栄養価の高さなどで注目を浴びる人気の玄米。でも、いざ玄米に挑戦してみたら、かたい、ふっくらしない、べちゃっとするなど、炊くのに失敗してしまったという方も多いと思います。それは炊き方のポイントを押さえられていなかったからかもしれません。ここでは玄米の特徴や、何が良いといわれているのか、家庭で玄米をおいしく炊く方法などをご紹介します。
もう失敗しない!食のプロが教える
おいしい玄米の炊き方とは
栄養価の高さなどで注目を浴びる人気の玄米。でも、いざ玄米に挑戦してみたら、かたい、ふっくらしない、べちゃっとするなど、炊くのに失敗してしまったという方も多いと思います。それは炊き方のポイントを押さえられていなかったからかもしれません。ここでは玄米の特徴や、何が良いといわれているのか、家庭で玄米をおいしく炊く方法などをご紹介します。
完全食と言われている玄米!
白米との違いは?
玄米は体に良さそうなイメージもありますが、白米とは何が違うのでしょうか。
玄米は、米からもみ殻を取り除いた状態のものです。玄米からぬか層を取り除くことを精米(精白)といい、胚乳のみにしたものが白米(精白米)です。ぬか層に覆われている玄米は、白米と比べると米粒はやや茶色をしています。
お手軽に炊飯器で炊く!
失敗しない方法
玄米は白米を炊くときと同じように炊くと、かたくなってしまい、おいしく炊くことができません。
炊飯器を使って炊けば、火加減の調整を気にしないでよいので、気軽に炊くことができます。その際のポイントは、「浸水時間をしっかりとること」です。さらに洗米の方法にもコツがあります。
失敗の原因は??
炊飯器で炊けば失敗は少ないのですが、かたい、ふっくらしていない、べちゃっとしているなど、炊き上がりがうまくいかない場合があります。炊き上がった玄米がかたいときは、浸水時間が短い、加えた水の量が少ない、などの原因が考えられます。玄米がふっくらしていないという場合は、炊飯器の圧力が弱いこと、べちゃっとしている場合は、水分が多すぎることが考えられます。加える水の量や浸水時間の調整で解決することもあります。また米の品種によっても、炊き上がりが変わってきます。ご自宅で使っている炊飯器で、何度か玄米を炊いて特徴をつかみ、慣れていきましょう。
圧力鍋・土鍋を使って、
玄米をワンランク上のおいしさへ!
圧力鍋を使った玄米の炊き方
圧力鍋を使って玄米を炊いたことはありますか?
圧力鍋で玄米を炊くと、玄米を水に長時間浸す必要もなく、食べたいと思った時に短時間で炊けるのが魅力です。また、圧力鍋を使うことで、玄米独特のもちもちとした食感が引き立てられます。
【圧力鍋の場合】2
1. 洗った玄米を圧力鍋に入れ、玄米の重量の約1.5倍の水を加える。約2時間おいたら、塩一つまみを加える。
2. ふたをして強火にかけ、ふたのおもりがカタカタと動き出したら火を弱め、約25分炊く。
3. 火を止め、鍋の中の圧力が下がるのを待ってからふたをあけ、しゃもじで軽く混ぜる。
圧力をかけて炊くので、とても短い時間で玄米をふっくら、もっちりと炊くことができます。
※圧力鍋のメーカーにより、炊き時間が異なります。上記は目安の時間です。
土鍋を使った玄米の炊き方
土鍋のふたに穴が空いている場合は、キッチンペーパーなどを使って蒸気が外に漏れないよう穴をふさいでおきます。
【土鍋の場合】2
1. 洗米し、約5〜6時間浸水させた玄米を土鍋に入れ、玄米の重量の約1.5倍の水と塩一つまみを加える。
2. ふたに穴があれば割りばしなどで穴をふさぎ、中火にかける。沸騰したら弱火にして約35分。
3. 強火にして約10秒、最後の仕上げとして土鍋の中の水分を飛ばす。ふたを開けずに約20分間蒸らす。
4. ふたを取り、しゃもじで軽くかき混ぜたら完成。
土鍋はいろいろなサイズがあります。小さめの一人用の土鍋で炊く場合は、火の通りがよいため、加熱時間を少し短めにしてみてください。
短時間でふっくら驚きの炊き上がり!
その名も「びっくり炊き」!
玄米を食べたいけれど、炊くのに時間や手間がかかりそうと思っている方におすすめの炊き方が「びっくり炊き」です。びっくり炊きは、麺を茹でているとき、沸騰した湯に水を注ぎ足す「びっくり水」が名前の由来とされています。びっくり炊きは、どのご家庭にもあるステンレス製の鍋や、ホーロー鍋などで手軽に炊くことができます。
炊き方は簡単。
びっくり炊き
1. 洗米した玄米を鍋に入れ、玄米の重量の約1.5倍の水と塩一つまみを加える。
2. 強火にかけ、沸騰したら弱めの中火にし、約20分炊く。吹きこぼれるときは火を弱める。
3. 鍋の中からぴちぴちと音がしてきて、鍋の水がなくなったところに、再び玄米の重量の約1.5倍の水を加え、強火にする。沸騰したら弱めの中火にし、約20分。
4. 火を止めて約20分蒸らす。ふたを開け、しゃもじで軽く混ぜたら完成。
特別な器具を使わないため、圧力鍋を持っていない方や、玄米を炊くのが面倒くさいと感じている方におすすめの方法です。
玄米の成分、フィチン酸・アブシジン酸って何?
玄米には、フィチン酸・アブシジン酸が含まれているのを知っていますか?その作用から嫌われがちな成分ですが、ちょっとした工夫で取り除くことができるのです。
フィチン酸とは?
多量に摂るとミネラルの吸収を阻害すると言われています。しかし、適量のフィチン酸には、体内の代謝を調節する作用があり、がんの予防にも効果があるのではと研究が進められています。フィチン酸は主にぬかに含まれているため、玄米を水に浸しておくことにより、フィチン酸を取り除くことができると言われています。
アブシジン酸とは?
植物ホルモンの一種で、発芽成長抑制作用があります。植物にとっては、種子の休眠など大切な作用をする栄養素ですが、人が摂取すると消化不良などを引き起こす可能性があると言われています。アブシジン酸の摂取を防ぐには、時間をかけて玄米を水に浸しておくことがポイント。玄米を発芽モードにすることで、アブシジン酸を取り除くことができると言われています。
GABAにも注目したい玄米と発芽玄米の違い。
発芽玄米の失敗しない炊き方
発芽玄米とは、玄米を水につけてわずかに発芽させたものです。ですから、「発芽玄米」として売られているものもありますが、自宅で作ることもできます。玄米を発芽させることにより、外皮が柔らかくなり、普通に炊いた玄米よりも食べやすく感じられます。また、発芽させることによって、玄米よりも栄養価が高くなると言われています。
発芽玄米で特に注目されている栄養成分のひとつが、GABA(ギャバ)です。GABAは興奮を静める神経伝達物質として作用するアミノ酸の一種で、精神を安定させたり、ストレスを和らげたりする作用があると言われています。発芽玄米に含まれているGABAの量は、なんと白米の約10倍、玄米の約3倍にもなります。
発芽玄米が優れているのは、栄養価だけではありません。水に浸すことにより表皮が柔らかくなっているので、白米を炊くときと同じように炊くことができます。発芽玄米を炊く時は、洗わずにそのまま炊飯器で炊きましょう。なぜなら、洗ってしまうと栄養素が水に流れてしまうためです。
発芽玄米の炊き方
1. 発芽玄米を洗わずに炊飯器に入れ、白米と同じ水加減で水を加える。より柔らかい炊きあがりにしたい場合は、炊飯釜の目盛より水を少し多く。目安としては、炊飯釜の目盛より1〜2mmくらい上くらい。1合につき大さじ1程度増やすイメージです。
2. あとは、炊飯器のスイッチを押すだけです。
発芽玄米は、発芽するときの酵素により糖質が分解されて甘みが増すため、よりおいしく感じられます。発芽玄米特有のぷちぷちっとした食感は、一度食べてみるときっとハマってしまうかもしれません。玄米が食べにくいと感じる方には、発芽玄米がおすすめです。最近では玄米の発芽機能が備わった炊飯器も登場しているので、利用してみるのもよいでしょう。
まとめ
玄米は、栄養が豊富でおすすめの健康食材です。白米より食べごたえがあるので、自然と咀嚼の回数も増え、満腹感も得られやすくなります。普段食べている白米を玄米に替えることで、ダイエットにもつながるかもしれません。
参考資料:
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