ソファの座面高とは、床から座面上までの高さのことを指します。まずは、「一般的なソファの座面高の平均」や、「座面の高いソファ」と「座面の低いソファ」のそれぞれのメリットや特徴を知っておきましょう。

ソファの座面の高さは商品によって異なりますが、40cm前後が平均と言われています。これは座面高40cm前後が、日本人にとって座りやすい高さだとされているからです。座面の高さが40cmのソファは、奥行きが平均のサイズまたは浅くデザインされたものが多いようです。

「座面の高いソファ」と「低いソファ」には、それぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。
ソファの座面高は、30cm前後の低いものから50cm前後の高いものまで様々な種類があり、ソファによって特徴やメリット・座り心地やソファでの過ごし方も異なります。

【座面の高いソファのメリット】
・立ち上がったり座ったりしやすい
・テーブルと組み合わせやすい
・空間に存在感を演出できる

【座面の低いソファのメリット】
・床でリラックスするようにくつろげる
・開放感のある空間を演出できる

ソファを購入する際、座面高の違いによる特徴も知っておき、座る人の身長や脚の長さ、ソファでのくつろぎ方も考えて、最適な商品を選ぶことが重要です。

座面の高いソファと低いソファの特徴を詳しく見ていきましょう。まずは、座面高が40cm以上のソファです。高さがあるソファには、次のような特徴があります。

・立ち座りしやすい
・脚を伸ばしやすく、疲れにくい
・ダイニングソファとしても使いやすい
・清掃やメンテナンスが楽
・空間にソファの存在感を出しやすい

座面高のサイズが大きいソファは、リラックスしたいときや食事をするときなどにも使いやすいのが特徴です。

座面の高さが40cm前後のソファは、立ち座りの動作がスムーズになります。これは、日本のダイニングチェアの座面高に近く、座り慣れている高さだからです。人が立つ際、低い場所から立つよりも高い場所から立ったほうが、身体への負担がかかりにくくなります。座る場合も、低い場所へ座るより高い場所に座るほうが楽です。

座面の高いソファの座り心地は、膝を自然に曲げて座ることができ、疲れにくいのが特徴です。座面が高いソファは、足の裏を床につけて座ることが前提で、一般的に奥行きが浅く設計されています。もし、座面が高く奥行きが深すぎるソファに座った場合、背もたれを使ったときに脚が宙に浮き気味になるのでリラックスしにくくなるでしょう。また、奥行きが浅く座面が高いソファであっても、脚を座面に上げてリラックスする体勢は、取りづらいと言えます。

座面の高さが40cm前後にデザインされたソファは、日本人向けのダイニングチェアと同じくらいの高さになるため、テーブルとともにダイニングソファとしても使えます。ダイニングソファとして使う場合は、ソファの奥行きは浅く、座面クッションが硬めのほうが座り心地が良くなります。

座面が高いソファは一般的に、脚が長く設計されていて床とソファの間に広いスペースがあるため、掃除などのメンテナンスがしやすくなっています。床に直接置かれたソファは湿気がこもってダニが繁殖する原因となりますが、脚部があるソファは通気性が良いうえに掃除がしやすいため、清潔に保てます。

座面が高いソファの下はモップや布での拭き掃除もしやすく、ロボット掃除機のような自動掃除機も入っていけます。座面の高さが44cmほどのソファは、掃除機・自動掃除機・モップの全てを使えるので、楽に掃除ができるでしょう。

座面が高くデザインされたソファは、全体的なサイズが大きく存在感があります。リビングなどの部屋の中でソファを主役の家具として目立たせたい人にはぴったりです。しかし、部屋によっては、座面の高いソファを置くことで圧迫感を感じる場合があるので、気を付けましょう。

座面の高さが30cm前後の低いソファには、次のような特徴があります。

・リラックスしやすい姿勢が取れる
・部屋が広く見える
・子供やペットも使いやすい
・和室やローテーブルに合わせやすい
・床生活に馴染みやすい

座面の高さが「低い」ソファは、座面が「高い」ソファとは違ったくつろぎ方を楽しめます。

座面が低くデザインされたソファは、脚を伸ばしたり身体を横にしたりしてリラックスするのに適しています。座面が低いソファは、カウチソファなどの奥行きが深いものが多く、上であぐらをかいたり正座をしたりして過ごすこともできます。

座面が低いソファは全体的に高さも低くなるため、部屋を見渡したときに視界が遮られず、空間に開放感が生まれます。部屋を広く見せたい場合に向いています。また、座面高が低いソファは座面が床に近いため、床に座る人と同じ目線になり、空間全体に一体感が出てくつろぎやすくなります。

座面の高さが低くデザインされたソファは、子供やペットが利用しやすいのもメリットです。座面高が30〜35cmのソファは、子供でも浅く腰掛けたり上に乗ったりしやすく、万が一、子供が座ったり降りたりする際に転倒しても、座面高が低いソファであれば大きな怪我も防げるでしょう。

また、座面高の低いソファは床と座面が近いため、小型犬などのペットも飛び乗りやすくなります。

座面の高さが低いソファは、和室やローテーブルなどの家具に合わせやすいのが特徴です。天井が低く設計されている和室に大きいサイズのソファを置くと、圧迫感が生じやすくなります。一方、和室に座面高の低いソファを置くと一体感が生まれて、部屋が広く感じられるようになります。

また、座面の高さが30cm前後のソファには、57〜60cmの高さのローテーブルを合わせるといいでしょう。座面の低いソファとローテーブルを組み合わせると、脚を前に下ろしたり前屈みになったりしても、窮屈な姿勢になりません。

座面の高さが低いソファは、床生活によく馴染みます。脚を伸ばして座ったり、ソファに寄りかかって過ごしたりと、リラックスした姿勢を取れます。ソファを座卓と組み合わせたレイアウトを楽しむことも可能です。

ソファの座面の高さの特徴やメリットを踏まえ、それぞれがどのような人に向いているのかをご紹介します。快適なリビング作りの参考にしてください。

座面の高さが45cmのソファは、次のような人に向いています。

・身長が高い人
・ソファで食事や作業をしたい人

身長が190cm以上の人や体格の良い外国人は、日本規格のサイズのソファでは物足りなさを感じることがあり、海外規格の座面高のソファがおすすめです。ただし、身長差のある人と並んで座る場合は使いづらいと感じることがあるため、注意しましょう。

ダイニングソファとして食事をする際に使ったり、勉強などの作業を行ったりする場合も、座面が高いソファが適しています。その際は、座面の高さとテーブルの天板の差尺が27〜30cmになる組み合わせで選ぶと良いでしょう。

座面の高さが40cmのソファが適しているのは次のような人たちです。

・ソファで長時間リラックスしたい人
・高齢者や腰痛が出やすい人

日本人の場合、座面の高さが38〜40cmにデザインされたソファが座りやすく、長時間でもくつろぎやすいと言われています。座面の高さが40cm前後のソファを選ぶ際には、背もたれの高さや座面や背クッションの弾力性なども確認することが重要です。

また、座面の高さが低いソファは立ったり座ったりするときに腰や膝に負荷がかかりやすくなります。このため、高齢者のほか、腰や膝に痛みが出やすい人には座面高が40cm前後のソファが適しています。

座面の高さが35cmのソファは、次のような人に向いています。

・リラックスして過ごしたい人
・床に近い生活をしたい人

座面の高さが35cmのソファには、ベッドのような深い奥行きや沈み込むような座り心地のものもあり、ゆったりとリラックスしてくつろぎたい人に適しています。

また、35cmよりも座面高が少し高い38cmのソファもあり、脚を床につけてゆったりと腰掛けられます。また、床に座っている人とのコミュニケーションを取りやすいメリットもあります。

座面の高さが30cmのソファは、次のような人に適しています。

・床に近い生活をしたい人
・子供やペットと暮らしている人
・ソファでリラックスしたい人

座面が低いソファは、床から座面までの距離が近いため、床に近い生活をしたい人に適しています。また、ソファで横になったり読書やテレビ鑑賞をしたりしてリラックスしたい人にもおすすめです。その際、座面の高さをテーブルと同じくらいにするか、テーブルより5cm低くすると、視線が家具で遮られません。

ソファの座面の高さ以外の、選び方のポイントもご紹介しましょう。座面だけでなく、ソファの背もたれや奥行き、座り心地なども考慮して選ぶ必要があります。

・快適な背もたれの高さを選ぶ
・テーブルの高さに注意する
・クッション性を確認する
・素材やデザインでインテリアに馴染ませる
・奥行きで座り心地を調整する

ソファは、背もたれの高さによっても快適さが変わります。床から背もたれまでのサイズが70cm前後のソファの場合、背もたれの高さの平均は40cm前後です。背もたれの高さが高くデザインされたハイバックソファは、もたれかかって首から頭まで支えることができるため座り心地が良い一方で、体勢を変えにくいデメリットもあります。

背もたれの高さが平均的なソファは、奥行き（座奥行き）のサイズが豊富で、自分の身長や好きな座り心地などに合うソファを見つけやすいでしょう。背もたれが低いローソファは、床生活の暮らしが楽しめる反面、背中をあずけて寄りかかりにくいのがデメリットです。

ソファ前に置くテーブルの高さの選び方にも、注意が必要です。ローテーブルの場合は、ソファの座面高とテーブルの高さの差を5cm前後にすると、使い勝手も見た目もよくなります。サイドテーブルはソファの座面高から10〜20cm高いものを選ぶと、テーブルに手が届きやすくなり、グラスも容易に置けます。

ソファダイニングテーブルは、ソファの座面高から25〜30cm高いものを選んでください。子供とソファダイニングテーブルを使う場合は、25cmの高さにすると良いでしょう。

ソファの座面のクッション性を確認するのも重要です。ソファの座面クッションの硬さや身体へのフィット感は、座り心地に影響を与えます。ソファの座面クッションは、商品によって柔らかいものから硬いものまで多岐にわたります。

座面のクッション性を確認して、自分の好きな座り心地のソファを選ぶと良いでしょう。また、ソファダイニング用として使う場合は硬めのクッション性のものを選ぶなど、暮らし方に合うソファを選択することも大切です。

ソファの選び方として、インテリアに馴染む素材やデザインを選択する方法もあります。ソファの高さによって部屋の雰囲気が変わるため、他の家具やデザインとのバランスを見ながら、統一感を考えてソファを選ぶことも重要です。

例えば、モダンでおしゃれな家具を置いた部屋にはシャープな形の低いソファが良く合い、クラシカルな家具がある部屋の場合はやや高さがあり、ゆったりと座れるソファとの相性が良いでしょう。

ソファの奥行きのサイズによって、座り心地も変わります。座面高に対して座面の奥行きが浅かったり深かったりするソファは、座り心地が悪くなるため、選び方に注意してください。座面高と座面の奥行きを足して90〜100cmになるのが、好適なサイズです。

座面の奥行きが65〜70cmの深いタイプには、背面が高いものや、背面が低く専用のクッションが付いているものなどがあり、背面のタイプは商品によってさまざまです。このタイプは、身長の高い人や体格のある人が座りやすく、深く腰掛けることができるうえに、あぐらをかいだり横になって過ごしたりできます。

座面の奥行きが45〜50cmの浅いタイプのソファは、小柄な人や子供が使いやすく、高さのあるテーブルが使いやすいでしょう。

ソファを使う人が変わったり、使う子供の身長が伸びたりした場合、ソファの座面の高さが合わなくなってしまうことがあります。ソファの座面の高さがしっくりこない場合は、次のような方法で調整できます。

・高さを上げるクッションを使う
・脚の長さを変更するパーツを取り付ける

ソファの座面高を低く感じる場合は、高さを上げるクッションを使うと違和感が和らぎます。通販サイトには、詰め物が入った座り心地の良いものや、吸湿発熱機能があるもの、柄が入ったおしゃれなものなどさまざまなクッションが販売されています。ソファのデザインや色、好みの座り心地などを考えながら選ぶと良いでしょう。

家具の脚の長さを変えられるパーツを取り付けることで、ソファの座面高を高くできます。中には、短いフロア脚を長いダイニング脚に付け替えられるソファもあります。

通販サイトには、シンプルな黒いパーツのほか、茶色・白・木製などさまざまなデザインの家具用パーツがあるので、自分のソファに合った規格を確認し、商品を選びましょう。パーツの高さは商品によって異なりますが、約5cm〜20cmのサイズが一般的です。

ソファの座面の高さによって、座り心地や使い勝手が大きく変わります。ソファの座面の高さの選び方を知ったうえで、くつろぎ方や部屋の見せ方なども考慮して、使う人に合ったソファを購入しましょう。