心が何かをみつけたとき

心が何かをみつけたとき

厚川 由香里さん
ギャラリスト
厚川 由香里さん

心が何かをみつけたとき

例えば「今日は良いお天気だな」って青空を見上げたとき、偶然、飛行機をみつけたら、急いでスマホを取り出して写真を撮る。雨上がりの路地裏でキラキラ光る水たまりだったり、どこかに続いている可愛い色の扉だったり、コンクリートの割れ目に凛と咲く小さな花だったり。目に入った瞬間、自分の中の "何か" が動くと、いつでもどこでも足をとめて気軽に写真を撮る。まだ生き生きと美しいのに枝から離れて落ちてしまった花や、木の実などをみつけると、そっと大事に持ち帰ったりもする。そんなとき、とても楽しい。私は今、作品を作り出す人たちの、大きく豊かな才能の近くで生きている。人が何かを生み出す力には意志があり、それはいつも私に驚きを与え、日々成長させてくれる。一方、そんな私にとって、ただ偶然出会っただけの "心惹かれる何か" を集めることはまた、かけがえのない楽しみなのである。小さな頃から変わらないこの本能は、私を明日へと繋いでくれるように思う。食事をしたり、眠ったりするのと同じように。 

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