秋冬に大活躍してくれるニットのお手入れ、いつもどうしていますか?クリーニングに頼るとお金がかかるし、自分で洗濯すると失敗するし...など、お悩みの方も多いのではないでしょうか。そこで家庭でできる「おしゃれ着ニットのお手入れ方法」について、徹底的に解説します。
【ニットのお手入れ保存版】
ふだんのお手入れからお洗濯まで徹底解説
秋冬に大活躍してくれるニットのお手入れ、いつもどうしていますか?クリーニングに頼るとお金がかかるし、自分で洗濯すると失敗するし...など、お悩みの方も多いのではないでしょうか。そこで家庭でできる「おしゃれ着ニットのお手入れ方法」について、徹底的に解説します。
ニットを長く着るには「ふだんのお手入れ」が大事です。
せっかく購入したお気に入りのニットは、長く着用したいものです。そのためにはふだんのお手入れが大事。お手入れをすることで毛玉を防ぐこともできますので、ぜひチェックしてください。
1日着たニット、毎回お洗濯しないという方も多いと思いますが、すぐにタンスに片付けてはいけません。肩の部分に厚みのあるハンガーに一時的に吊るし、ニット専用のブラシで埃を落とします。そうして数時間休ませてから、たたんでタンスなどに片付けます。ハンガーに長時間吊るすと型崩れの原因になってしまいますから、選ぶハンガーと時間には注意してください。
ブラッシングするときに、ニットを点検してください。特に汚れていなければタンスに片付けてもOKですが、シミがあったらすぐに対応しましょう。少しの汚れなら、固くしぼったタオルで拭き取ります。それでも落ちない場合は、裏側からティッシュなどを当て、表側からつまみ洗いします。ただし家庭で洗濯できないニットは、クリーニング店に出すようにしましょう。
ブラッシングしたときに、毛玉ができていないかも確認します。小さな毛玉は、ハサミの先端部分を使い、ニット自体がいたまないよう注意してカットします。毛玉がたくさんある場合は、専用の毛玉取りを使うほうが簡単です。ただし使用方法をしっかり読んで、正しく使うようにしましょう。
ニットのお手入れを、衣料用消臭スプレーなどで行っている方もいらっしゃるでしょう。ただし、ニットの種類によってはワキ汗が浮き出てシミになってしまったという例もあるので、多用しないほうが良いでしょう。目立たないところに離れた位置からスプレーし、ニットが傷まないか確認してから使用すると安心です。
ニットのお洗濯〜これさえ守れば大丈夫〜
ニットのお洗濯をする前に、まず洗濯表示を確認しましょう。「洗濯不可」のマークがあるものは、クリーニングに出します。それ以外のニット製品については家庭でも洗えます。ただし、クリーニングも不可というニットも中にはあります。なるべくニットを購入する時点で洗濯表示を確認し、お手入れしやすいかどうかでニット製品を選ぶことも大事です。
※平成28年12月から洗濯表示のJISマークが変更になりますが、手洗い不可のマークは大きく変わりません
次に、家で洗濯する手順についてお話しします。
まずは洗剤を選びます。ふだんの洗濯に使っているものではなく、ニットが洗える中性洗剤を選ぶようにします。「おしゃれ着洗い」の洗剤などが一般的ですが、海外のオーガニック洗剤や敏感肌用の洗剤など、種類は豊富にあります。それぞれ説明書を良く読み、目的に合ったものを選ぶようにしてください。
いきなり洗濯するのはNGです。大切なニットほど、色落ちしないかの確認を必ず行いましょう。裾や袖の裏など、目立ちにくい部分に選んだ洗剤を少量つけ、5分くらいたったら白い布で軽く押さえます。色がつかなければOKですが、色がついた場合は色落ちする可能性があります。ご家庭で洗濯せず、クリーニング店に相談したほうが良いでしょう。
ニットをきれいにたたみ、洗濯ネットへ入れます。あまり大きい洗濯ネットを選ぶと型崩れの原因になりますから、ぴったりか少し小さいくらいのネットを選ぶのがおすすめです。あとは表示どおりの量の洗剤を入れ、ドライコースやソフト洗いコースなど、優しく洗うモードで洗います。冷たい水を使わず、常温の水、もしくはぬるま湯を使用することも重要です。
ドライコースやソフト洗いコースで脱水までしてくれるタイプは、脱水時間が1分以内であれば使用しても大丈夫でしょう。それ以外のタイプは、すすぎ終わったら軽くしぼり、厚手のバスタオルの上に置きます。タオルに水分を吸わせるように、ニットの水分をとっていきます。脱水機を使う場合は、ネットに入れてほんの少し(20秒程度)回してください。
ハンガーを長時間使うと型崩れするので、使用しません。お風呂のふたを使ったり、専用の干し台などを利用したり、平らに広げて乾燥させます。ただし変色防止のために直射日光には当てないこと!必ず陰干ししましょう。
表示を確認すれば基本的に洗濯機で洗えますが、やはり手洗いしたほうがより安全です。お気に入りのニットやおしゃれ着ニットは、ぜひ手洗いするようにしてください。手洗いの際は、桶に洗剤を入れたぬるま湯を用意します。桶に入る程度にたたんだニットをその中につけ、30回程度押し洗いします。
※特に汚れが気になっている部分やシミがあったときは、「おしゃれ着ニットのシミは、見つけたらすぐに対応!」のとおり、先にシミ抜きしておいてください。
押し洗いが終わったら洗濯液を捨て、ニットを軽くしぼります。桶に新たにぬるま湯を入れ、洗濯のときと同じ要領ですすぎます。これを2回繰り返します。柔軟剤を使う場合は、2回目のすすぎの際に入れると良いでしょう。
ニットの悩み「縮む」「伸びる」は原因を知ることで対策できる
ニットが縮む原因のひとつは素材です。モへヤやカシミヤ、アンゴラなどウール系のニットは縮みやすいという性質をもっています。それに対し、アクリル系のニットが縮むことはありません。つまり縮みを気にしなくてはいけないのは、ウール系のニットというわけです。
ウールは天然の素材で、伸縮性や弾性があります。摩擦を加えることで縮んでしまうことがあるのです。先ほどご紹介した洗濯方法で、「洗濯ネットを使う」「脱水はタオルで」「脱水機の使用は控える」とお伝えしたのは、この摩擦を極力減らすのが目的です。
ウールのニットは摩擦などで縮みやすいとお伝えしましたが、濡れた状態のニットは伸びやすい状態になっています。たとえば濡れた状態でハンガーに干すと、水の重みも加わりニット製品が伸びてしまいます。その伸びた状態のまま乾かすことで、ニット製品が伸びてしまうのです。乾燥させるときに「平らなところに広げる」とご紹介したのは、伸びることを防ぐための方法というわけです。
おしゃれ着ニットを次のシーズンにも気持ち良く着るために
シーズンが終わったら、ご紹介したとおりに洗濯して片付けます。クリーニングから戻ったら、必ず袋から出し片付けてください。袋をつけたままにすると湿気がこもって、ニットを傷めてしまいます。また、防虫剤や乾燥剤を一緒に入れることも忘れないようにしましょう。
ニットのお手入れについてご紹介しました。面倒に思われる手順もあったかもしれませんが、お気に入りのニットを長く着るには欠かせないことばかりです。「このニットだけは大切に着続けたい」そう思うニットは特に、今回ご紹介した方法でのお手入れを心がけていただければと思います。
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