部屋を効率的に使いたい人にとって、仕切りのアイデアを活用することは重要です。特にリフォームなしで実現できる方法は、コストを抑えたい人に最適です。簡単に1つの部屋を2つに分ける方法を、それぞれのメリットや具体例とともに紹介します。

一つの部屋を区切るには、次のような方法があります。

こうした方法を使えば、リフォームなしでも部屋を仕切れます。パーテーションやアコーディオンカーテン、ロールスクリーンなどは比較的低コストで購入でき、後付けで設置するのも簡単です。コストを一切かけずに部屋を仕切りたい場合は、既にある家具を使うと良いでしょう。

パネルドアやシェルフはやや高額になりますが、リフォームをするよりは安く済むので、候補に入れても良いでしょう。

パーテーションは多用途で実用的な間仕切りとして、さまざまな場所で使われています。素材や機能の違いによって、一時的なものから長期間使えるものまで幅広く対応が可能です。

パーテーションは主に木やプラスチック、ガラスなどで作られています。パーテーションは、取り付けが簡単で移動が可能なため、簡易的に部屋の中に部屋を作る方法として便利です。その利便性から、学校やオフィス、一時的な会場設営など多くの場所で使用されています。

一般家庭でパーテーションを設置する場合、背の低いパーテーションを用いるのが普通です。オフィスなどでは、壁のように天井まで届くパーテーションも使われますが、工務店などの工事が必要です。

背の低いパーテーションを使って部屋の中を仕切る方法は、設置に手間がかからないのが大きなメリットです。豊富な素材とデザインの中から選ぶことができ、低コストで設置できるものもあります。

【パーテーションで部屋を仕切るメリット】
・軽量で移動が簡単
・豊富な素材とデザイン
・低コスト

家庭で一般的に使われる背の低いパーテーションは上部が空き、遮音性が低いため、隣の物音が聞こえて耳障りに感じることもあります。また、開放感に乏しいうえ、シンプルなデザインのものが多いので、部屋が無機質な印象になることもあります。また、パーテーションが倒れると大変です。特に小さな子供やペットがいる場合は転倒しないような対策も講じておきましょう。

【パーテーションで部屋を仕切るデメリット】
・倒れることがある
・遮音性が低い
・開放感がない

アコーディオンカーテンは、楽器のアコーディオンのように蛇腹式で開け閉めができる仕切りのことです。素材やデザインの種類も豊富なアコーディオンカーテンの特徴を紹介します。

アコーディオンカーテンは手軽に開閉できて、カーテンを開ければ広いスペースを確保できるため、間仕切りのほか、ドアや目隠しとしても使われます。多くは塩化ビニール製で、汚れても拭くだけで容易に落とせます。閉めたときに狭く感じられるのが気になる人は、透明なタイプを選ぶと良いでしょう。 取り付けも、ネジを締める工具さえあればDIYで設置が可能です。ただカーテンはかなり重いので、2人以上で作業したほうが良いでしょう。

アコーディオンカーテンは必要に応じて開け閉めできるため、使い勝手が良いのがメリットです。取り付けもそれほど難しくはなく、自分で設置できます。
リーズナブルな製品も多く、コストも抑えられます。

【アコーディオンカーテンで部屋を仕切るメリット】
・設置が簡単
・コンパクトに収納できる
・低コスト

アコーディオンカーテンは完全に部屋を区切るわけではないので、遮音性が低くプライベートな空間を仕切るには不向きです。しかし、カーテンはかなり重量があるため、壁や天井の素材によってはレールを取り付けられないことがあります。また、簡単に取り外して洗うこともできません。

【アコーディオンカーテンで部屋を仕切るデメリット】
・遮音性が低い
・取り外しができない
・壁や天井の素材によっては設置できないこともある

パネルドアは、アコーディオンドアと同じ蛇腹式の仕切りで、アコーディオンカーテンより硬い素材でできています。

パネルドアは、スライド式または折りたたみ式のドアで、閉めることで部屋を仕切れます。。一般的に合成樹脂製で木目調のデザインが多く、パネル1枚ごとに採光用の窓がついているタイプもあります。アコーディオンドアと同様、工具さえあれば、自分でレールを取り付けられます。

パネルドアは自分で設置が可能で、パネルドアを閉めるだけで部屋を仕切れます。来客などで部屋を広く使いたいときは、開けるだけで十分です。デザインも豊富で、部屋の雰囲気に合わせてデザインや色を選べます。

【パネルドアで部屋を仕切るメリット】
・工具があれば容易に設置できる
・開け閉めだけで部屋を区切れる
・デザインや色が豊富

パネルドアは閉めたときも、スペースを取ってしまうため、間口が狭い場所では邪魔になってしまう可能性があります。また、天井や床の素材の強度が弱いとレールを設置できないのもデメリットです。

【パネルドアで部屋を仕切るデメリット】
・強度が弱い場所には設置できない
・閉めたときもスペースを取る

パーテーションやアコーディオンカーテンなどを設置すると、デザインや素材によっては、殺風景になることがあります。その点、シェルフを使って部屋を仕切ると、収納を増やすことができ、見せる収納もできます。部屋の雰囲気を壊さずに部屋を仕切ることもできるでしょう。シェルフを使って部屋を仕切る方法を紹介します。

シェルフは木や金属、樹脂などの素材があり、色やデザインもさまざまです。このため、部屋の雰囲気やスペースに合わせて、自由に仕切りとして設置できます。。また、本や装飾品、小物などを飾ってインテリアのような活用もできます。

シェルフを使用して部屋を仕切るメリットは、収納スペースを増やしながら部屋を区切ることができる点です。デザインが豊富でサイズ展開も多く、部屋のスペースに合った物を見つけられます。高さや幅などを調整することで圧迫感を抑え、開放感のある部屋にもできます。

【シェルフで部屋を仕切るメリット】
・物を収納できる
・デザインが豊富
・開放的な雰囲気を作れる

一般的に背板のない棚をシャルフと呼びます。このため、完全な目隠しにはならず、、遮音性もありません。音が隣のスペースに筒抜けになる点には気を付けましょう。また、組み立て式家具の場合、手間もかかります。
地震の際に転倒する恐れがあるので、耐震対策はしっかりやっておきましょう。

【シェルフで部屋を仕切るデメリット】
・目隠しにはならず、遮音性も低い
・組み立てが手間
・地震対策が必要

ロールスクリーンは、窓用ブラインドとしてよく使われますが、部屋の仕切りとしても活用できます。ロールスクリーンを使った仕切り方を紹介します。

ロールスクリーンは、上から下へスクリーンを引き下ろすことで、目隠しができます。 素材は多くの場合、ポロエステルで竹などの自然素材を使ったものもあります。取り付けも比較的容易で、 本体部分をネジで留めるだけです。突っ張り式のものもあります。

ロールスクリーンは容易に取り付けられるので、採寸さえしっかりやれば、すぐに設置できます。低価格の商品も多く、デザインも豊富なので、予算内で部屋の雰囲気にあったものも見つけやすいでしょう。部屋を広く使いたいときは、スクリーンを上げるだけなので、急な来客時にも対応できます。

【ロールスクリーンで部屋を仕切るメリット】
・取り付けが比較的容易
・デザインが豊富
・低価格帯から手に入る
・スクリーンを上げ下げするだけで仕切りを変えられる

ロールスクリーンは薄い素材で作られていることが多く、遮音性や遮光性の点で劣ります。ロールスクリーンは左右に隙間が空くので、そこから漏れる光が気になることもあります。また、スクリーンを上下するチェーンやコードが邪魔に感じられる人もいるでしょう。小さな子供がチェーンやコードで遊んで、壊してしまったり怪我をしてしまったりすることもあります。

【ロールスクリーンで部屋を仕切るデメリット】
・遮音性が低い
・遮光性が低いものもある
・隙間が気になる
・操作チェーンやコードが邪魔になる

わざわざ仕切りのための家具などを買いたくないという人もいるでしょう。その場合は、すでにある家具を使って部屋を仕切る方法があります。廃棄することを考えていた家具を活用すれば、無駄を減らすことにもつながります。仕切りとして使える家具には次のようなものがあります。

【仕切りとして使える家具の例】
・棚
・ソファ
・本棚
・カウンター

すでにある家具を仕切りに使うと、新たに家具などを購入するコストを抑えられます。また、不用品になりそうな家具を使うと環境に優しい方法だとも言えます。今まで部屋にあった物を使用するため、部屋のイメージを損なうことなく、模様替えも簡単です。

【すでにある家具で仕切るメリット】
・コストがかからない
・模様替えが簡単
・不用になりそうな家具を使えば環境に優しい

今まで家にあった家具を使用するため部屋のインテリアとは既に調和しているというメリットがあるものの、部屋を仕切るうえでは寸法が少し足りなかったり逆に大きすぎたりして、思う通りに配置できない場合があります。
また、大きめで存在感がある家具を仕切りに使うと、仕切りという印象より、家具としての本来の印象が強くなり、不自然な印象になることもあります。また、圧迫感がでて、窮屈な印象のある部屋になる場合もあります。

【すでにある家具で仕切るデメリット】
・配置が難しいことがある
・不自然な印象になることがある
・圧迫感がある

広いリビングを仕切って、それぞれが思い思いに過ごすスペースを作りたいということもあるでしょう。リビングスペースを仕切るときのアイデアを紹介します。

アコーディオンカーテンは取り付けが簡単で、すぐにプライバシーを確​​保できます。 リビングにアコーディオンカーテンを設置することで、必要なときにだけ部屋を区切ることができます。例えば、家族が多い家庭では、子供が勉強するときだけ部屋を区切るといった使い方もできるでしょう。

多機能シェルフは、収納スペースとしてだけでなく、部屋の仕切りとしても使えます。本や装飾品をディスプレイしながら、空間を自然に続けることができるため、リビングがすっきりと整理され、見た目にも美しい仕切りになります。

アコーディオンカーテンの柔軟性は、リビングスペースで特に有効です。場合によっては、来客時にカーテンを閉めて、個別の会話スペースを作れます。また、子供が遊ぶスペースと大人がくつろぐスペースを分けて、それぞれが思い思いに過ごすといった使い方もできます。

賃貸住宅では、壁を傷つけずに部屋を効果的に仕切る方法を考えることが重要です。取り外し可能なパネルドアやロールスクリーン、大きな家具を上手く使って、賃貸でも部屋を仕切れるアイデアを紹介します。

賃貸住宅で部屋を切る際には、突っ張り式のアイテムを活用しましょう。パネルドアのなかにも、突っ張り式で設置できるものがあります。これなら取り付けや取り外しが簡単で、賃貸の部屋でも壁や柱を傷付ける心配がありません。

ロールスクリーンにも突っ張り式のものがあり、壁や柱を傷付けないので賃貸住宅に適した仕切り方法です。リビングスペースを一時的に子供の遊び場や仕事のスペースに変えたいときに、ロールスクリーンを下ろすだけで簡単に空間を変更できます。使用しないときはスクリーンを巻き上げておけば、部屋に開放感が生まれます。

賃貸住宅で部屋を仕切りたい場合は、家具を利用するのが、退去時のトラブルにもならず安心です。例えばワードローブや本棚などを上手く配置することで、リビングとダイニングの明確な区分けが可能です。壁や柱を傷つけることなく、自由に空間をカスタマイズできます。

子供の数より部屋の数が少ない場合、子供部屋を区切る必要も出てきます。互いのプライバシーを守りながら、仲良く過ごせるアイデアを紹介します。

子供の場合、アコーディオンカーテンやパネルドアは扱いにくく、無理に開け閉めしようとして、壊してしまうこともあります。このため、普通のカーテンで仕切ったほうが良いかもしれません。こうすれば、きょうだいで部屋を使っていても、宿題や読書、趣味などをしながら思い思いに過ごせます。一人っ子でも、遊びエリアと勉強エリアを分ければ、メリハリの利いた生活を送れるかもしれません。

大きめの棚を子供部屋に置けば、おもちゃの収納場所ができ、部屋の仕切りにもなります。部屋が常に整理され、子供が遊ぶスペースと勉強するスペースの二つに分けることも可能です。

子供の成長に合わせて部屋のレイアウトを柔軟に変更できるように、移動可能なパーテーションを使うのも一つの方法です。子供が小さいときは広い遊び場として、大きくなるにつれて勉強するスペースやプライバシーが必要なエリアとして、部屋の用途を変えられます。

ただ、パーテーションは無理に動かそうとしたり、押したりすると倒れてしまう恐れがあります。子供の安全に配慮したうえで設置しましょう。

家の中に広い部屋がある場合、部屋を分けたほうが効率的に活用できることがあります。広い部屋を仕切って、より機能的に使うアイデアを紹介します。

広い部屋の中でエリアを明確にセパレートしたいときは、大型の書棚を利用すると良いでしょう。書棚は収納スペースとして機能するだけでなく、部屋の中で自然に空間を分割し、異なる活動エリアを作れます。例えば、リビングエリアと勉強エリアを書棚で仕切ることで、それぞれの目的に集中しやすくなります。

柄のあるパーテーションを使用すると、部屋を仕切ると同時にインテリアにもなります。特に広い部屋ではパーテーションは目を引き、部屋全体の印象にメリハリが出ます。パーテーションを利用した仕切りは、機能的なメリットだけでなく、デザインとしても印象に残ります。

広い部屋の仕切りとしてガラスのパーテーションを選択すると、空間を分けつつも光を通すため、部屋全体が開放的な印象になります。ガラスは光を遮ることなく、開放感を感じさせる素材です。小さな部屋や窓の少ない部屋とは異なり、広い部屋の利点を最大限に生かせます。移動や取り外しが簡単なものを選べば、レイアウトの変更も楽にできます。

部屋を仕切ることで、プライバシーの確保ができるうえ、さまざまな活用が可能になります。パーテーションやアコーディオンカーテンなどさまざまなアイテムの特徴を知って、自分のライフスタイルに合った部屋作りを楽しみましょう。