私らしく、心地よくサステナブルな選択が装うをもっと楽しくする「リアルクローズ」の今
<このストーリーを話したひとたち> 護山 玲美 ディノス So close, 編集長 宮﨑 早織 ディノス So close, MD2017年、上質さを併せ持つリアルクローズを、という思いで誕生したディノスのファッションブランド、「So close,」。生活者に寄り添い等身大のファッションを提案しています。アパレル業界では、今、多くの企業が環境負荷の低い素材の開発やCO2削減などの努力を重ねていますが、SDGsの時代に装う喜びはどう変化しているのでしょうか? そして、お客様にファッションの「わくわく」を届けるため必要な工夫とは? So close,編集長の護山玲美とMDの宮﨑早織に聞きました。
「こういうのが欲しいよね」から始まる
リアルクローズ
2024年の「So close,」のブランドテーマとして、Webやカタログには「私の心が弾む服」という言葉が添えられています。社会の空気の変化に合わせて毎年テーマを変えており、2023年は「素敵な私をつくる服」、2022年は「私を好きでいられる服」でした。日常を生きる「私」に寄り添うリアルクローズをお届けしたい、という意志を感じる言葉です。
So close,で編集長を務める護山と、MDの宮﨑に、ブランドが大事にしている視点について聞いてみました。
「ファッションは、人が自分らしさを演出する最も良いツール」と語る宮﨑。「お客様にはぜひ、自分が着たいと思うもの、気に入ったものを着ていただきたい。『こういうのが欲しかった!』と思っていただけるものをなるべく提供できたらな、と思っています」
「新しくご一緒する制作会社の方から『どんなブランドさんをイメージされていますか』『競合はどこですか』と聞かれることもありますが、そういうのはないんです」と護山。
「『こういうのが欲しいよね』とみんなで見つけ、商品化していく。難しいんですが、それがSo close,の価値だと信じて頑張っています。お客様から『それ、どこで買ったの?と聞かれました』とコメントをいただくことがあるんですが、それは一番の褒め言葉ですね!」
特別なことだったサステナブルは、
今や当たり前
ファッション産業は環境負荷が高いと指摘され続けており、早くから環境にやさしい素材開発や、廃棄物の削減、トレーサビリティの開示など、多くの取り組みが実践されてきました。業界の意識が大きく変わったのは2010年代では、と護山は振り返ります。
「昔は素材開発の技術がまだまだ追いついておらず、サステナブルな商品は高級で特別なもの、という位置付けでした。しかし、技術が進歩し、ファストファッションへの倫理的な見直しがなされると同時に、環境配慮は今や当たり前になっています。意識せずお買い物をしても、後から『これってサステナブルな素材だったんだ』と気づく、という感じです」
今年、So close,では、売上の一部を森林保全団体である一般社団法人more treesに寄付する企画が。
「あくまでSo close,の世界観の中で、お客様にサステナビリティに触れていただけるよう意識しました」と宮﨑。
企画としてまとめないまでも、動物愛護の観点からリアルファーの取り扱いを早くからやめたり、オーガニックコットンや糸のロスが出ないホールガーメントの商品を打ち出したり、サステナブルを意識した商品も多数展開してきました。
この秋からはそうした商品が一目でわかるように、カタログにサステナブルマークを付ける取り組みがスタートしています。
ずっと変わらない、
ファッションの楽しさ
こうした一連のサステナブルな取り組みの根底には、お客様にファッションを楽しんでいただきたい、という強い思いがあります。
「心地良く着ていただきたいので、工場の労働環境や環境負荷など、引っかかるポイントを少しでも減らしたい」と護山。「値段も素材もデザインもほぼ同じ、というブラウスで迷った時に、環境に良い方を選んでみようかな、と思っていただける選択肢が提供できたら嬉しいです」
時代が変わっても、装う時のわくわくする気持ちは変わらないもの。宮﨑は、改めてファッションの楽しさについて教えてくれました。
「昨日はずっと作業の日だったので、Tシャツにジャージのパンツだったんですが、今日は取材があるからジャケットを着ようと(笑)。着る服でマインドが変わるのがファッションの面白いところだと思います!」
「うちのファッション部のメンバーはみんなそうだよね。着ている服から、今日は大事な会議?それとも会食かな?と察してしまう(笑)」と、相槌を打つ護山。
「好きなものとか新しいものを着るってホント楽しいですし、気分を変えられたり、テンションを上げたりしてくれるのが、ファッションなんですよね!」