古いと侮るなかれ!「美味しい!」驚きを届けてくれるキッチンの名品たち
<このストーリーを話したひとたち> 山本 真成美 ディノス 調理用品担当バイヤー 三林 美晴 ディノス 調理用品担当バイヤー日本の食文化はここ数十年で大きく変わり、求められる調理用品も、手頃な価格で使い勝手の良いものが増えました。ディノスでも最新の技術やデザイン性を兼ね備えた商品をご紹介していますが、本当に「良い」と見極めたものたちの中には、数十年前、数百年前から食卓を支えてきた名品たちの存在も。調理用品の若手バイヤーである山本真成美と三林美晴が、今の時代だからこそ、かえって「新しい!」と新鮮に映るキッチンの名品たちの魅力を掘り下げます。
年上の先輩たちはみんな知っていた!
今なお現役の名品
調理用品部門でバイヤーを担当するようになり、まだそれぞれ1年、1年半という二人。「担当するようになってから『こんなにいいものがあったんだ!』と驚くことが多い」と三林は語ります。
今だからこそ新鮮に映るロングセラー商品もあります。その一つが、近年取り扱うようになった、アメリカのタッパーウェア社のキッチン収納容器。世間には食品のプラスチック製の保存容器が多数存在していますが、実は、「タッパー」と呼んでいいのはこのタッパーウェア社製のものだけです。蛇腹に広がるアイコニックな蓋のデザインは有名ですが、90年代生まれの二人は当初この商品を知らなかったそう。
山本によると、「会社にサンプルが届いた時、先輩たちが『どうしたのそれ!』『これうちの実家にある!』と驚いて盛り上がってました!(笑)」とのこと。その反応も、取り扱いを開始する後押しになったそうです。
「最近、お味噌を家で作ったり、ぬか漬けを漬けたりと食べるものに気を遣う方が増えています。タッパーウェアのように高い密封力があって塩分や酸に強く、おしゃれで大型の仕込み容器はなかなかないので、需要は必ずあるだろうなと思いました。10年保証がついていて、メーカーが相当品質に自信を持っている証拠です」
すべては「美味しい!」という
驚きを届けるために
タッパーウェア以外にも、ディノスの調理用品には様々な名品が取り揃えられています。例えばイタリアの老舗エスプレッソメーカー、「ビアレッティ」。日本では宮崎製作所の鍋「ジオ・プロダクト」などなど。さらには南部鉄器のような伝統工芸品もあり、最近の商品では現代のライフスタイルに合わせて進化したコーヒーポットのデザインが新鮮です。
また、気軽にぬか漬け作りに挑戦できる「ぬかどこボックス」のように、伝統的な食文化の継承を技術とアイディアで助ける商品も展開しています。名品を見つけようと目をこらす二人の、バイイングのポイントとは?
「やはり、全て『美味しい』につながってほしい」と三林。「鉄のフライパンで焼くとお肉やお魚がジューシーに仕上がり、鉄器でお湯を沸かすと味がまろやかになります。美味しさのためには扱いづらいと敬遠せず使っていただけるよう、Webやカタログに使い方のアドバイスも載せるようにしています」
商品サンプルが届くたびにちゃんと美味しく作れるか試すそうですが、ノンフライ調理器を使った時のエピソードを山本が教えてくれました。
「その時は、三林さんに私の家に来てもらって唐揚げを作ったんですけど『この仕上がりはお客様が食べたとき感動するかな…もう一歩だね』という話になって……」
どんなに良さそうな新商品でも、「美味しい」という驚きを届けられるアイテムかどうか、バイヤー目線でシビアに分析しています。
文化の継承にも視野を広げる、
バイヤーとしての想い
今、三林が気になっている次なる名品は、竹を使った「盆ざる」。「日本昔話とかで野菜を川で洗っているイメージだったんですけど(笑)、置いているだけで見た目にも美しいですし、平たく並べて乾かせるので水切れも早い。改めて調べるとすごく良いなと思って」
また、焼き物が大好きで学生時代からコレクションをしていたという山本は、いつか日本全国の名産の焼き物を紹介するプロジェクトができないかと考えているのだとか。
「今、ディノスでは波佐見焼や有田焼はお取り扱いがありますが、信楽焼や常滑焼など、まだまだご紹介できていない名窯も多いです。多くの窯元さんが後継者不足という課題に直面している中で、僭越ですが、私たちがお取り扱いをすることで文化継承のお役に立てないかな、と思っています。作り手と、売り手の私たちと、お客様との間で、持続可能で三方よしな取り組みができればと構想しています」
古今東西、あらゆるアイテムに素直な視点で向き合う二人のバイヤー。彼女たちがこれから新たに提案する食卓の「美味しい!」という驚きに期待が高まります。