頻繁に使うシンク下とコンロ下を工夫して整理すると、効率良く調理できるキッチンになります。使いやすいキッチンにするための、シンク下・コンロ下収納のポイントを紹介します。

シンクは、食材の下ごしらえや、食器・調理器具の洗浄などのために使用します。そのため、シンク下には水回りで使用するアイテムや掃除道具、食器洗いに関連したアイテムを収納するのが適しています。シンク下にあるとすぐに調理や掃除ができて便利なアイテムを収納しましょう。

【シンク下に収納するもの】
・ザル
・ボウル
・サラダスピナー
・鍋
・包丁
・ゴミ袋
・洗剤
・スポンジ
・ふきん

コンロ付近は、主にガスや電気を使用して調理をする場所です。そのため、コンロ下は調理に使う器具や調味料、鍋類などを収納するのに適しています。コンロ周りで使用する洗剤や、キッチン雑貨を収納するのもおすすめです。自分のコンロ周りでの作業を思い浮かべて、コンロ下にあると使いやすいものをまとめて収納してください。

【コンロ下に収納するもの】
・フライパン
・鍋
・ふた
・油
・常温保存の調味料
・油汚れ用の洗剤
・グリルのパーツ
・コンロで使うクッキングシート

シンク下・コンロ下のどちらにも共通して、収納しない方がいいものは食品です。シンク下は湿気が多く、水漏れが発生するおそれがあります。また、コンロ下は熱がこもりやすい場所です。コンロで使用する油類や常温保存可能な調味類は問題ありませんが、湿気や熱に弱い食品類を置くことは避けましょう。

また、キッチン内の動線を考慮した際に、シンク下やコンロ下では使用しないアイテムや、キッチンと関係ないものは収納すべきではありません。

【シンク下・コンロ下に収納しない方がいいもの】
・食品
・シンク下、コンロ下で使わないもの
・キッチンで使わないもの

整理されていないシンク下やコンロ下を、使いやすい収納に変えたいと思う人は多いでしょう。シンク下とコンロ下の収納を作る具体的な手順を紹介します。

【シンク下・コンロ下の収納の手順】
1.不要なものは処分する
2.使用頻度や目的別に分類する
3.収納位置やラベリングで工夫をする

まずは、シンク下とコンロ下にあるものをすべて取り出し、何があるのかを把握します。使っているものと使っていないものに分け、必要ないものは処分してください。使っていないものは「いつか使うかもしれない」と、処分するのをためらう人もいるかもしれません。

1年以上使っていないもの、複数あるもの、今後も使わないと判断したものなどの基準を設け、当てはまるものは処分しましょう。

次に、残ったアイテムを、シンク下とコンロ下それぞれ使いやすい場所に収納できるように分類します。毎日使うものと、年に数回しか使わないものを同じ場所に収納するのは効率的ではありません。例えば、調理アイテムと掃除アイテムを秩序なく収納すると、使いにくいと感じるでしょう。

よく使用するアイテムはすぐに取り出せる場所に配置する、目的別に収納する場所を分けるなどの工夫をすると、使い勝手の良いキッチンになります。また、詰め込み過ぎると使いにくくなるため、頻度の低いアイテムは違う場所に収納する選択肢もあります。どのように分類するかで収納の効率が決まるので、しっかりと考えることが大切です。

最後に、収納する場所を決めていきます。使用する頻度が高いものは手前に、低いものは奥に収納するのが基本です。頻繁に使う調味料や調理アイテムは、すぐ出し入れできる位置に収納します。また、台所は立って作業する場所なので、上から見てどこに何があるかが一目でわかるように収納するのが理想です。

収納スペースが引き出しタイプの場合、ラベリングをすると見やすくなります。掃除用のアイテムやゴミ袋のストックは種類ごとに分けてラベルを付ける、調味料のキャップにラベリングするなどの工夫をしましょう。

シンク下・コンロ下の収納には、引き出しタイプと観音開きタイプの2種類があります。それぞれの特徴と基本的な収納方法を解説します。

引き出し収納のメリットは、何があるのかを一目で見渡せて、取り出しやすい点です。しかし、深さのあるスペースにただ詰め込むだけでは、せっかくのメリットが半減してしまいます。特にフライパンや鍋、ボウルなどの調理器具は、重ねて収納すると下のものが取り出しにくくなります。使いやすく、整理しやすい引き出し収納のために重要なのが、立てて収納することです。

引き出しに立てて収納すると、必要なものを簡単に取り出せて、調理の効率が上がります。立てる収納には、ファイルボックスや仕切りスタンドを活用すると便利です。大きさや種類ごとに整理すると、取り出しやすく使い勝手の良いスペースになるでしょう。また、引き出しの深さに合わせて、収納するものの高さを揃えることも重要です。

観音開き扉タイプの収納は、奥行きと高さがあり、大きなアイテムでも収納できるメリットがあります。ただし、奥のものが取り出しにくい点がデメリットです。使用頻度が高いものを手前に収納し、使用頻度が低いものやストック品を奥に収納するのが基本です。また、デッドスペースができてしまう場合や、配管があり収納スペースがいびつな場合もあります。

取り出しやすさを向上させるためには、スライド式ラックや引き出し式の収納トレーを使用するのが効果的です。収納するもののサイズや形状に合わせてラックやトレーを選びましょう。また、ファイルボックスや収納ケースを使うと、細かいものを整理できます。

自宅のシンク下収納が引き出しタイプの人に向けて、収納アイデアを5つ紹介します。ファイルボックスやブックスタンドを引き出しの収納で活用する方法も解説しますので参考にしてください。

シンク下の引き出しには、水回りで使用するボウルやザル、鍋などの調理アイテムや、食器類を収納します。それらを立てて収納するために、ファイルボックスやブックスタンドを使うのが便利です。重ねて収納すると下にあるものを取り出しにくくなりますが、立てて収納すれば何があるかが一目でわかり、簡単に取り出せます。

ファイルボックスはサイズ展開が豊富で、ブックスタンドは幅を調整できる商品が数多くあります。引き出しに収納したいアイテムの大きさに合わせて、適切なサイズを選択してください。

シンクで使用する掃除アイテムやスプレー類などは、引き出しの大きなスペースに入れると、細かくて散乱しがちです。こうしたアイテムは、フックに引っ掛けて収納すると整理しやすくなります。ファイルボックスに引っ掛ける収納バーは、布巾やごみ袋などを掛けておくのにも便利です。

シンクで使用する水切りネットやビニール手袋、スポンジなどの消耗品は、引き出しからすぐ取り出せる状態で収納すると便利です。メイクボックスのような、細かいものを収納するケースを活用しましょう。袋から全て取り出して、アイテムごとにケースに入れ替えておくと、引き出し収納の使い勝手が良くなります。

引き出しの扉の裏はデッドスペースになりやすいですが、うまく活用すればシンク下の収納力が上がります。扉の裏にフックを貼り付けると、スポンジやブラシなどの掃除アイテムや、計量カップなどの調理グッズを掛けられます。引き出しの扉を開ければすぐに手が届くので、頻繁に使うものを収納するのに最適です。

シンク下の引き出しは、深さがありデッドスペースができやすい場所です。引き出しの中にラックを設置して、高さのある空間を上下に区切ると無駄がありません。上段がスライドする引き出し専用のラックを設置すれば、下段に収納した引き出しの奥のものも簡単に取り出せます。

シンク下が観音開きの場合には、どのような収納アイデアがあるのか、5つの方法を紹介します。より使いやすいキッチン収納にするための参考にしてください。

観音開きタイプのシンク下は大きな空間のため、コの字ラックを設置してスペースを分けると収納力が上がります。鍋やボールなどの大きな調理アイテムを収納するのに適しています。さらに細かく整理したい場合は、コの字ラックに収納ケースやファイルボックスを組み合わせるといいでしょう。

シンク下の配管などで収納グッズを設置しにくいときは、突っ張り棒を利用しましょう。突っ張り棒を2本設置し、棚板やワイヤーネットを組み合わせると、棚のように使用できます。また、突っ張り棒にS字フックやワイヤークリップなどを取り付ければ、掃除アイテムやスプレーボトルなどを引っ掛けて収納可能です。

シンク下のスペースは、配管などで複雑な形状をしているケースが多く見られます。幅や高さを自由に調整できる伸縮式ラックは、デッドスペースを活用できるので、収納力が上がり整理しやすくなります。鍋やフライパンを種類ごとに分けて収納したり、収納ボックスを組み合わせて細かいアイテムを収納したりと、さまざまなアレンジが可能です。

観音開きタイプの扉裏は、隠れた収納スペースです。シンク下の扉裏にウォールポケットを取り付けてごみ袋やスポンジなどを収納したり、吸盤フックを貼って掃除用のアイテムを引っ掛けたりと、細々したものの整理に重宝します。すぐに手が届く場所なので、普段からよく使うアイテムを置いておくと便利でしょう。

引き出し式の収納ケースを設置すると、奥のものを取り出しにくい観音開き収納のデメリットを解消できます。種類や用途ごとにものを整理すると、どこに何があるかが一目でわかり、取り出しやすくなるでしょう。シンク下のスペースを測り、引き出し収納ケースを取り入れる際は、幅・奥行き・高さが適切に収まるかを事前に確認しておくと、無駄なスペースができません。

コンロ下の引き出しタイプの収納を有効活用できるおすすめの方法を5つ紹介します。収納力が上がり、使いやすくなるアイデアなので参考にしてください。

コンロ下の引き出しには、コンロ周りで使用するフライパンや鍋のふたなどを収納すると、使いやすい動線になります。調理アイテムを取り出しやすくするために、ファイルボックスやブックスタンドを設置し、上から見えるように立てて収納すると便利です。また、ブックスタンドは、トレーやまな板を立てて収納するのにも向いています。

引き出しを開けた瞬間に、どこに何があるかが一目でわかるよう、ラベリングすると調理中のストレスが軽減します。コンロ周りで使用する油や調味料を収納する場合、キャップやふたにラベリングしておくと便利です。市販の収納ケースを使用しているなら、ケースに中身を書いておくと、誰でもスムーズに片付けや取り出しができます。

深さのあるコンロ下の引き出しは、大きなアイテムの収納に向いており、小さなものは散らかりがちです。伸縮式のキッチンラックを導入すると、小物を収納しやすくなり、引き出し内のデッドスペースを有効に活用できます。2段で収納でき、奥のものが取り出しやすくなるため、調味料などの細かいアイテムを引き出し内にまとめて置くのに役立ちます。

市販の伸縮式スタンドを使用すると、コンロ下の引き出しを整理しやすくなります。伸縮式スタンドは、幅を自由に調整できるため、鍋やフライパンなどの大きさや形状が異なるものの収納にも困りません。鍋やフライパンなどを引き出しに立てて収納すると、どこに何があるかが一目でわかり、取り出しやすさも向上します。

コンロ下の引き出しに突っ張り棒を設置し、スプレーなどを引っかけて収納すれば、デッドスペースを活用できます。また、突っ張り棒は収納するものに合わせて自由にスペースを区切れる点もメリットです。鍋のふたや調味料など、自立しにくいものや細かいものも散らからずきれいに整理できます。

コンロ下の観音開きタイプの収納に活かせるアイデアを5つ紹介します。簡単に収納力をアップできる方法をまとめましたので参考にしてください。

観音開きタイプのコンロ下の大きなスペースを活かすために、伸縮式ラックを設置して整理しやすくしましょう。スペースや収納したいアイテムによって、1段もしくは2段のラックを置くと、収納力が向上します。ラックだけでなく、収納ケースやファイルボックスなどと組み合わせると、細かなアイテムを収納可能です。

観音開きタイプのシンク下に、収納しやすいスペースを作るために便利なアイテムがファイルボックスです。鍋などの立てて収納したいアイテムをファイルボックスに入れると、取り出しやすくなります。また、コンロ周りに使う洗剤などを収納するのにも便利です。横から見た時に何が入っているかがわかるよう、ラベリングしておくと使い勝手が良くなります。

観音開きタイプの収納は高さがあるため、上部の空間がデッドスペースになりやすい点がデメリットです。コンロで使用する鍋のふたやフライパンなどは、スタンドラックに立てて収納すると、空間を有効に利用できます。ふたやフライパンを種類ごとに分けて収納すると、どこに何があるかが一目でわかり、整頓しやすくなるでしょう。

コンロ下の空間を上下に分けるために、突っ張り棒を利用するのもアイデアの一つです。突っ張り棒を2本設置し、棚板やケースを組み合わせると、棚として使用できます。突っ張り棒は、重すぎるものを置くと落下するおそれがあるので、小物類の収納に向いています。

コンロ下の観音開きの扉裏を有効に利用すると、収納力がアップします。例えば、ワイヤーネットを扉裏に設置し、フックやカゴなどを組み合わせれば、調理アイテムや調味料の収納が可能です。他にも、ウォールポケットや収納ケースを取り付けると、ホイルや輪ゴムなどの小物を置けます。扉の開閉を妨げないように、厚みのあるものは避けましょう。

シンク下・コンロ下に便利な収納をつくっても、使いこなせなくては意味がありません。シンク下・コンロ下の収納について留意しておくべきポイントを5つ紹介します。使い勝手の良いキッチンを作るための参考にしてください。

【シンク下・コンロ下収納のポイント】
・利き手に合わせた収納をする
・ものを収納しすぎない
・食品はシンク下に収納しない
・出したものはすぐに収納する
・アイテム数・ストック数を決める

キッチンの使いやすさを左右するシンク下、コンロ下収納では、利き手を考慮することが重要です。右利きの人は右側に使用する頻度の高いものを、左利きの人は左側に配置することで、作業の効率が向上します。例えば、コンロ下の場合、右利きの人は右側にフライパンや調味料を、左利きの人は左側に配置すると、スムーズに調理を進められます。

シンク下の場合、右利きの人は右側に洗剤やスポンジを、左利きの人は左側に配置すると食器洗いをスムーズに行えるでしょう。利き手を考慮した収納は、日々の調理や片付けのストレスを軽減し、より快適なキッチン環境を実現します。

シンク下・コンロ下の収納スペースは限られています。ものを詰め込みすぎると、必要なものを取り出しにくくなり、使い勝手が悪くなります。収納するものは、本当に必要なものだけに厳選しましょう。使用する頻度の低いものや、賞味期限が切れた食品、壊れた調理アイテムなどは思い切って処分することが大切です。

また、収納するものの量を決めておくことも重要です。フライパンは3つまで、調味料はこれだけ、のように上限を決めておくことで、ものが増えすぎるのを防ぎます。収納スペースに余裕を持たせることで整理がしやすくなり、使い勝手の良いキッチンを維持できます。

シンク下は湿気がこもりやすく、食品の保存には適していません。食品をシンク下に収納すると、カビが生えたり、品質が劣化したりするおそれがあります。特に、開封済みの食品や調味料は、湿気を吸収しやすく傷みやすいので注意が必要です。食品は風通しの良い場所や、冷蔵庫・冷凍庫に保存しましょう。

シンク下は、洗剤やスポンジなどの掃除用の用具や、調理用のアイテムなどを収納するのに適しています。さらに、調理用と掃除用のアイテムを分けて収納すると、衛生面から見ても安心です。

調理中や片付け中に使ったものは、すぐにもとの場所に戻すことを習慣にしましょう。出しっぱなしにすると、キッチンが散らかり、作業スペースが狭くなります。また、次に使うときにどこにしまったか探す手間も省けます。

シンク下の扉裏にフックを取り付け、使う頻度の高い調理アイテムを吊るして収納するのもおすすめの方法です。使ったものをすぐに収納する習慣がつくと、キッチンを常に清潔で整理された状態に保てます。

最初は収納スペースに収まっていたのに、いつの間にかものが増えて使いにくくなった経験がある人もいるでしょう。シンク下・コンロ下の収納では、アイテム数とストック数を決めることが重要です。アイテム数を決めておくと、無駄なものを増やさずに済みます。例えば、ボウルは大・中・小の3つまでというように、上限を決めておきましょう。

また、ストック数も同様に上限を決めておくと、安いから買うなどの無駄な購入を防げます。例えば、洗剤のストックは1つまでと、具体的な数を設定しておくのが賢明です。アイテム数とストック数を決めることにより、収納スペースを有効に活用し、整理されたキッチンを維持できます。

シンク下・コンロ下を使い勝手の良い場所にするには、アイテムを出し入れしやすく収納することが重要です。ケースやファイルボックスなどのグッズを上手に活用したり、伸縮ラックを設置したりと、自分のキッチンに適した収納方法を取り入れましょう。