ソファや椅子などの家具を探していると、スツールをよく見かけます。「スツール」とはどんな意味なのでしょうか。ここでは、スツールとはどのような家具なのかをご紹介します。

「スツール」とは、背もたれやひじ掛けがない1人用の椅子のことです。一般的な椅子よりもコンパクトなものが多く、来客時に椅子が足りない場合にサッと出せたり、サイドテーブルとしても使用できます。シンプルですが用途が広く、リビングやキッチンなどで短時間座りたい際にもおすすめの家具です。

スツールと混同しやすい家具として、「オットマン」や「椅子（チェア）」などが挙げられます。ここでは、スツールと混同しやすい家具との意味の違いを詳しく紹介するので参考にしてみてください。

スツールとオットマンは似た形状をしており区別しにくいですが、主に使用目的が異なります。「スツールは座るための家具」で、「オットマンは脚を伸ばしてリラックスする際の足置き」です。また、オットマンはソファや椅子などの家具とセットで販売されていることが多いアイテムです。両者に明確な違いはないため、スツールを足置きとして使い、オットマンは座って使っても構いません。

スツールと椅子（チェア）の違いは、背もたれの有無です。「椅子」は背もたれがあり、食事や仕事などのシーンで使用されることが多く、背もたれに身体をあずけてゆったりくつろぐことができます。長時間座っても快適な座り心地を維持する機能やデザイン性にこだわったものが多くあります。

一方で「スツール」は、短時間の使用を想定しているため背もたれがなく、座り心地よりもデザイン性や安定性が重視される傾向にあります。また、椅子はテーブルやデスクなどとセット販売になっているものもありますが、スツールは単体で売られているケースがほとんどです。

スツールとベンチの違いは、幅の広さです。スツールは背もたれがない1人用の椅子ですが、ベンチは2人以上が腰掛けられる家具のことを指します。スツールはコンパクトなのが魅力で、ベンチは複数で座る際に重宝します。それぞれのメリットがあるため、シーンによって使い分けましょう。

1人用の椅子として重宝するスツールですが、さまざまな種類があります。ここでは、代表的なスツールの種類と、それぞれの特徴や用途もご紹介しますので、参考にしてみてください。

ソファスツールは、ソファのような座り心地や材質が特徴です。1人掛けソファや2人掛け以上のソファとセットで販売されていることもあり、足置きとしても使用できます。ソファとセットであれば、統一感のあるインテリアになります。

スタッキングスツールは、積み重ねて収納できます。複数のスツールを1ヶ所にまとめて置けるため、収納スペースにも困りません。来客人数が多いお宅におすすめで、デザイン性が高いものは積み重ねるだけでもおしゃれなインテリアになります。

折りたたみスツールは、脚の部分をたたんでフラットな形状にすることができます。折りたためばコンパクトになるため、押し入れなどの隙間にも収納可能で場所を取りません。予備の椅子として収納しておくと、来客時も重宝するでしょう。また、持ち運びしやすいため、キャンプなどのアウトドアでも活躍します。

ミニスツールは座面が低いのが特徴です。子ども用の椅子として使うのはもちろん、スマホやメガネを置くサイドテーブル、靴ひもを結びたいときにちょっと座るといったことにも重宝します。植物を飾るなどのディスプレイ用の棚としてもいいですね。コンパクトで使い勝手が良く、幅広い用途に活用できます。

ハイスツールは脚が長く、座った時に床から足裏が離れるため、足置きが付いているのが一般的です。高さのあるテーブルに合わせて使用されることが多く、レストランやカフェなどの飲食店でもよく見かけます。近年では住宅でも取り入れる方が増加しており、キッチンカウンターで使用すればおしゃれな雰囲気になります。

キッチンスツールは、キッチンで使うことが想定されており、一般的なスツールは4本脚ですが、狭いキッチンでも使いやすいようにコンパクトさを重視する傾向にあるので、3本脚になっているものも多くあります。座りながら下ごしらえをしたいときや、煮込み料理中などの待ち時間に腰掛けられるため便利です。ちょっと物を置きたいときにもサイドテーブルとして使えます。

バースツールは高さがあるカウンター用の椅子で、一般的なスツールと比べて脚が長いのが特徴です。細長くスマートなデザインで、キッチンカウンターで食事する際やハイデスクで作業する方におすすめです。

スツールは通常背もたれがないとされていますが、近年では「背もたれあり」の商品も販売されています。椅子のような形状のものや、ほんの小さな背もたれが付いたローバックのスツールなど種類も豊富です。なお、背もたれはリクライニング機能などがないシンプルなものが一般的です。

スツールは種類が豊富ですが、選ぶ際のポイントは何なのでしょうか。ここでは、何を基準にスツールを選べば良いか分からない方に、スツールを選ぶ際のポイントをご紹介します。

スツールは、合わせる家具とのバランスを考慮して高さを決めましょう。ベッド脇などにサイドテーブルとして置く場合は、ベットの高さからプラス10cmまでの高さのスツールを選ぶと使いやすいです。一方でテーブルやカウンターなどで使用する場合は、スツールの座面からテーブル天板までの高さが27〜30cmのスツールを選びましょう。

スツールの選び方として、座面の広さに着目することも大切です。一般的に1人用のスツールの幅は30〜50cmのため、体格が大きい方は50cm、子どもや小柄な方は30cm〜など使いやすい幅を選びましょう。また、ダイニングテーブルに合わせて使う場合は、立ち座りがしやすいスペースも考慮してスツールの幅を選ぶと失敗しにくいです。

強度や安定性の高さを重視する方は、4本脚のスツールを選びましょう。3本脚のスツールよりも4本脚のスツールの方が強度が高く、立ち座りの動作などでもぐらつくことが少ないため快適です。また、脚が短いボックスタイプのスツール、脚なしタイプのソファスツールも安定感があるためおすすめです。

スツールを選ぶ際は、デザインにこだわるのもおすすめです。花形やキノコ形などおしゃれな形のスツールも販売されており、色や形によって部屋の雰囲気が変わります。例えば座面が「丸型」のスツールは圧迫感がなく、「四角型」はスタイリッシュな印象です。

また、スツールが他の家具と調和するかも重要です。クッションカバーや壁紙の色など、インテリアスタイルに合わせたデザインのスツールを選ぶと馴染みやすくなります。小物の収納スペースが足りないと感じている方は、「収納付きスツール」を選ぶのもアイデアです。デザインも豊富にあります。

スツールの素材と特徴は、以下の通りです。

【素材と特徴】
・木製：自然のぬくもりが感じられる
・天然素材（ラタンなど）：リゾートやアジアンな雰囲気を演出できる
・ポリエチレン：水をはじく

選ぶスツールの素材によっても、部屋のイメージが変わります。ラタンやヒヤシンスなどの天然素材を編み込んだスツールをリビングで使えば、安らぎを感じられる非日常的な空間を演出できます。ライトブラウンはナチュラルな感じがあり、ダークブラウンなら高級感があってスタイリッシュな雰囲気になります。

木製のスツールは、ナチュラルでおしゃれな雰囲気が演出できるため人気です。インテリアのスタイルを選ばないのでコーディネートもしやすいでしょう。屋外でスツールを使用する場合は、ポリエチレン製のスツールがおすすめです。ポリエチレン製のスツールは水をはじくため、天候を気にせずベランダやバルコニーに設置できます。

設置場所や用途によってスツールを選ぶのもおすすめです。スツールはリビングやキッチン、寝室などさまざまな場所で使用できます。また、スツールは座るだけでなくサイドテーブルやインテリア、足置きなど用途が幅広いのも魅力です。リビングなど場所別での活用方法は、次項で詳しくご紹介するので参考にしてみてください。

スツールは座るだけでなく、インテリアやサイドテーブルなどさまざまな使い方ができる便利な家具です。ここでは、リビングや寝室など場所別のスツールの活用方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。

暮らしの中心であるリビングでスツールを使う場合は、ソファなどの大きな家具と合わせましょう。飲み物や軽食を置くサイドテーブルとしてスツールを使用したり、オットマンの代用で足置きとしてスツールを活用したりすれば、ソファでくつろぐ際に重宝します。

また、テレビ台の横にスツールを置き、インテリア小物や観葉植物を飾ればディスプレイ用の棚になり、部屋の雰囲気も良くなります。さらに、伸長式のダイニングテーブルとスツールを組み合わせるのもおすすめです。例えば2人用のテーブルの場合、来客時に天板を拡張してスツールを2脚増やせば、4人用のダイニングテーブルとして使えます。

キッチンでは、調理中の休憩用の椅子や、食材の一時的な置き場として、スツールを活用できます。手狭になりやすいキッチンでは、食材を置くスペースがなく困ることも多いです。しかし、スツールを使用すれば手軽に食材の置き場を確保することができます。

また、高さがあるキッチンカウンターでスツールを使用する場合は、ハイスツールを使用するのがおすすめです。座面が小さいデザインが多く、省スペースで置けるのもポイントです。

スツールは滞在時間の短い玄関でも活用でき、靴を履く際の腰掛けや荷物置きとして重宝します。近年では使い勝手の良さなどから段差のない玄関が主流になっていますが、立ったまま靴を履かなければならないため不便を感じることもあるようです。

しかし、スツールがあれば腰掛けて靴を履くことができるため快適性が上がります。また、スツールの上に荷物をまとめたバッグを置いておけば、外出時の準備の手間が省けます。

スツールは、洗面所での腰掛けや、ちょっとした物を置くにも便利です。ドライヤーやスキンケアをゆったり座りながらできますし、洗面台の近くにスツールを置けばタオル置き場としても活用できます。また、洗面所では収納付きのスツールを使うと洗剤のストックや掃除道具、スリッパなどの収納もできるため、スペースの節約になります。

寝室では、スツールとベッドの高さを合わせれば、照明やスマホを置くサイドテーブルとして活用できます。また、寝室で身支度をする方は、夜寝るまえに翌日の洋服の置き場所にできたり、着替えの際にちょっと座ったり、靴下を履く際なども便利です。読書好きな方は、就寝前の読書スペースにもなります。

スツールは、ベランダやバルコニーでも活躍します。座って使うのはもちろん、ベランダが狭くテーブルを設置できない時は、スツールをテーブル代わりに活用するのもおすすめです。特にポリエチレン素材のスツールは軽くて持ち運びしやすく、水をはじくため雨の日でも置きっぱなしにできるなど扱いやすさがあります。

スツールはデザインが豊富で、インテリアとして使えるだけでなく、用途が広いのも魅力です。ここでは、スツールのおすすめ商品をご紹介します。

高級感のあるスツールが欲しい方におすすめの、エレガントなスツールです。グレー、ピンク、ブラウンの3色展開で、部屋に置くだけでフォトジェニックな部屋が演出できます。また、ベルベット調の生地で手触りが柔らかく、直径40cm、高さ32cmと小ぶりなサイズのため使い勝手が良いです。

ベランダやバルコニーなどの屋外で使用できるスツールです。オブジェのような存在感があり、置いておくだけでもおしゃれな雰囲気。スツールとしてだけではなく、飲み物や軽食を置くテーブルや、観葉植物を飾る台としても重宝します。水に強いポリストーン製なので、雨が降っても安心。ホワイトとブラックの2色展開。

世界的に愛されている「TON社」の曲げ木天然木ハイスツールは、カウンターキッチンでの使用がおすすめで、椅子のように寄りかかれる背もたれ付き。曲線が美しくモダンさが感じられるデザインのため、どんなインテリアスタイルとも相性が良く、使い勝手が良いでしょう。カラーは、ハニーナチュラルとダークブラウンの2種類あります。

マッサージ機能の付いたスツールなら一石二鳥。リビングのスツールとしてだけでなく、上部のカバーを外しスイッチを入れればフットマッサージャーとしても使用可能です。機能性にも優れており、5つのマッサージコースで脚のリフレッシュに役立ちます。

3本脚が特徴のハンティングチェアのハイタイプ。たたむと10cmほどの細さになるので収納しやすく、使いたい時には簡単に広げられます。肩ひも付きで持ち運びがしやすく、キャンプなどのアウトドアでも重宝。料理中の待ち時間や読書時などに使うほか、リビングのインテリアとして取り入れるなど、さまざまな用途で使えます。

イタリア最大のプラスチック家具メーカーである「カルテル社」のストーンスツール。光を反射してダイヤモンドのような輝きを放つため、リビングのインテリアとして置いておくだけで華やかな印象の部屋になります。クリスタルやイエローなどの5色展開で、直径は30cm、高さは45cmです。

和菓子の「もなか」からインスパイアされたスツール。ふんわりと可愛い見た目なので、リビングやキッチンに置いておくだけで華やかなインテリアになります。CO2の吸収力が高い国産早生樹のセンダンを使用し、環境に配慮しているのもポイントです。色は、グレーとレッドの2色。クッション性があるため座り心地も良く、長く愛着を持って使用できます。

スツールとは背もたれやひじ掛けがない1人用の椅子のことで、コンパクトで収納しやすく持ち運びにも便利です。また、玄関で靴を履く際や、ソファのサイドテーブル、インテリアとして使用できるなど用途が幅広いのも魅力です。今回ご紹介した、スツールを選ぶ際のポイントや活用方法を参考に、暮らしの中にスツールを取り入れてみてください。