長く愛用しているソファも、気がつけばソファがへたり、座り心地が悪くなっていることがあります。 ソファのへたりは、さまざまな要因が重なって起こりますが、主な原因として、次の３つが挙げられます。

【へたりが起こる原因】
・中材が硬くなった
・表地が消耗した
・バネやコイルが消耗した

ソファの座面や背もたれに使用されている中材は、ウレタンやフェザーなどが一般的です。これらの素材は時間が経つと徐々に圧縮されて硬くなり、弾力性を失ってしまいます。特に、座る頻度の高い位置は早く劣化が進みがちです。へたってしまうと、以前は感じていた柔らかさや快適さが失われ、長い時間座っていると不快感を覚えます。

ソファの表地に使われるファブリックやレザーなどの素材は、摩擦や紫外線によって徐々に劣化し、薄くなったり破れたりして、へたってしまいます。特にファブリック素材は、座る位置に生地の擦り切れや毛玉ができやすく、見た目も悪くなりがちです。レザーの場合は、色落ちやひび割れといった劣化がよく現れます。

ソファの内部には、クッションとしてSバネやポケットコイルなどが使われており、座り心地の良し悪しに影響します。これらの金属製のパーツは、長期間の使用によって徐々に弾力性を失い、変形してしまいます。バネやコイルの劣化は、座面の沈み込みを引き起こし、へたりを感じるようになる原因の一つです。バネやコイルなどの金属パーツの消耗を、元に戻すのは難しく、使い続けると破損する場合もあります。

ソファのへたりは、見た目の劣化だけでなく、座り心地にも大きく影響します。 購入したソファを長く愛用するためにも、へたりにくいソファの素材を知っておくのも大切です。 へたりにくい素材と、へたりやすい素材の違いやそれぞれの特徴などを紹介します。

【へたりにくい素材】
・多層構造ウレタン
・ポケットコイル

多層構造ウレタンは、硬さや密度の異なる複数のウレタン素材を組み合わせることで、耐久性と快適性を両立しています。 低密度のウレタンは包み込まれるような、柔らかく快適な使用感が特徴ですが、へたりやすいのが欠点です。

しかし、単層では劣化しやすい低密度ウレタンも、耐久性が高いしっかりとした座り心地の高密度ウレタンと重ねると丈夫になり長持ちします。 ウレタン素材は、ソファの中材として最も良く使われ、比較的リーズナブルな人気の素材です。

ポケットコイルは、ソファの座面に使用されるスプリングの一種で、独立したコイルが一つずつ袋に包まれているのが特徴です。ポケットコイルが使われているソファは、最もへたりにくいと言われています。また、高い反発力があるので座ったときの沈み込みがなく、座る位置による感触の変化も少なめです。ポケットコイルが使われたマットは、体圧を分散し姿勢を保ってくれるので、ベッドのマットレスにもよく使われています。

ソファの中材でへたりやすいと言われている素材には、フェザーや低密度ウレタンがあります。 フェザーは型崩れが起きやすく、頻繁なメンテナンスが必要です。 低密度ウレタン素材は、空気を多く含んで柔らかく、単体で使われているソファは特にへたりやすくなります。

S字バネやウェービングテープも、ソファのスプリングに使用されている素材ですが、へたりやすいと言われています。 S字バネはポケットコイルに比べて反発力が少ないため、座る位置によって座り心地が変わり、へたりが起きがちです。 ゴム素材が使われたベルト状のウェービングテープは、素材の特性からも劣化が進みやすく耐久性がやや劣ります。

【へたりやすい素材】
・フェザー
・低密度ウレタン
・S字バネ
・ウェービングテープ

ソファを長く愛用していると、気がつけばへたりが起き、座り心地が悪くなっていることがあります。 適切なメンテナンス方法を知っていると、ソファのへたりを改善し、快適な状態を保てるかもしれません。 へたりを改善する方法としては、次のような方法が考えられます。

【ソファのへたりを改善する基本的な方法】
・中のクッション材をほぐす
・へたったソファの上にクッション・マットを敷く
・DIYでクッション材を追加する
・座面やクッションを新しくする
・ソファのカバーを新しくする
・プロに修理を依頼する
・場合によっては買い替えも検討する

ソファのへたりは、中材の偏りが原因で起きるケースもあります。 特に、フェザーなどの柔らかい素材は、使用しているうちに偏りやすく座り心地が悪くなります。 こうした場合は、クッション材に空気を含ませるようにしてほぐすと、へたりを改善できるかもしれません。

クッションを取り外せる場合は、手で揉んだり叩いたりして、中の素材を均一にしてみましょう。 取り外せない場合は、ソファ全体を優しく揺らしたり叩いたりして、偏りの解消を試みてください。

厚みのあるクッションやマットを敷いて座面の柔らかさを調整し、へたりを感じにくくする手軽な方法もあります。うまくいけば、へたりによる座面の凹凸や座り心地の悪さを改善できる方法です。 また、クッションやマットの色、柄の組み合わせで、ソファの印象に変化もつけられます。

カバーリングタイプのソファなどは種類によって、クッション材を追加して、座り心地を改善できます。直し方は簡単で、別売りで購入できるクッション材のほか、ウレタンやビーズなどの市販品を、へたった部分に詰め込むだけです。ただし、布地を取り外せない張り込みタイプのソファの場合、クッション材を追加することはできません。ほかの方法を考えましょう。

商品によりますが、メーカーや家具店に問い合わせれば、ソファと同じ素材の座面やクッションを購入できる場合もあります。へたりがひどく、簡単な方法で改善できないときは、座面やクッションの買い替えを考えてみてください。ソファの座り心地が格段に改善され、長く快適に使えるようになります。ソファ全体を買い替えるよりも支出を抑えられ、得した気分になれるでしょう。

ファブリックタイプのソファは、ソファカバーが古びていると、よりへたった印象を与えがちです。カバーを新調すると、ソファ全体の印象が変わり、気分転換にもなるでしょう。新しいカバーにすると、クッションの劣化が進みにくくなるケースもあります。同じシリーズのソファカバーが販売されていなくても、ソファの種類によっては、市販品でも合う商品を見つけられます。

自分でメンテナンスするのが難しいときや、へたりがひどい場合は、購入した店舗に相談して修理を依頼することも検討しましょう。 専門の業者に依頼すれば、へたり以外の不具合も改善してもらえます。もちろん、プロによる高品質な仕上がりが期待でき、さらに長く使えるようになります。

料金は、ソファの形状によって異なるため、事前の見積もりは欠かせません。ソファによってはアフターサービスで修理できる場合もあるので、保証書を確認するか、店舗に確認してみましょう。

最近では、さまざまな種類や価格のソファが販売されています。 へたりがひどく修理が難しい場合や、費用がかかりすぎるときは、買い替えるのも一つの方法です。 ソファにも寿命があります。長く使っていたものは、快適に使える状態に戻らないかもしれません。

特に座り心地を重視するなら、思い切って新しいソファを購入したほうが良いこともあります。 ソファを買い替える際は、修理金額と購入金額を比較し、耐久性や品質も見極めたうえで検討しましょう。

ソファの寿命や長持ちさせるポイントについては、次の記事を参考にしてください。

ソファのへたりを直す方法は、厳密にはソファの中材によって異なります。ソファの種類別に直す方法を解説しましょう。

【ソファの種類】
・【ウレタンソファのへたり】復活方法・直す方法
・【羽毛（フェザー）ソファのへたり】
復活方法・直す方法
・【革ソファのへたり】復活方法・直す方法
・【ビーズソファのへたり】復活方法・直す方法

ウレタン素材は、一度へたってしまうと復活させるのが難しいので、普段から座る位置を意識的に変えるようにしましょう。 座面やクッションの位置が変えられる作りなら、定期的に入れ替えると、劣化が進むのを防げます。 ソファの種類によっては、ウレタンを追加して、へたりを直すと座り心地が改善します。 クッションやブランケットを座面において、一時的にへたりを改善するのも一つの方法です。

【ウレタンソファのへたりを直す方法】
・クッションやブランケットを重ねる
・座面やクッションを入れ替える
・ウレタン材を追加する

羽毛ソファのへたりは、中材である羽毛に空気を含ませれば復活する場合が多いので、クッションを叩いてほぐしてみてください。 羽毛のへたりがひどいようなら、羽毛を追加することを検討しましょう。普段から、座面やクッションの位置を入れ替えるようにすると、へたりにくくなります。

【羽毛ソファのへたりを直す方法】
・座面やクッションを入れ替える
・クッションを叩いてほぐす
・羽毛（フェザー）を追加する

革ソファのへたりは、革の劣化が関係している場合もあります。乾燥や摩耗で起きた革のひび割れを、革専用のクリーナーやクリームを使って手入れしましょう。 革は直射日光に弱い素材なので、窓際に置かないなど配置場所にも注意してください。

座る位置がいつも同じだとへたりが起きやすいので、座る場所を時折変えると劣化の進行を抑えられます。 座面やクッションも時折入れ替えて負荷を分散させると、さらに効果的です。

【革ソファのへたりを直す方法】
・革のひび割れを修理する
・座る場所を変える
・座面やクッションを入れ替える

ビーズソファは長い期間使っていると、中材のビーズが潰れてしまい、座り心地が悪くなってしまいます。 補充用のビーズが販売されているので、へたりが目立ってきたら追加して復活させましょう。 ビーズソファのカバーのファスナーを開け、新しいビーズを補充するだけで簡単に直せます。 ビーズソファは表地への摩擦が多く、カバーのへたりも出やすいのですが、定期的に洗濯したり、交換したりすることでより長く使えます。

【ビーズソファのへたりを直す方法】
・ビーズを補充する
・カバーを定期的に洗濯する
・カバーを交換する

ソファを長持ちさせるためには、日々の使い方に工夫が必要です。ちょっとした工夫を生活習慣として取り入れれば、へたりを防ぎ、快適な座り心地を保てます。

【ソファがへたらないようにする対策】
・同じ場所に偏って座らない
・座面の上に立ったりしない
・クッションを裏返して使う

ソファの同じ場所にばかり座っていると、その個所に負荷が集中し、クッション材やバネなどの劣化が起きやすくなります。いつも同じ場所に座るのではなく、意識的に座る場所を変えたり、少しずつ位置をずらしたりしましょう。クッションの位置を定期的に入れ替えれば、片方に負荷がかかるのを防げます。家族や同居者とソファを使う場合は、交代で座る位置を変えるのも良い方法です。

ソファの座面は、座ることを想定して作られています。座面の上に立ったり飛び跳ねたりするのは、過度な負荷がかかり、へたりや破損の大きな原因です。こうしたことを繰り返すと内部の素材やバネが劣化し、へたりが早く進行してしまいます。小さな子供がいる家庭では特に注意し、座る以外の用途には使わないようにしましょう。

座面のクッションは、使っていくうちに片面が沈み込みやすくなりますが、定期的に裏返せば均等に負荷を分散させられます。ソファの形状によって、クッションの向きを180度回転させたり、座面の前後を入れ替えたりしてみましょう。「10日ごと」「毎週月曜日」などと自分でルールを決め、クッションを裏返す習慣をつけるとへたりにくく、快適にソファを使い続けられます。

ソファのへたりは、座り心地が悪くなるのと同時に、見た目も損ねてしまいます。ソファを長く愛用するために、へたりにくいソファを選ぶのも大切です。dinosで扱っている商品の中から、へたりにくくておすすめのソファを紹介します。

長い歴史を持つ国産メーカーが、良質な素材を惜しみなく使用した商品で、ベッドとしても使える多機能ソファです。ソファの座面には、金属ウェーブスプリングとウレタンを使用しており、沈み込みが少なく快適に座れます。ファブリックは上品なツイード調の布地が採用され、どんな部屋にも馴染みます。

座面にはへたりにくいと言われている、ポケットコイルスプリングとフェザー、ウレタンフォームを使用している高級感漂うソファです。背もたれクッションもフェザー入りで、ふっくらとした座り心地を感じられます。カバーは取り外して洗濯機で洗えるので、汚れが気になったら簡単に手入れができます。

手入れしやすいフルカバーリング仕様で、カバーは取り外して洗濯機で洗えます。こまめに洗濯して手入れをすれば、清潔な状態で長く使えます。座面はS字バネとウレタンの組み合わせで、沈み込みは少なく、ほどよい硬さと弾力性のある座り心地です。クッションにはシリコンチップが使われており、身体を優しく支えます。

シンプルで幅広いインテリアスタイルになじむソファベッド。ボンネルコイルとウレタンフォーム、わたを使用した座面はへたりにくく、少し沈み込みがあるものの、弾力性があり腰をしっかり支えます。ベッド時はマットレスのような寝心地で快適。リビングやダイニングだけでなく、ゲストルームにも最適です。ソファカバーやクッションカバーは取り外して、ドライクリーニングができます。

座面の中材には、へたりにくいと言われる新素材のライトウェーブが使われています。強くしなやかな素材のため、ほどよい反発力で身体を心地よく支えます。また、湿気を中にため込まないので、長時間の睡眠にも適したソファベッドです。カバーの取り外しが可能で洗濯機で洗えるため、清潔に使い続けられます。

へたらないソファのおすすめについては、次の記事も参考にしてください。

ソファは、くつろぎの空間に欠かせない家具ですが、長く使っているとどうしてもへたりが出てきます。原因を知り適切な対策を行えば、へたりを軽減したり、復活させたりすることも可能です。購入時にへたりにくいソファを選ぶこと、日頃からメンテナンスを心がけることも大切なポイントです。