花の力
廣瀬 千尋さん
花の力
私が結婚するときに父がくれたのは、日本三大名藤のひとつ「野田藤」の苗木。
地元でも実家でもとても大切にされていた美しいこの花を、鉢で育て始めたのが"マイガーデニング"の始まりだった。
娘が1歳のとき、近所の植木市で「お嬢さんと一緒の年」と言われ、自宅に迎えた「海棠桜」。
息子が1歳になると、同じ植木市で「息子さんと同い年」と薦められ、今度は「大島つつじ」を購入。
藤も桜もつつじも、そしてバラや他の花たちも、長い間使い続けているお気に入りの肥料で元気でいてくれて、気づけば我が家は春夏秋冬、30鉢もの花々に彩られている。
家族たちは私の育てる花には全く興味がないと思っていたのだが、留学中の娘が「フランスの藤って巨木なんだよ」とか、一人暮らしの息子は「そろそろつつじの季節だね」とか、ふと連絡してきたり。
へぇ、子どもたちもちゃんと気にしてくれていたんじゃない!
そして今日もまた、見知らぬ人が話かけてくる。
「お花、きれいですね」と。
花だけが持つ偉大な力。
それは人と人、誰とでもつないでくれる力なのだ。
(お客様への取材にもとづき当社で記事を作成しています。)