【素材別】衣類の収納・お手入れのコツ
第3回〜動物性の天然繊維
「毛(ウール)」
衣類の素材について、シリーズでご紹介します。今回は動物性の天然繊維についてです。ぜひ素材に合わせた衣類の収納やお手入れのコツを知って、毎日の暮らしにお役立てくださいね。
毛(ウール・カシミヤなど)について
・防虫対策は必須
絹(シルク)同様、獣毛繊維も虫の栄養源となるタンパク質を含むため虫に食われやすい素材です。衣類を食べる虫は、外出時や洗濯の外干しの際に付いたり、窓やドアから侵入したりして家の中に入ります。虫の侵入を完全に防ぐことは難しいので、防虫対策は必須です。
防虫対策として有効なのは「防虫剤」の使用です。商品パッケージに記載されている用法や用量を守り、取り替え時期を忘れないようにしましょう。詳しくは、こちらの記事も合わせて参考になさってください。
着物の収納のコツ〜そのB〜 虫食いから大切な着物を守る「防虫剤」の基礎知識
獣毛繊維は特に他の繊維に比べ、
・収納の仕方
伸縮性があるので、ハンガーに掛けたことによる変形に注意しましょう。特に、セーターなどの編まれた衣類は伸びやすいので、たたんで収納したほうが、変形を防ぐことができます。弾性に富むので、シワになりにくく、シワの回復もしやすい素材ですが、収納時にギュウギュウに詰めるとシワがつきやすくなるので、ふんわりたたんで、ゆったり収納するように心がけてください。
・洗濯時の注意
昨今では家庭で洗える製品も増えていますが、本来毛は洗濯に強い素材ではありません。獣毛繊維の表面は髪の毛と同じようなウロコ状になっていて、水を含むとウロコ状の表面が開きます。その状態でもんだり、水中で摩擦が加わったりすると繊維がからまって元のウロコ状に戻れずフェルト化し、縮む原因になります。
家庭洗濯ができるものでも、洗濯によりダメージを受ける可能性が高いので、「手洗い」または洗濯機の「おしゃれ着洗い」などのコースで優しく洗うようにしましょう。また、毛はアルカリ性に弱いので、洗剤は中性のモノを使うようにしましょう。着用ごとに洗うのではなく数回着用してから洗うなど、洗濯の頻度を少なくするのも長持ちさせるコツです。
・お手入れの方法
獣毛繊維は吸湿性が良いので、1日着用すると繊維内に汗などの湿気が溜まりやすく、その状態で着用を繰り返すと摩擦が生じやすくなり、毛玉ができやすい状態になります。連日の着用は避け、少なくとも2〜3日休ませながら着用することをオススメします。休ませることで、繊維内の湿気が発散され、元の形状に戻ろうとするため、形状が安定します。
また、着用後にブラッシングをすると、繊維の流れが整い毛玉ができにくくなります。さらに、ホコリや汚れも取り除くことができます。不要な摩擦を起こさないよう注意しながら、毛の流れに沿って優しくブラッシングしましょう。
特性や対策方法を知って、
特性や対策方法を知って、今後のお洋服選びやお手入れにお役立てください。ご参考になれば幸いです♪
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