた場合でも割れたり、形が変わったりすることがほとんどありません。なので、タンスの表面がまず焼けることになるのですが、焼けることによってできた炭化層が断熱材の代わりになるため、全て焼け落ちるまでには時間がかかります。なので、火の消化後も中に収められている着物は無事ということがあるのです。
着物を保管する場合は桐のタンスが一番いいと言われているのはこういった機能があるためです。
どれも高価な着物を守るためには大切な機能ですので、もし着物をお持ちであるなら、桐のタンスを購入するのもいいかもしれません。
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