マニアックであれ!”推し活部”だからわかる推し活収納にとって必要なこと
<このストーリーを話したひとたち> 河野 美里 ディノス リビング商品バイヤー 杉本 茉由 ディノス 家具・収納バイヤー今や数千億円もの市場規模にまで拡大したとされる「推し活」。"推し"に並々ならぬ情熱を注ぐファンたちにとって、たくさんのグッズのディスプレイや収納は悩みどころです。それに応えるべく、ディノスでは様々な「推し活収納」を打ち出してきましたが、その陰には、自身も推し活に勤しむ社員たちの存在が......?自称「ディノス推し活部部長」であるリビング商品バイヤーの河野美里と、家具・収納バイヤーの杉本茉由が商品開発に寄せる熱い思いを語り合います。
“オタクとしての助言”を
求められたのがきっかけ
ディノスが最初に開発した推し活のための商品は「推し活収納庫」。当時の担当者は特にオタクというわけではなく、推し活市場を取り上げた報道で関心を持ったのだそう。
「彼女は私の部下だったのですが、オタクの私に商品開発の助言を求めてきました」と、長年、リビングや家具・収納分野でバイヤーを務めてきた河野は振り返ります。ちなみに河野は漫画やアニメを経て、最近ではアイドルの“沼”にいるとのこと。
「昔は何となく『職場でオタクだとバレようもんなら』という雰囲気があり、大っぴらに公言しづらかったのですが、今は社内で『河野さんオタクですよね?』とあっさり言われます。いつの間にかバレてたみたいです(笑)」
アイドルや芸能人、マンガやゲームのキャラクターまで、あらゆるファン活動が総じて推し活と呼ばれる今、以前よりもカジュアルに好きなものを好きと言える風潮になりつつあります。「推し活収納庫」はグッズも収納できる本棚でしたが、続いて発売したのは、「明確にオタクにむけて作った」という「推し活ワゴン」。見た目は普通のワゴンながら、開けるとグッズ満載でまるで祭壇のよう!これを見て「担当したい!」と手を挙げたのが杉本でした。
見せる?隠す?
お悩み解決でマニアックなものを作れ!
「これまではグッズを隠したいニーズに応えてきましたが、私はどちらかというと色々なグッズを飾りたいタイプなので、ディスプレイと収納を兼ねた商品を考案しました」と杉本。プライベートでは漫画、アニメからバンド、舞台など幅広い推し活に励んでいます。
インスタグラムのアンケートでは、家でグッズを「見せたい」「隠したい」の回答がちょうど拮抗する結果に。それに背中を押される形で杉本が企画した3つの新商品「トレーディングカード収納」「薄型推し活収納」「推しが住む部屋」は、いずれも「飾って楽しむ」がテーマ。それにしても、アクスタ(アクリルスタンド)などを飾るための「推しが住む部屋」って流石にマニアックすぎるのでは……?
「コンセプトがしっかりしてて、担当者の情熱が伝われば、作るなと言われることはほぼありません!」と杉本は笑います。
通販はマニアックさを狙った方がヒットすると確信する河野いわく、「マス向けのベーシックなものでは、『他にもっと安い商品がある』と言われてしまう。ディノスがやるべきことは『お悩み解決』です。こういうの欲しいけど、どこにも売ってない……と悩む方を思い浮かべながら作れば、10万人は難しくても、100人の心にはきっと刺さるはずです!」
ディノスの強みを活かした
推し活応援の形とは?
最近、仏壇メーカーが発売した推し活のための祭壇が、本物にも使う素材・技法だと話題になりました。
「あれは仏壇屋さんが作るから面白いのであって、うちはうちなりの強みを活かすべきです」と河野。ディノスの強みとは? と聞くと、二人は口を揃えて「収納!」と即答。ディノスの収納は高品質ながら価格はやや高めなため、杉本は今、手頃な価格で手を伸ばせる工夫ができないか頭を悩ませています。
「私たちオタクは推しにお金を注ぎ込むので、それ以外の金銭感覚は結構シビア。少量の収納からグッズの量に応じて買い足しができ、積み重ねて使うような商品が作れないかと……。グッズって徐々に増えていきますし」
一方、河野が検討しているのは収納は収納でも持ち歩き用のもの。
「推しのアクスタやフォトカードを入れて持ち歩くために、ポーチなどのアイテムが色々あるのですが、どれもややファンシーなんですよね。私は同世代の大人をターゲットに、例えば仕事中にカバンの中を取引先の方にうっかり見られても恥ずかしくない持ち歩き用グッズを作りたいと思っています」
推しが違えば、推し方もそれぞれ。社内でいろんな推し活社員たちの声を聞きながら、より多くの「お悩み解決」をすべく、「ディノス推し活部」の活動は続きます。