飽きない楽しみ
中川原 茂さん
簡易宿所運営
飽きない楽しみ
ふと気が付くと50歳を超えていた。人生100年時代とはいえ、そこまで長生きをする自信もないが、少なくとも残りの人生が数十年はあるかもしれない。暇なことが嫌いな性質の私は、これからの数十年を飽きずに生きるために何かよい物はないかと思案していた。そんな時、ひょんなことから近くの畑を貸してくれるという話が舞い込んだ。DIYが趣味なので物を作ることは好きだが、果たして野菜を作るとはどんな感じだろうか。本を読んだりWebで調べたりしながら手探りで始めた。種を植えて双葉が出てきただけで大喜び。収穫して嬉し涙。食べて美味しさに感動。しかも、土の匂いを嗅ぎながら見る夕日は格別だ。いままで手を出してきた趣味とはまた違った新たな面白さがある。とはいえ相手は生き物だから、上手くいくこともあれば失敗することもある。真夏の草刈りは地獄のように大変である。でも、それがいい。毎日考え、しなければならないことがある。そしてそれをできる環境にあるとはなんと幸せなことか。日々楽しく飽きない人生に感謝である。