うつわ
西川 番さん
セレクトショップマネージャー
うつわ
料理に合わせて「うつわ」を選ぶことは洋服のコーディネートにも似ている。かぼちゃの煮物ひとつをとっても、「今はこんな季節だから」「この作家さんはどこどこ出身だから」とか、あるいは「前回はこのうつわに盛り付けたから今回はこっちのうつわに」とか、そんなことを考えて料理を盛り付けるととても気分が潤う。ただ、このコーディネートを一歩間違えると途端にテンションは急降下だ。これは洋服のコーディネートに失敗した日に、外に出かけて鏡で自分の姿を見た時にモヤモヤする感覚、あれに近い。しかし、このうつわとのコーディネートがばっちりハマった時は、かぼちゃを口に入れた瞬間、自分の"腕"以上の味を感じさえする。そんな時は妻や娘に必要以上に「美味しい?どう?」と半ば強制的に質問を浴びせる。年頃の娘には少々煙たがられるが、父としても、ファッションを生業としている者としても、そんな日々のうつわコーディネートを楽しんでいる。