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レザーアクセサリーを作ること
a蒼oさん
レザーアクセサリー作家
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レザーアクセサリーを作ること
子どもの頃から口下手だった。それと同時に人が大好きというややこしい子どもだった。人と関わりたいのにうまく関われない。そんな学生時代に私は一つのツールを手に入れた。それが「モノを作ること」。もくもくと自分と向き合い手を動かすと自然と心が落ち着いた。さらに出来上がったモノは人に贈ると喜ばれた。それはそのまま私の喜びであった。相手が長く使ってくれるとさらに喜びは増した。それ故か特にシルバーやデニム、レザーと言った使い手によって違った経年変化をするアイテムに心ひかれた。縁あって皮革という素材と出会い、レザーアクセサリー作家として各地の百貨店に呼んでもらえるようになった。それでもモノづくりは私にとってコミュニケーションツールであることに変わりない。手に取ってくださったお客様の生活に彩りが加えられますように。「これを着けてるから私は大丈夫」と前を向ける理由になりますように。大阪の小さなアトリエで今日も私は製作し続ける。それは、いつか誰かが着けてくれることを想像し、わくわくしている時間なのだ。