完璧じゃなくたって
長らく、10年日記帳を愛用している。
10年ぶりに購入の季節を迎え、
選んだのは大好きなウィリアム・モリスの日記帳。
月ごとに変わる美しい絵を眺めるだけで心が弾み、自ずと字を丁寧に書いている。
きっかけは約20年前、結婚を機に転勤をして、残業続きの慌ただしい日々のなかで「ゆとりを持ちたい」と思ったことだった。
たった5分、就寝前に1日を振り返るだけで気持ちがリセットされる。
1ページに同月同日を10年間記録するため、昔を思い出すこともできる。
生きていればちょっと嫌なことも起こるけど、
私はできるだけ、うれしかったことを綴る。
1日を楽しい気持ちで締めくくると、気分がいいのだ。
だけど、必ず毎晩書くなんてルールはない。
「子育てでクタクタ」「今夜は夜更かしするぞ」――そんな日は空欄になる。
翌年に2コマ使って書いたり、気になった記事や旅行で手元に残った半券を貼ったりしていると、10年過ぎるとすべての欄が埋まっている。
完璧を求めず、それくらいでいい。
どんなことだって、楽しくできるペースでオッケーなのだ。
(お客様への取材にもとづき当社で記事を作成しています。)