椅子には様々な種類があり、それぞれサイズ・高さ・タイプ・デザインなどが異なります。椅子の種類や特徴を把握して、使う場所や用途に合った椅子を選ぶことが重要です。本記事では、椅子やチェアの種類を用途別にし、全部で15の椅子のスタイルをご紹介します。椅子の各部位の名称や、椅子に使われる素材についてもご紹介しますので参考にしてください。

くつろいだりリラックスしたい時におすすめの椅子の種類とその用途は、以下の通りです。
・ソファ：リビングなどでくつろぐ椅子
・カウチ：寝そべって使う椅子
・座椅子：床や畳に座る時に使う椅子
・イージーチェア：楽な姿勢でくつろげる椅子
・ラウンジチェア：主にラウンジで使う椅子
・ロッキングチェア：深く腰掛けられる椅子

上記の椅子は、脚の長い椅子が少なく、座面の高さが低いものが多いのが特徴です。リビングなどでくつろぎたい時や、パーソナルスペースや一人の時間を重要視する方におすすめです。ここでは、リラックスする時に適した椅子を、具体的な用途も交えて6つご紹介します。

「カウチ（couch）」には寝転がることができるという意味があり、「寝椅子」と呼ばれることもあります。ソファで横になったり脚を延ばしたりしてリラックスしたい方におすすめです。

一般的には背もたれが低く肘掛があるものが多いですが、片側だけに肘掛けや背もたれがあるものや、座面が縦長のものなど様々なデザインがあります。カウチは大きいサイズが多いため、置き場所を確保してから購入しましょう。

「座椅子」とは、床や畳に座る時や正座する姿勢を補助するために使う高さの低い椅子で、「フロアチェア」と呼ばれることもあります。座椅子を使うと、床や畳に直接座るよりも脚やお尻の痛みを軽減できるのがメリットです。和室で使われることが多い椅子ですが、近年はリビングで活用している家庭も多いです。

座椅子は座面が薄いものが多くお尻に負荷がかかりやすいため、座布団やクッションを敷いて使うと良いでしょう。また、座椅子に座ると立ち上がりにくいため、足腰の弱い方には適していません。

「イージーチェア」は、楽な姿勢でリラックスできる、高さの低い1人掛け用の椅子のことを指します。リビングやサンデッキなどで使っている家庭が多く、「安楽椅子」や「リラックスチェア」とも呼ばれます。座面はソファよりも低くて広いうえにクッションが硬めで沈み込みにくく、背もたれに傾斜があるため、読書をしたり映画を鑑賞したりする時にもおすすめです。

シートのウレタンの強度が低いイージーチェアに長時間座ると腰に負荷がかかるため、ウレタンの強度が確保されている商品を選んでください。

「ラウンジチェア」は、ホテルや空港などのロビーや待合室などのラウンジで使うことの多い1人掛けの椅子です。背もたれに傾斜があり幅が広く奥行きがあるデザインが特徴で、用途としては、ラウンジでゆったりと会話をしたりくつろいで過ごしたりする時に適しています。ラウンジチェア単独で使うほか、オットマンと組み合わせた使い方もおすすめです。

「ロッキングチェア」は、椅子の脚に婉曲したパーツを使ってデザインされているのが特徴です。座って身体の重心を動かすとゆったりとしたリズムで前後に揺れるため、「揺り椅子」とも呼ばれており、リラックスしたい時に最適な椅子です。背もたれの高さがあり傾斜がついているため、深く腰掛けることができ、長時間座っても疲れにくくデザインされています。

食事をする時に使う椅子の種類と用途は、以下の通りです。
・カウンターチェア：バーなどのカウンターで使う椅子
・ダイニングチェア：ダイニングで食事をする時に使う椅子

「カウンターチェア」と「ダイニングチェア」の大きな違いは、脚の長さです。食事をする時のテーブルのサイズや高さに合う椅子を選ぶことが重要です。ここからは、食事用の椅子の種類や具体的な用途・特徴をご紹介しますので、参考にしてください。

「カウンターチェア」は、バーやキッチンカウンターなどのカウンターで座る用途として作られた脚の長い椅子のことを指し、スマートなデザインが多いのが特徴です。カウンターチェアを購入する時は、座る人の身長ではなくカウンターの高さを基準にして、テーブルの高さよりも座面が25〜30cm低いものを選ぶことが重要です。

「ダイニングチェア」とは、ダイニングスペースで食事をする時に使う椅子で、背面が約90度になっているのが特徴です。ダイニングテーブルとセットで売られているものを使うと、統一感のある見た目になります。カフェやラウンジのように会話を楽しみながらリラックスして食事をしたい時は、肘掛けのついた椅子を選ぶのがおすすめです。

仕事をする時に適した椅子と用途は、以下の通りです。
・アームレスチェア：短時間の作業に適した椅子
・デスクチェア：長時間の作業に適した椅子

仕事用の椅子は、作業時間に応じて選ぶと良いでしょう。ここでは、仕事をする時におすすめの椅子を2つご紹介しますので、デスクワークをしている方は参考にしてください。

「アームレスチェア」とは肘掛けの無い椅子のことを指し、短時間の作業に向いています。主に背板と座面で構成された椅子で、ダイニングやリビング用などの種類もあります。場所を取りにくくコンパクトなため、仕事をする時の机と一緒に使う方も多いです。肘掛けに身体がぶつかることがないため、「立つ・座る」の動作がしやすく、小さな子供がいる家庭でも安心して使えます。

「デスクチェア」は、机でPC作業や勉強などをする時に使う椅子のことを指し、「ワークチェア」や「オフィスチェア」などと呼ばれることもあります。デスクチェアには、ヘッドレストやアームレストが付いたものや、昇降・リクライニング・ロッキングなどの機能を備えたものが多く、長時間座っても疲れにくいようにデザインされています。

食事や仕事などをする時以外に使う椅子の種類と、主な用途をご紹介します。
・ベンチ：数人掛け用の横長の椅子
・スタッキングチェア：省スペースで保管したい時に便利な椅子
・フォールディングチェア：省スペースで保管できて持ち運びしやすい椅子
・スツール：補助的な椅子
・オットマン：椅子やソファなどと併用する椅子

玄関に置くと便利なものや保管しやすいものなど、あると便利な椅子が多くあります。ここでは、今までご紹介してきたジャンル以外の椅子を、具体的な特徴や用途とともにご紹介します。

「ベンチ」とは、2人以上が座れる横長の椅子のことで、背もたれや肘掛けがないデザインのものが多いです。公園や広場などに設置されるのが主流ですが、家庭でもダイニングの床に置く活用方法があり、玄関に置いて靴の着脱時に使用することもできます。

背もたれのないベンチは、開放感があって逆向きにも座れる一方でくつろぎにくいため、リラックスして座りたい方は背もたれ付きのベンチがおすすめです。

「スタッキングチェア」は、積み重ねて省スペースで保管できるようにデザインされた椅子です。一般的には約4脚重ねられますが、重ねすぎると重心が前になって倒れやすくなります。飲食店や会議場などで活用されており、家庭ではダイニングチェアとして使われることが多いですが、背もたれや座面にクッション性がないものは長時間座るには不向きです。

「フォールディングチェア」は、使わない時に脚を折り畳めるうえに持ち運びがしやすいため、一般的な椅子よりも場所を取らずに保管できます。会議室などでよく使う金属製のパイプ椅子も、フォールディングチェアの一種です。フォールディングチェアは補助的な役割の椅子で、他の椅子と比べると座り心地や耐久性は劣るため、ゲストに座ってもらうには不向きです。

「スツール」とは肘掛けや背もたれのない椅子のことを指し、座面が丸いものが多いことから「丸椅子」と呼ぶ人もいます。脚が長いものや座面の下に収納スペースがあるものなど、様々な種類があります。コンパクトなスツールは、キッチンに設置するほか、子供やゲスト用として補助的に使ったりすることも可能です。

「オットマン」は、椅子やソファの前に設置して足を乗せて使う高さの低い椅子で、座面に革や布を張ったデザインが多いです。背もたれや肘掛けがないため、「フットスツール」とも呼ばれます。1人掛けのソファと組み合わせてカウチとして使ったり、3人掛けのソファと併用してL字型ソファにしたりと、ソファとの組み合わせで様々なレイアウトが楽しめます。

椅子の各部位の名称は、以下の通りです。
・座面
・背面
・脚
・フレーム・芯材
・肘掛け

「座面」は、椅子に座る時にお尻を乗せる面で、椅子には欠かせない部位です。座面は「張座」と「板座」に大別され、張座はウレタンや中綿のクッション材に合皮・皮革・繊維などの張地を施し、板座は合板や無垢材のような材木で作られたものです。「背面」は、椅子に座った時に背中を預ける部位を指し、座面と同様に「背張」と「背板」があります。

「脚」は座面を支える役割をもつ部位で、主に木製とスチール製の2種類の素材から作られます。一般的な4本脚のもののほか、ループ脚や丸ベース脚などの種類があるのが特徴です。

「フレーム・芯材」は、座面・背面・脚を設置するための椅子の骨格にあたる部位で、強度が良いものほど椅子の耐久性が高くなります。「肘掛け」は座った時に肘を置く部分で、フレームを延長して作られることが多いです。

椅子には、どのような素材が使われているのでしょうか。ここでは、椅子の生地と木材に使われることの多い種類をご紹介しますので、参考にしてください。

椅子の生地には、主に以下のような種類の素材が使われています。
・ファブリック
・ビニールレザー
・ソフトレザー
・本革
・スエード調人工皮革

「ファブリック」は、ウール・ナイロン・レーヨンなどを使って織った布地を指します。様々な種類の色があり、織り方で柄の出方に違いが出るのが特徴で、使用する糸で触り心地や見た目の印象も変わります。

「ビニールレザー」は塩化ビニールで作られた素材で、見た目は艶があり、肌触りは硬くツルツルとなめらかです。「ソフトレザー」はウレタン製の革を指し、本革のような肌触りや見た目が特徴です。ビニールレザーよりも柔らかくもっちりとした触感で、本革より伸縮性があります。

「本革」とは人工皮革や合成皮革以外の動物の皮で製造された素材です。椅子の素材で本革と言うと牛の皮を指すことが多く、見た目は艶や高級感があります。「スエード調人工皮革」は天然スエードに近い風合いの生地を指し、技術の進化により品質や機能性に優れており、滑らかで質の高さが特徴的な素材です。

椅子に使われる木材は、主に以下のような種類が挙げられます。
・ブナ
・オーク
・ラバーウッド
・ホワイトアッシュ
・ウォールナット
・カバ
・チーク

「ブナ」の木目は濃淡の差が少なくキメが細かいのが特徴で、加工しやすく割れにくい性質があり、しなやかで弾力性が高いため椅子の背やフレームに使われます。「オーク」は「虎斑（とらふ）」という木目があり、重厚感と耐久性が高く、業務用の家具の材料としても使われている素材です。

「ラバーウッド」は硬さがあるにも関わらず加工性や強度が高いため、椅子や天板に使われます。「ホワイトアッシュ」は重厚ながらもしなやかさがあり加工しやすい素材で、木目が美しく衝撃にも強いのが特徴です。「ウォールナット」は木肌が美しく、装飾性に優れているため高級家具に使われることが多いです。

「カバ」は程よい硬さときめの細かい木肌をもち、家具のほか床の素材にも使われます。「チーク」は耐候性や耐久性が高くて粘りがあり、木目が美しい綺麗な素材で、使い続けるうちに材面の色に深みが出て落ち着いた雰囲気になります。

椅子には様々な種類があり、サイズや高さ・背もたれや肘掛けの有無などが異なります。椅子のデザイン性や機能性だけでなく、用途や設置する場所に合う椅子を選ぶことも重要です。この記事を参考に、椅子の種類・名称を知って、椅子を購入する際に役立ててください。