クローゼットや押入れに棚がないと、スペースを十分に活用できず、上手に物を整理して収納できません。しかし、限られたスペースも工夫次第で効率的に活用でき、使い勝手の良い収納場所に改善できます。

棚がない場合、床に物を直接置くことになりますが、これでは下に置いたものを取り出しにくく、不便です。特に賃貸住宅では壁に穴を開けたり、釘を打ち付けたりできないため、新たに棚を設置することはできません。リビングの収納スペースやウォークインクローゼットを最大限活用するには、縦のスペースも含めた空間全体を考えた収納法が効果的です。
具体的には次のような5つの方法があります。

・壁面収納を活用する
・吊るす収納を活用する
・収納ケースを活用する
・ハンガーラックを活用する
・DIYで中に棚を作る

クローゼットや押入れに棚がない場合でも壁面を活用すれば、収納場所を増やすことができ、限られたスペースでも効率的に収納できます。壁面を活用するためのアイデアや、収納家具を紹介します。

クローゼットや押し入れの中の壁に壁面収納の家具を設置すると、収納場所が増えます。高さを自由に調整できる製品が多く、そうしたものを選ぶとクローゼットや押し入れの大きさに合わせて設置できますし、後から場所を見直すこともできて便利です。賃貸住宅でも突っ張り棒と板を組み合わせれば、壁を傷つけずに簡易的な棚が作れます。

吊り下げ収納は床面積を取らずに収納スペースを増やせて、小物や衣類をコンパクトに整理できる方法です。立ったままの目の高さで必要なものをすぐに見つけられるため、床に置いたときとは違い、屈んだり中身を取り出したりする手間が省けます。跡の残りにくい粘着テープもあるので、そうしたテープで取り付ければ壁に穴を開ける必要がなく、賃貸住宅でも設置が可能です。

吊るす収納は床に物を置かずに整理でき、クローゼットや押し入れの中の上部の空間を活用する収納法です。必要なものをすぐ見つけられるだけでなく、衣類をハンガーで吊るすことで型崩れやシワを防げます。また、スカーフやネクタイなどの小物類も専用のハンガーで吊るすと、取り出しやすくなります。

天井から衣服を吊るせば、デッドスペースになりがちなクローゼットや押し入れの上部を活用できます。衣類やコートなどの重いアウターを吊るしておけば、型崩れを防ぎながら収納できます。吊るす高さを調整すれば、様々な物を収納できるので便利です。

クローゼットや押し入れの中にラックを置いて、フックやハンガーを吊るせば、壁に穴を開けずに収納が可能です。S字フックを使って小物を吊るすとコンパクトに整理でき、スペースを有効活用できます。特にコーナーラックを設置すれば、角のスペースも無駄なく使えます。

押入れに棚がなくても収納ケースを置けば、整理整頓がしやすくなります。床に直接置くだけで使えて、種類も豊富なのでスペースや用途に合わせて選べる点も便利です。

ハンガーラックはクローゼットや押入れ内に設置するだけなので、手間がかからず、壁や床を傷つける心配もありません。棚がない場合も衣類をきれいに整理でき、種類も豊富なので用途に合わせて選べます。また、ハンガーで吊るすことで衣類のシワを防ぎ、見た目も美しく保てます。

サイドラック付きのハンガーラックをクローゼットの中に置くと、衣類だけでなく小物も一緒に収納できて便利です。バッグ、ベルト、メガネなどをすぐに取り出せる場所に掛けられるため、整理が格段に楽になります。多くの製品は下部に追加の棚も備えており、靴や帽子、アクセサリーボックスなどもクローゼットに収納しておけます。

押入れに棚がない部屋でも、DIYができれば、クローゼットや押入れのサイズに合った収納スペースを作れます。市販品と比べてコストを抑えられる点もメリットです。また、DIYでは自分の好みや用途に合わせて細かくカスタマイズできるので、使い勝手の良い収納スペースを作れます。DIYの初心者でも挑戦しやすい方法を紹介します。

DIYが苦手な方でも突っ張り棒を使えば、押入れやクローゼットの上部空間に簡単に棚を作れます。設置時は、突っ張り棒の長さを設置場所より少し長めに調整すると、しっかり固定されて安定します。棚板には軽量なすのこが適しており、安定性を高めるために滑り止めシートを敷くと安心です。

1.クローゼットの幅を測り、突っ張り棒と棚板のサイズを確認する
2.突っ張り棒2本を、棚を設置したい高さの手前と奥に、水平になるよう取り付ける
3.突っ張り棒の上に棚板を載せる
4.必要に応じて棚板が滑らないよう固定する